中度知的障害者の方の特徴①
「知的障害に関する情報」というと、重度(最重度)と軽度に関するものが、比較的多いような気がします。
私が仕事で接している成人の知的障害者の方は、中度(療育手帳でいうB1)の方も比較的いらっしゃいます。
「中度知的障害」に関しては、重度(最重度)や軽度ほど情報が多くなくて、どんな感じの方なのか、ということがピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。
まず、すごくざっくりいうと、「中度でも、人によってかなりばらつきがある」という印象です。(知的障害のある方全般にいえることですが)
あくまで、私が仕事で接している方を見て感じたことであり主観ではありますが、中度知的障害がある方の特徴について、ご紹介します。
共通する特徴
身辺自立はできている
中度知的障害に関する情報を見ると、「身辺自立は部分的にはできるものの、全てこなすことは困難」等と書かれていることがあります。
でも、実際の成人の中度知的障害者の方を見ていると、みなさん基本的な身辺自立はできています。(※一定以上の身体的な障害を併せ持っていない限り、食事や着替え、入浴、トイレ等を誰かに手伝ってもらう必要があるという成人の方はいない)
おそらく、人によって習得に時間がかかったりしても、大人になった時点では日常に支障のない程度のレベルは普通にできている、というイメージです。
趣味や好きなことがある
たとえば、絵を描く、ゲームをする、Youtubeを見る、買い物をする、映画を見る、マンガを読む、スポーツをする、歌番組やドラマを観る、カラオケに行く、音楽を聴く、など。
それぞれ「好きなこと」がしっかりあって、それをやって楽しむ、ということができています。好きなことへの熱意や関心は高く、知識が豊富な方も。
趣味のレベルが高い方もいて、たとえばとてもイラストが上手とか、身体を動かすことがすごく得意という方もいます。
自分の好きなことについて話すときや、趣味に勤しんでいるときは、とても楽しそうでイキイキとされているな、という印象です。
会話は成立する
たとえばですが、こちらが「りんごって果物?」と聞いたときに「今日は雨だね」「モンスターハンター!」と返答したりするような、「会話のやりとりが成り立たない、支離滅裂」という方は、私が知る限りいらっしゃいません。
「うん、果物だよ」「そうだよ」「はい」「当たり前じゃん!」と返答する感じ(適切な返しをする)です。
会話の内容がズレる、意図がうまく伝わりにくい、以前した話をまたしたり若干話が飛ぶ、ということがある方はいらっしゃいますが、一般的なイメージよりも全然、会話は続きます。
けっこうお話好きな方も多く(性格による)、1時間以上楽しく話し続けることも、普通にできます。
客観視がやや苦手なところがありそう
「人からどう見られるか」「他人から見たときの自分を意識する」といったところ。
たとえば、身なり。だらしないとか汚れているということはあまりないのですが、例を挙げると
・ハーフパンツを履くにしても、一般的に大人がチョイスするものより丈が短かったりする
・持ち物が実年齢より少し幼めなことも(キャラクターが大きくプリントされたバッグを使っている、アニメキャラのキーホルダーを大量につけている、等)
・ひと昔に流行ったファッションをしていたりする
など。
「ちょっと、ちぐはぐ」という言葉が適切かもしれません。(個人差があり、もちろん全然そうでない方もいらっしゃいます)
あとは、声のボリューム調整が若干苦手、たまに挙動不審(に見える)動きをする、という人もいます。ただこれも個人差はあり、全くない、ほぼないという方もいらっしゃいます。
客観視ができない=人に迷惑をかけているということにはなっていないのですが、客観視という行為自体があまり得意ではないかな?という感じです。
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