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みんなと手を取り合いながら歩んでいく。コスメのまち、唐津市に。<後編>

ふるさと納税を通じて地域をもっと元気にするために、地域で頑張るヒトの声を、ふるさとチョイススタッフとの対話を通してお伝えする、「みんなとチョイス」のnote。

このnoteは、<前編>の続きです。

今回は、後編。2023年4月22日(土)に、東京都内で開催した、佐賀県唐津市との、ファンミーティング当日を振り返ります。また、これから唐津市が目指していきたい “まちの未来” について話している様子も、お届けします。

『唐津コスメティック構想』の取り組み

唐津市を、コスメ産業の集積地に。

唐津市では、コスメ産業の集積地化を目指し、平成25年から唐津コスメティック構想を推進しています。

『唐津コスメティック構想』とは?
唐津と玄海町を中心とする佐賀県に、美容・健康産業の集積地をつくる取組み。
その実現のため、佐賀県・唐津市・玄海町・民間企業・大学などが連携し、設立された「ジャパン・コスメティックセンター(JCC)」が推進母体となり、産学官連携のもと、地域資源をいかした経済活動の活性化と、雇用の創出を目指した取組みを進めています。

この構想の取組みの一つが、地産素材の活用

唐津の豊かな自然で育まれた、天然由来原料に注目し、加唐島の椿をはじめ、耕作放棄地を活用してミカン花、ホーリーバジルなどの素材を、化粧品原料として多くの企業に供給しています。

また、唐津市のふるさと納税でも、お礼の品として、地産素材を使ったコスメを充実させるなど、唐津市全体で、コスメ産業を盛り上げる取組みを行なっています。

丁寧な工程で生まれる、自然素材

佐賀県最北端にある加唐島は、日本書紀にも『椿の島』と記されるほど、現在でも、数多くの天然のヤブ椿が自生しています。

そんな加唐島の『椿油』は、島民の皆さんの手仕事により作られ、非常に高い品質を誇り、唐津市には欠かせない地産素材。

この椿油は、良質な椿の種のみを選別して使用し、コールドプレス製法(非加熱処理)で搾油。搾油後の濾過は、圧力をかけず、自然落下で一滴、一滴、時間をかけて、丁寧につくられているのが特徴です。

この先は、前編に引き続き、唐津市のふるさと納税担当者と、加唐島の椿油を使ったコスメをプロデュースする事業者、ふるさとチョイススタッフが、当日の様子を振り返りながら、これからのまちの未来について話した様子をお届けします。


藤井 謙策さん
佐賀県唐津市役所 経済部 からつブランド・ふるさと寄附推進課
佐賀県唐津市出身。2000年4月に唐津市役所に入職。2022年4月にふるさと納税担当者となる。現在は、ふるさと納税業務全般を行う。

松尾 聡子さん
株式会社バーズ・プランニング代表取締役
佐賀県唐津市出身。総務省 地域力創造アドバイザー。広告・デザインを手掛ける傍ら、地域の活力となる看板商品を開発するプロジェクト「地域まるごとデザイン」を2016年にスタート。加唐島の椿油を使用した化粧品「TBK COSME」を生み出し全国のコスメアワードなど受賞歴多数。

水谷 智貴
ふるさとチョイス事業本部/地域ソリューション統括部
埼玉県さいたま市出身。2020年にトラストバンクに入社。主に、ふるさと納税業務に携わる自治体のサポート業務などを担当。

唐津市の取組みを体感するファンミーティング

好きな香りを混ぜる、オリジナルバームづくり体験

今回のファンミーティングでは、唐津市の地産素材である「椿油」に触れ、「椿油」が持つ可能性についてみんなと考えるワークショップを開催!

加唐島の椿油を使い、コスメをプロデュースしている、株式会社バーズ・プランニング代表の松尾聡子さんを講師にお招きし、オリジナルバームづくりをおこないました。

バームづくりキット

バームの材料は、とてもシンプル。

  • 椿油(加唐島産)

  • ミツロウ(国産)

  • 精油(佐賀県産)

まずは、紙コップに、ミツロウと椿油を入れていきます。

その後、佐賀県内の素材でできた精油(アロマオイル)を選び、紙コップの中でブレンド。

”だいだい” や ”かぼす”、”ホーリーバジル” や ”ローズマリー”など、全部で9種類のアロマオイルの香りや効能をチェック。そこから好みのものを1〜3種類ほど選び、自分のオリジナルバームを作っていきます。

「この組み合わせ、いい香りですね!」と、シェアし合っている参加者の様子も。

その後、全ての材料を湯せんで溶かし、アルミ缶の中に注ぎ込み、数分待てば固体となって、出来上がり!

そうして完成した、オリジナルバーム。
できたてのバームを手に塗って、香りを楽しんでいました。


水谷:バームづくり体験、僕もはじめて参加させていただきました。椿油に触れるのも初めてで、肌が柔らかくなった気がします。

藤井:ほんとですね。手が綺麗になってますよ!

