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マトンドピアザでわかった「自分の料理法」

 ときどき、むしょうに羊肉が食べたくなるときがある。間違った。いつもだ。わざわざインド料理や中東料理、北海道料理など、少なくとも羊肉料理がありそうなところに行く、だけではまだ飽き足らない。入った居酒屋とかなんかで、羊肉のメニューを見つけると即座に、特に深く考えることなく飛び付いてしまう。

 今回もそういう偶然の羊肉との出会いがあった。目黒にある居酒屋(前は立ち飲み屋だったような気がするんだけれど、記憶違い?)の「ラム野菜炒め」である。

450円也(安い)。味は何を隠そうジンギスカンでした

 改めて、羊肉うまいなぁ、と思ったね。そこで情熱に火が付いたわけだ。こんなステーキ皿に少しだけのラムじゃ足りない、もっと羊肉食べたい、飽きるくらい食べたい。よし。インド食材店行ってこよう。

 そして羊肉が主役のカレーを作るのだ、と。しかしである。羊肉のカレー(本場ではヤギ肉を使うことも多いらしい)といっても、色々種類がある。パキスタンの「マトンコルマ」はうちに圧力鍋がなく、なくても作れはするけど恐ろしく時間がかかるそうなので諦め。「ローガンジョシュ」も、時間がかかる上に野菜入りのアレンジにするのが難しかった。そうして最後には「タマネギ2回」という変わった意味の「マトンドピアザ」が作られることになったわけだ。

 そして、翌日には新大久保イスラム横丁の「シディーク」にいた。その日は休日で、久々に下北沢に行ってみようとか思っていたのだが、マトンドピアザの前にはわりとどうでもよくなっていたのだ。

 そうして買ってきたのが、こちらである。

誇らしい肉塊ですね

 この骨なしマトン。さすがの1キロサイズ。これだけあればしばらく色々な羊肉料理(当然カレーじゃなくても)も堪能できそうである。とりあえず今回使う350グラム以外は再度冷凍。

ポンペイの小皿、お気に入り

 今回はスパイスでも「カスリメティ」を新規導入。これもまた新大久保の別の店で購入したのだが、買ったときに「箱の下部が開いてる」という驚異的な状況で一箱だけ残っているのを保護されたものである。内袋が開いてるよりはマシか。にしてもそのパワーたるや凄まじいものであり、包装を突き破って凄まじい芳香を帰りの電車の中に漂わせていた。あからさまに迷惑だっただろうが、いずれにせよ期待したい。

タマネギが2回に分けて投入されるあたりが「ドピアザ」の所以ですってね
一口大のラム

 今回から工夫として「投入する工程ごとにボウルに分けてある程度混ぜておく」と言うことをやってみた。自分は注意力がだいぶ欠陥してて多動なので(特に最近はそれが顕著)、料理でも必要な材料を入れ忘れてしまう。そのため、こうやっておくと時間に追われてパニックになることなしに、スムーズに工程を進めることができ、入れ忘れも起こらないということである。多分にんにくとしょうがをよく入れ忘れるの、それがスパイスってイメージに乏しいからって気もしますけれどね。

そういや『RRR』、まだ観てないや

 さて、作業用BGMをかけて、作業開始だ。インドで流行ってるポップスってシタールとか笛とかラッパが鳴り響いてハァ~~~~~~~ヤッサラマッサラ~~~~~~~みたいなよくわからないハイテンションなコーラスと共に大量のサリーバックダンサーが登場する、みたいなの想像してたら意外にもそんなことなくてヒンディー語だけど普通のR&Bの影響受けたポップスだね。BTSとかの影響かしら。

ギーを熱してテンパリング。こうやって「スパイス溶かしバター」を作る
茶こしを通した油でタマネギを炒める。もう既に色付いてますね
肉を投入
トマトを投入、この間ずっと忙しい。よく写真撮れたな
パウダースパイス入ったらもう色がカレー
水と塩を入れる。自分流では水はほとんど使わないけれど出回ってる大半のレシピに従った
カスリメティを入れる。立ち上る香りがすさまじい

 で、この状態で弱火で30分煮込む。自分の見たレシピの中では15分ってのもあれば、40分ってのも、はたまた1時間ってのもあり、結局どれが最適解かわからなかった。でもまあ、要するに、

30分後

 こんな感じで水分のカサが明らかに減ってればそれでいいんじゃないかなと。

ここに細切りにしたピーマンとタマネギ、小麦粉で練ったプレーンヨーグルトを入れる

 タマネギは十分にふにゃふにゃになるまで煮込みます。それが完了したら一旦火を止めて、ガラムマサラを投入。塩で味を整えるわけだが、ここでちょっと隠し味。

料理初心者名物「隠れてない隠し味」

 インドというよりは完全に広島なんですが、これはたまたま家にお好み焼きソースしかなかったからで、実際には液体ソースならなんでもいいです。いろいろ試して来た中ではウスターソースが一番良かったかなあ。これ無根拠じゃないんですよ。ソースにはクローブ、シナモン、ベイリーフ、ブラックペッパー、チリペッパーが入っているからで、自分はもはや「液体ガラムマサラ」って呼んだりしています。あと、塩味が足されたり、ヨーグルトで白っぽくなった色味を取り戻すのにも使えます。

ラッシーは余ったヨーグルトから作りました

 今回やってみて気付いたのは料理も何回か繰り返すと、ある程度の「手癖」というか「独自の段取り」ができてくるな、っていうこと。自分の場合だとガラムマサラは最低限小さじ2とか、水は加えずできるだけ無水で作るとか、クミンはホールが至高とか。
 あと今回はホールスパイスにブラックペッパーも使ったけれど、本来は「あんなのスパイスのうちに入らない」と考えて、あんまり使ってなかったりする。でも今回のマトンドピアザに入れてみて美味しかったし、今後また考え変わるかもね。
 
 だから自分は「クミンシードがないからクミンパウダーで代用する」とかそういうのが苦手なのかも。こだわりが強いというかね。このへんが自分の特性というか、融通が利かないところなのかなあ。アレンジをもっとうまくなりたいね、って思う。

 最後に分量書いておきます。

スパイス類
クミンシード 小1
ブラックペッパーホール 10粒
カルダモン 3粒
クローブ 3粒
にんにく、しょうが 各小1
コリアンダーパウダー 小2
チリペッパー 小1/2
ターメリックパウダー 小1/2
シナモンパウダー 小1
カスリメティ 大1
ガラムマサラ 小2

マトン 350g
ピーマン 中3
タマネギ 大1 もしくは 小2
小麦粉を混ぜたヨーグルト 大3
ホールトマト 1/2缶
水 具材が浸るくらい
塩 小1/2

塩、ウスターソース 調味用

 

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