うしろ向き読書ログ
最近、また読書習慣が戻ってきました。
と言っても蔵書量は全然増えていなくて、もっぱら読む本は図書館で借りています。まず新刊本をバリバリ買う財力もないですし、買っても置く本棚がない。それに、流行りにも鈍感なタイプですし。新刊よりも、過去の名の知れた名著、また無名でも心をうつような本を読みたい。そう思うからです。
横浜市という、市立図書館の規模が非常に大きいまちに暮らしているのが大変幸運でした。図書館の蔵書検索サイトを使って、欲しい本だけ取り寄せても構わないのですが、それよりは1時間、ときに2時間かけて、書棚を巡ってゆっくりとどれが今の気分に合っているのか、どれなら読めるかというのをゆっくり吟味する方が楽しいですね。
挫折した本を覚えておく
しかし、そうやって吟味して厳選して借りた本でも、いざ家に帰ってみると途中で挫折する、あるいは全く手をつけないで返却期限が来てしまうことも多いです。主に他のことで多忙で読書どころではなかったとか、本を手に取るまでの気持ちの余裕がなかったとか、あるいは単に体調が悪かったとか、そんな理由で読破できない本が、大体半数くらいあるかもしれません。
というわけで、挫折した本を、その理由と一緒に記録する「うしろ向き読書ログ」とかいいなと思っています。参考になった、あるいは共感した部分を記録する「前向きな読書ログ」はつけていますが、これに付け加える形で書いたら、より長期的には得られるものが多くて楽しい読書ができるんじゃないかと思うのです。
失敗の価値とイマジナリーな積読
この「うしろむき読書ログ」の効果はこんなものがあるみたいです。
「本が読める/読めない」という状態を客観的に自分の心身の状態を確かめるバロメーターにできる。そしてライフログになる。
自分にとって「地雷」な本を体系化立てて、今後の本選びで同じ失敗を回避できる。効率的な読書に役立つ。
よかったけれど読みきれなかった本をまた再挑戦するまで記録しておける。イマジナリーな積読。
ライフログとして
自分の場合本を期限内に読みきれず挫折してしまう原因として、振り返ってみると体調不良だったり、精神が心配事や悩み事でいっぱいいっぱいになってしまっていることが多いのです。
これらを記録しておくと、診察やカウンセリングの時に役立つということは、よく言われています。いわゆるライフログですね。しかし、そうやって記録しようとしても書いた時の気持ち次第で内容が変わって来ますよね。なので「本が読める/読めない」を境界線にすると客観的に元気か、そうでないかを判断できるかなとおもうのです。
「地雷本」回避のために
心身の不良のつぎに本を諦めてしまう理由として、自分が2番目に多いと考えているのが「地雷」な本に出会ってしまうこと。
字が小さい、行間が狭い
事実の曲解、拡大解釈が多い
主観が多い、記述に裏付けが少ない
章立てが下手(長すぎ、短すぎ)
文章が乱暴(暴力的描写が含まれている、とかではなく地の文の時点で言葉が汚い)
とかが自分にとっての「地雷」です。こうした本を「合わなかったから忘れる」のではなくて書名と、何がダメだったのかを記録しておけばそのうちなにか法則めいたものが見つかって回避に役立つのかな、とは考えています。今の所「バズワード」を書名に使った本は地雷率高いことくらいはわかりますかね。自分は読書に効率は求めていませんが、かといって気に入らない本に時間を割きたくはないですね。
「イマジナリー積読」
それでも、心身が元気だったとしても、「地雷」ではなくもっと読みたい、読破したいと思える本だったとしても、期限までに読み切れずに挫折してしまうこともあります。買ったのならまた挑戦しよう、といわゆる「積読」をしておくことができますが、図書館の本は返さないといけないですからね。
そこで3.の「イマジナリー積読」をすることで、手元に置かずにいつかまた挑戦したい本を覚えておくことができるわけです。ライフイベントとしての大きな失敗と比べると、図書館の本を期限内に読破出来なかったというのはごく小さい失敗ですし、何を読みたいのかという気持ちはコロコロ変わる。
だから、その本を選んで、少しだけでも手をつけたことも、気が付けば忘却の彼方に消えてしまいそうになります。それを完全に忘れてしまわないように、覚えておいてまた挑戦する一助となるように、この「イマジナリー積読」が役立つのかなとは思うのです。
そうは言っても……?
ただ、自分と違って心身の状態が万全な、時間の使い方も上手で、読破率100%!って人にとってはこの「うしろむき読書ログ」は無縁の存在ですね。
というか、皆さんもこんなフニフニした記録を付けてるより、読破率を高めるような読み方を覚えた方が得られる知識や経験も多いし、さまざまな能力も上がると思います。はい。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?