みんなのNPO研究室、第一弾トークセッションを5月29日に実施しました。
初回のテーマは「よりよい社会をつくる仕事・活動に携わるわたしのキャリア」。
今回のゲストは…
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」を理念に、途上国の素材と職人の手仕事から生まれたバッグ、ジュエリー、アパレルなどを手掛ける株式会社マザーハウスで働く小島 優さん。
宮城県石巻市で、「すべての子ども・若者が自分の人生を自分で生きる」ことができる地域社会を目指して活動する、NPO法人TEDIC 代表理事の鈴木平さん。
東日本大震災をきっかけに、「被災する前に、できることをしておきたい」という想いのもと、静岡2.0 という市民団体を立ち上げた大原 みちのさん。
企業・NPO・市民活動というそれぞれ異なるフィールドで、よりよい社会にむけて事業や活動に取り組む3人のキャリアについてお話を伺いました。
(ファシリテーターは、みんなのNPO研究室の村松可菜が務めました!)
ビジネスを通じて途上国の可能性に光を当てたい -小島優さんのキャリアの歩み
まずは、小島さんの現在に至るまでのキャリアの歩みについて伺いました。
幼い頃から海外への憧れがあり、中学生時代に緒方貞子さんに影響を受けたことで、国際社会への関心をいただくようになった小島さん。大学卒業後、食品商社へと就職をしますが「20代のうちに海外で働く経験をしたい!」と、イギリスへワーキングホリデーに行く決断をします。
ワーキングホリデーから帰国後、イギリスに行く前から採用選考への応募を検討していたマザーハウスに応募をしますが、その時の選考では採用には至らなかった経緯があります。それでも、マザーハウスで働くことを諦めずにチャレンジを続けた背景には、学生の頃に経験した原体験がありました。
働くことを通じて「生きていく・人と関わるうえでの"問い"」をもらえた -鈴木平さんのキャリアの歩み
続いて、鈴木さんの現在に至るまでのキャリアの歩みについて伺いました。
大学在学中は、複数の学生団体に所属しながら、現在も静岡県立大学で活動する「環境サークルCO-CO」を立ち上げるなど、精力的に活動をしていた鈴木さん。その中で、鈴木さんが働くこととなる「公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(以下、 CFC)」の理事と出会うなど、その後のキャリアにつながる出会いが多く得られた学生時代を過ごされたそうです。
ただ、大学卒業後にいきなりNPOに就職したわけではなく、IT系ベンチャー企業への就職を決断しました。
ITベンチャーで2年ほど働いたのちに、CFCへと転職をします。CFCで約4年働いたタイミングで、鈴木さんにある転機が訪れました。
地域と関わることをライフワークにしたい -大原みちのさんのキャリアの歩み
続いて、大原さんの現在に至るまでのキャリアについて伺いました。
大学在学中に休学をして、愛媛県愛南町でアルバイトとして働いていたという、珍しい経歴を持つ青野さん。この愛南町での経験が今の働き方にも繋がっているそうです。
休学後に「静岡2.0」を立ち上げた大原さんですが、休学中、愛南町で働いた後に石巻に訪れた経験が団体発足に大きく影響しています。
現在、子育てをしながら活動に関わる大原さんですが、ライフステージの変化の中で、団体活動を続けていけるか悩んだ時期がありました。「自分が活動から離れたら静岡2.0は終わってしまうのでは」と考えていた時に、大学の後輩でもある静岡2.0のメンバーが代表を引き継いでくれたことで、現在も子育てをしながらライフワークとして活動に関わり続けることが出来ています。
企業・NPO・市民活動、それぞれの「良さ」と「葛藤」
後半のトークセッションでは、「今の携わり方だからできること・できないこと」について3人にお話を伺いました。
取り組みの先にある「よりよい社会」とは
トークセッションの最後に、ゲストの3人が考える「よりよい社会とはどんなものか」についてお話いただきました。
三者三様のキャリアの歩み、そしてそれぞれの携わり方における良さや葛藤まで、たっぷりお聞きすることができた2時間でした。「社会をよくしたい」という想いを持った時、どんな働き方・生き方ができるのかを具体的に知ることができた機会になりました。
ゲストの小島さん・鈴木さん・大原さん、そしてご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
動画アーカイブについて
なお、当日の様子は以下のアーカイブ動画からもお楽しみいただけます。
ゲストのお話をもっと知りたい方は、ぜひご視聴くださいね。