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ライターが考えたい「企画力」と「調査力」

ライターにとって、大切なスキルって何だろう?

執筆力、取材力、企画力、調査力、Webマーケティング、人脈……。なんだか、いろいろありすぎて困ってしまう。

どれか1つが絶対的なわけじゃなくて、どれもが必要なスキル。それは間違いない。

でも、編集プロダクションで働き始めて、たくさん記事を書かせていただいているうちに、この2つのスキルは持っておきたいなと思うようになってきた。

それが、「企画力」と「調査力」である。

能力の磨きやすさ=希少性の低さ

執筆力や取材力は数をこなしていれば、一定のレベルまでたどり着けると思う。実際、この2つの能力が高いライターさんは多いので、よほど突き抜けていないと差別化は難しい。

Webマーケティングに関しても、そんなに難しいことではない。コツさえ押さえていれば、文章が良くなくても検索上位を取れるし、タイトルやアイキャッチなんかも知識があるかどうか、という話に落ち着く。

人脈はどうだろう。弊社でも「#ライター交流会」をやっているように、ここ最近はライター・編集界隈のイベントは増えてきた。地方でもある程度のコミュニティができ始めているので、そういうところに顔を出していればある程度人脈はできるんじゃないか。

「フォロワー数」という意味合いであれば話は変わってくるけれど、これは人脈というよりも、発信力やブランディング力の分類に入ってくる。それに、バズや認知を目的としないタイプのライター(メディア)であれば、フォロワー数が多い必要もない。

このようにこれらのスキルはある一定レベルまでは行けるが、それ以上は相当のセンスが必要となってくるものだ。言うなれば、「磨きやすいスキル」なので、これだけだと薄利の仕事を大量にこなすカタチに陥ってしまうのではないか。

企画力と調査力の磨きにくさ=希少性の高さ

一方、企画力と調査力はどうだろう。

僕はこの2つのスキルは、実に磨きにくいものだと思っている。というのも日頃の習慣や視点の鋭さがものをいうスキルであるからだ。

面白い企画を生み出すには、常日頃からさまざまな情報に触れなければならない。そして、その情報を組み合わせる瞬発力(連想力・発想力)も必要になってくる。これはもう生活が仕事の一部のような姿勢でいなければ、身につかないのである。数がどうこうという風な問題ではない。

調査力にしても同じで、調査報道ができるメディアはいま日本にほとんどないのである。新聞社や週刊誌の記者なんかはそうだが、その多くが大衆的で一面的である。だから、まともに調査報道を学ぶこと自体が難しい。

しっかり学べるとすれば、「BuzzFeed」くらいじゃないだろうか。ほかのメディアでは、取り上げないような面を積極的に調査し、報道していく姿勢に多くのファンが付いている。「BuzzFeedらしい記事」といったコメントが多く寄せられるのがその証拠だ。

こうした調査報道には、一般の人たちが物事を捉える視点とは別の視点が必要となる。「こう言われているが、本当にそうだろうか?」と疑えなければならない。さらに、それを検証するための情報収集能力も必要となってくる。これは単にその分野に詳しい専門家に聞くだけでなく、その分野に関わる全ての人に聞くくらいの意気込みでなければいけないのだろう。

以上挙げてきたとおり、企画力と調査力は「磨きにくいスキル」なのである。逆に言えば、この2つのスキルは希少性が高いため、持っていると強いアドバンテージにもなる(とりわけ企画力は横展開もしやすいのもポイント)。

だから、僕は企画力と調査力を持っておきたいのだ。おそらく今後も書く人は増えてくるし、質も高くなってくる。そういうときに、自分は何を武器して貢献していけるのか。こういう視点はライター界隈でしっかり考えたほうが良いだろう。


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