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インバスケット演習と優先順位?

今回は題名にある「優先順位」をはじめとして、「3C」や「SWOT」といったフレームワークについて考えてみます。

1990年代も終わりの頃、人材アセスメントや昇進昇格アセスメントが研修形式で広く実施されるようになってきました。

当時は研修と人材アセスメントなどの切り分けが曖昧で、人事部門の方々からは「せっかく人材アセスメントを研修形式で実施するのであれば、アセッサー(講師)からマネジメントの極意を受講者にレクチャーして欲しい」といったご要望が相次ぐことになりました。

当然、このご要望にはお応えする方向で動くことになりましたが、やはり受講者を前にレクチャーするとなると、今、その場で使用したインバスケット演習や方針立案演習のケーススタディを取り上げなくてはとなります。

しかし、2000年~2004年の人材アセスメントの実情として、インバスケット演習や方針立案演習のケーススタディの品質は難があり、インバスケット演習を題材にしてマネジメントの極意をレクチャーするとなると「案件の優先順位が大切でムニャムニャ…」「重要性が高くて緊急性が低い問題は自ら時間をかけて丁寧にモニョモニョ…」。

方針立案演習を題材にしてマネジメントの極意をレクチャーするとなると「3Cの観点から外部環境を分析することが大切でケロケロ…」「SWOTで戦略を立案することがポイントでクンクン…」、いわゆる「逃げを打った結果としての一般論」が主となっていました。

ムニャムニャ・モニョモニョ・ケロケロ・クンクン言ってるアセッサー(講師)は「人材アセスメントの中での【思考コンピテンシー】と優先順位、3C、SWOTなんて特に関係ないけど」と思いつつも、聞いている受講者の方や人事の方は「そっかー、それが大切なんだー」と真面に受け止めてきた経緯があります。

ま、その時代の名残というか亡霊というか生き残りというかによって優先順位、3C、SWOTなどというキーワードが独り歩きをしているといっても過言ではありません。

また、このムニャムニャ・モニョモニョ・ケロケロ・クンクン言っていたアセッサー(講師)の肩を持つわけではありませんが、昇進昇格がかかった人材アセスメントの場合、インバスケット演習や方針立案演習のケーススタディの機密保持も問われることが多く、受講者の方の納得度を高めるための「課題解説」の時間で、迂闊にケーススタディの内容に具体的に踏み込む訳にはいかず、一般論で課題解説を行う必要に迫られていたことも背景にあります。

この一般論と具体論の間に丁度良く収まるものが「優先順位」「3C」「SWOT」などのキーワードであり、「皆さんは優先順位を意識しましたか~」「3C分析を皆さんしっかり進めましたか~」「SWOTを忘れた人はいませんよね~」という課題解説が当時、頻繁に行われていました。これは逃げを打ったのではありませんが、機密保持を言い訳に楽な道を歩んだ関係者も多かったですね。

話は変わって不思議なことに優先順位・3C分析・SWOTって全てフレームワークなんですよね…。

同時期、「マーケティング思考」、「ロジカルシンキング」なども流行ること流行ること、フレームワークの活用が「デキる奴」の必須条件であり、これも優先順位・3C分析・SWOTなどのフレームワークの拡がりを後押しした側面もあります。

これらを背景として「優先順位・3C・SWOT」などフレームワーク一般が人材アセスメント業界に広まった訳ですが、その後、廃れたようであり、一部では金科玉条になっているようであり、受講者の皆さんをモヤモヤさせることになっています。

今回の記事はここまでです。お読みいただきありがとうございました。

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