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オンライン美術館HASARD(アザー)の理念『アートを、もっと身近に』を応援したい!

はじめに

みなさんは美術と出会う場というとどんな場所を想像しますか?ギャラリーや美術館という意見が大半ではないでしょうか。その選択肢の一つに、ネット空間が登場します。今回ご紹介するのは、オンライン美術館HASARD(アザー)です。

オンライン美術館HASARD(アザー)

HASARD(アザー)は、2019年4月に設立された、『誰でも』『いつでも』アートを楽しめるをコンセプトにするオンライン美術館です。

3つの特長をご説明します。1つ目は、“超”高解像度コンテンツ。アザーの展示では、“超”高解像度のコンテンツを使用しています。質感さえも伝わってくるような迫力のあるコンテンツをお楽しみいただけます。展示コンテンツのデータについては、オープンライセンスのもの、美術館に使用許諾をとっているもの etc... 様々なところからデータを収集/提供いただいているそうです。展示にあたっては、弁護士さんに法律上の問題がないかを確認したうえで、実施しているとのことなので安心してくださいね。

2つ目は鑑賞にルールはないという点。鑑賞にはルールも、時間的制限もありません。 自分の好きな音楽を聞きながら、食事をしながら、お好きな形、お好きな時間で楽しむことができます。開館・閉館時間が決まっていて、作品を汚す可能性のある行為やほかの鑑賞者の迷惑になる行為は禁止されている、リアルの美術館ではできない鑑賞の仕方ですね。

3つ目は、全て観覧料無料で見れる点。新しい画家が気になって、試しに見てみたいという時でも安心ですね。その代わり登録が必要だったり、広告を見せられたりするのではという心配をされる方もいらっしゃるかと思いますが、どちらも一切ありません。

2019年9月の時点で、月間1500~2000人ものユーザーが利用しています。

なぜ無料で鑑賞できるのか?

アザーは、ユーザーからもアーティストからも、利用料金を受け取っていません。サーバー代等々の運用に必要な費用については、どうなっているのでしょうか?

その答えは、代表の個人的なお金でまかなわれているというのです。決して資産家というわけではなく、青森出身の一般的な25歳の方だそうです。運営メンバーは代表含め5名のチームで、各々本業があり、空いている時間を、HASARDの運営に充てているそうです。つまり、収益化を考えていないということです。「アートを、もっと身近に」というミッションの実現に重きを置き活動をしているため、このような形で、サービスを提供しているんだそうです。

熱意の源となる原体験

非営利の組織でこうした活動が続くには、相当な熱意が必要なはず。その源泉となるものは何なのでしょうか?サイトのサービスフィロソフィーから引用します。

”まだ、小学生くらいの頃だったか、両親に連れられて美術館を訪れた。
別に両親はアートに関心があるわけではない。ただ県立美術館が新しく開館したので、物珍しさで訪れただけであった。


そこで、マルク・シャガールの『アレコ』という作品に出会った。
県立美術館の中心にある、縦・横21m、高さ19m、四層吹き抜けの大空間に、これまた、高さ約9m、横約15mの巨大な画が3つ鎮座していた。
その迫力に圧倒され、3時間くらいだっただろうか、私はただただ立ち尽くしていた。
両親に、帰りを催促されるまで、この空間から離れようとは思わなかった。


次の日から、美術の授業は最高の時間に変わり、鉛筆は、ただの文字を書く道具ではなくなった。
私はあのとき、もう一度この世に生まれたのかもしれない。
アートは、素晴らしい。
その出会いと感動は、人生すらも変える力があると私は思っている。


しかし、この日本では、アートと触れ合うことのできる機会は決して多くない。
そんな現状を変えたくて、このサービスを立ち上げた。
このサービスによって、アートを通して幸せになる人が1人でも増えればと、そんな想いを込めて、サービスの企画・開発・運営を行っております。”

彼が見た絵は、以下のサイトから見ることができます。

原画を前に3時間立ち尽くしたのもうなづける、生命力にあふれた絵に感じます。

題材のバレエ「アレコ」はロシアの文豪、アレクサンドル・プーシキンの詩「ジプシー」を原作とする物語。

あらすじをご紹介しましょう、文明社会に飽いた貴族の青年、アレコは自由を求めてジプシーの一団に加わり、そこでジプシーの娘ゼンフィラと恋に落ちます。しかしほどなく、浮気なゼンフィラは別のジプシーの若者に心を移します。それを知ったアレコは、憤慨のあまりゼンフィラとその愛人を刺し殺してしまうという悲しい話です。

アザー代表の方が行った当時は無かった、第三幕の絵も2019年10月現在青森県立美術館で見ることができるようです!

もう一度生まれなおした気持ちになれるような素晴らしい作品との出会いが、アザーというサービスで美術を広めようという原動力になっているんですね。

サイトはこちらから飛べるのでご覧になってください。現在ゴッホやミュシャといった大御所からディーフェンバッハというまだ日本では知られていない画家まで展示が行われています。


おわりに

いかがでしたか?本業以外にも熱い気持ちをもって取り組めることがあるって素敵ですね。利用ユーザー 10,000/月を目指しているアザー。応援したいですね!それでは今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!

いただいたサポートは本や美術鑑賞のために使い、より充実した記事を書けるように還元していきます!