増量04.体重を増やすためのエネルギー摂取

 過去の記事でも触れましたが、体重を増やすためにはエネルギー収支を正(+)にすることが必要です。そして、そのためにはエネルギーの摂取量を増やさなければなりません

 ここ最近、筋肉量を増やすためにはたんぱく質が必要だということが認知されてきたことにより、(極端に言えば)たんぱく質至上主義のような考え方があるように感じられます。
 確かに筋肉量を増やすためにはたんぱく質は必要ですが、エネルギーが不足していると折角のたんぱく質はエネルギーとして使われてしまいます

 体重を増やすために、まずはエネルギーの摂取量を意識して増やすようにしましょう。


 内容が重複する点もありますが、参考までに過去の記事で運動に触れたものを↓にリンクしておきます。


1.エネルギー摂取量を増やすということ

 エネルギーの摂取量を増やすには、食べ物や飲み物の摂取量を増やす必要があります。
 一応、エネルギーを摂取するには食事外にも、点滴などを用いる方法もありますが現実的ではありません。

 エネルギーを摂取するためには、普段の食事量をそのまま増やせば一先ずは大丈夫です。しかし、今の食事量を増やすことが困難であるという場合は、それ以外の方法でエネルギーの摂取量を増やす必要があります。

2.食間

 方法の一つとして、食事の回数を増やすというものがあります。
 回数を増やすパターンとしては、今の食事量を少し減らして回数を増やす方法や、今の食事量を変えずに食間で何かを食べる方法の二つが考えられます。

 実際に食事回数を増やす際には、このどちらかが圧倒的に優れているわけではないので、生活リズムに合わせて無理のない方を選ぶと良いでしょう。
 また、食事の回数を増やすと言っても、何も主食・主菜・副菜を揃えなければならないというわけではありません。不足しているエネルギーを補うことが主な目的になるので、炭水化物を中心にしれも問題はありません。もしも、普段の食事でたんぱく質が満足に摂取できていないのであれば、このときに合わせて摂取できるとより良いです。

 詳しくは補助食品の項で説明しますが、最近ではたんぱく質を豊富に含んだ物として、プロテイン製品があります。固形のものから液状のものまで、様々な味があるので自分に合う物を選んでみましょう。
 また、栄養素の内訳としては褒められたものではありませんが、普段の飲み物をスポーツドリンクやジュースなどに替えてみるのも選択肢の一つとなります。この場合は得られる栄養素のほとんどが炭水化物となってしまうので、別途たんぱく質をしっかりと摂取するように注意しましょう。

3.食事の内容

 摂取エネルギーを増やすためには、食事の内容に拘ることも有効です。

 偏見かもしれませんが、一昔前の考え方では増量と言えば「白米を大量に食べる」というようなものがあったと思います。今でも、強豪校の寮生活では「一食に最低2合の白米を食べる」というようなことが、メディアに取り上げられることもあります。実際に行っているという方はいないかと思いますが、実はこれはあまり効率が良くないです。

 白米は炊飯するときに多量の水を含むことになるため、エネルギーの割には嵩が大きいです。そのため、食べた量の割には摂取できるエネルギーが少ないのです。
 また、炊いた白米は水分含有量が多いだけでなく、エネルギー源となる三大栄養素の含有量が炭水化物に偏っています。炭水化物は1gあたりのエネルギーが4kcalのため、1gあたり9kcalの脂質と比べると半分以下のエネルギーしかありません。

 エネルギーを摂取するためには脂質を多量に摂取しなければならない、というわけではありませんが、食が細いような場合は脂質を上手く利用してエネルギーを摂取することも重要です。

4.補助食品

 エネルギーの摂取量を増やすために、補助食品を使用することが効果的な場面が多々あります。
 特に、今の食事量に加えて固形物を増やすのが難しいが、飲料であれば増やすことができるかもしれないという方は、一度使用することを検討してみると良いかもしれません。

 補助食品として有名なのは「プロテイン」だと思いますが、種類によっては体重を増やす際には適していないようなものも存在します。
 例えば、エネルギー量を抑えつつたんぱく質を摂取できるような所謂「ウエイトダウンプロテイン」では、エネルギーの摂取量を増やすのには非効率です。文字通り体重を落としたい人が摂取するのには効果的でしょうが……。
 体重を積極的に増やしたい方がプロテインを摂取する際には、「ウエイトゲイナープロテイン」を選ぶようにしましょう。ウエイトゲイナープロテインは、炭水化物が多く含まれているのでエネルギーを手軽に摂取するには効率が良いです。当然、プロテインであるためたんぱく質も豊富に含まれています。

 エネルギーだけを摂取するためには、「マルトデキストリン」も有効です。マルトデキストリンはでんぷんから作られるもので、少し甘味はありますがほぼ無味無臭です。これだけを水に溶かして摂取するのも良いですし、ウエイトゲイナーでないプロテインを持っている人は、一緒に混ぜて摂取するのも良いでしょう。

 最近はコンビニやドラッグストアでも、様々な種類のプロテイン飲料やプロテインバーが陳列されています。自身の胃袋のキャパシティと相談しながら、上手く利用してみましょう。

5.終わりに

 結局のところ、体重を増やすためにはエネルギーの摂取量を増やすことが必要です。

 エネルギーの摂取量を増やすためには、食事の量や内容を改善することになります。自身の生活リズムや嗜好に合わせて、無理せずに補助食品なども利用して少しずづでも変化を与えるようにしてみましょう。

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