松尾:椿油に触れて、魅力を感じていただけるのはすごく嬉しいです。

水谷:松尾さんがプロデュースされている、TBK cosmeを、普段から使っているという方もいらっしゃいましたよね。

藤井:『TBK cosme』は、ふるさと納税のお礼の品登録や、ECでの販売などもされていますが、こうして生の声を聞く機会ってありましたか?

松尾:なかったです。特に、普段から使っている人に、お話を聞く機会がほとんどないので、私にとって、すごく貴重な時間でした。

水谷:どんな想いで、使ってくれているのかも知れましたよね。

松尾:もちろん、TBK cosmeを知らない人もたくさんいました。でも、そういう方の声も含めて、良い声も悪い声も聞き、今後の商品改善に繋げたいと思っていたので、いい経験でした。

椿油の可能性を考えるワークショップ

水谷:今日は、この『加唐島の椿油』の可能性について、みんなと意見交換をしましたね。やってみていかがでしたか?

藤井:今日参加された方は、唐津市にゆかりがある方も、ない方も、両方いらっしゃいました。でも、みなさんが一生懸命に、唐津市の今後のことを考えてくださったことが、何より嬉しかったです。

松尾:まるで、私の会社の社員なのかな?と思うぐらい、活気溢れる場でしたよね。

水谷:今日の参加者は全員、ふるさとチョイスの会員さんですが、改めて、地域想いの方が多い印象を受けました。

藤井:そうですよね!でもそれは、ふるさとチョイスさんが、ただお礼の品を並べているポータルサイトではなくて、地域のヒト・モノ・コトの魅力を伝えるという方針で運営されているから、そういう「地域のことを知りたい」という方が、集まってきているようにも思います。

水谷:嬉しいお言葉、ありがとうございます!僕も改めて、自分たちの役割を再認識しました。ふるさと納税って「お得」な印象が強いですが、それだけじゃなくて、地域を応援する手段として、ふるさと納税があるということを、伝え続けていきたい。

松尾:かなり濃い意見交換ができたのは、地域にアツい想いを持った方々が、集まってくれていたからかもしれないですね。

水谷:僕のグループの皆さんは、完全な寄付者や消費者目線ではなくて、「希少な資源として、もっとみんなに認知してもらうには?」と、真剣に話されていて。僕自身、すごく勉強になりました。

藤井:多くの人の手元に届くために、安く提供するとかではなく、加唐島の椿油のブランド価値を損なわない上での議論。素晴らしいですね。

松尾:島の人が聞いたら、きっと泣いちゃいますよ…。聞かせたかった!

水谷:松尾さんは、何か印象的だったお声はありましたか?

松尾:2つのグループから、「国際基準の取得」をするというアイデアが上がりましたよね。あの時、ハッとしたんです。

藤井:どうしてですか?

松尾:私が加唐島に初めて訪れて、島の人たちを説得するときに、「加唐島の椿油を、絶対に海外に出します!」と、伝えていたな…って。

水谷:島の人たちとの約束を、思い出すきっかけに。

松尾:はい。でも今日、皆さんからの意見を聞いて、改めて、加唐島の椿油の可能性を海外にも広げていきたいと思いました。近すぎて見えていなかったことが、見えたような、そんな感覚です。

藤井:私も、今日は新しい発見がたくさんありました。あとはやっぱり、参加した皆さんが「唐津市に行きたい」と言ってくれたことが、何より嬉しくて。ツアーみたいなものを企画したいと、真剣に思いました。

松尾:ツアーがあったら、唐津市に来やすいですよね。椿の実の収穫体験とか、搾油体験とか、協力します!

藤井:体験型のお礼の品として、ツアーを選べるようにするとかね。色々アイデアが湧いてきました。

唐津市が考えるこれからの”まちの未来”

「寄付者に感謝を伝えること」を、大切にする

藤井:私がふるさと納税担当になって、ちょうど1年が経ちますが、最近、業務を行う上で、大切にしたいと思えることが見つかりました。

松尾:大切にしたいこと?

藤井:「寄付者と関わる機会をちゃんと持つ」ということです。私たちは、ポータルサイト経由で寄付をいただいているので、直接会う機会は一切ない。でも、電話やメールでの問い合わせはあるんですね。この対応を一番大切にしたいと感じています。

水谷:そのように思ったきっかけが、知りたいです。

藤井:昨年、ふるさとチョイスさんが主催の『ふるさとチョイス大感謝祭』に参加させていただいて、私以外の職員2名がブースに立ってくれました。そのときに、東京に住んでいる方がいらっしゃって、「唐津市の電話対応が、ものすごく良かったです」と、わざわざお礼を伝えに会場に来てくれたんです。

水谷:そうだったんですね!

藤井:その話を職員2名から聞いたとき、嬉しくて。その1ヶ月後、その方が唐津市まで旅行に来てくれたんです!市役所にも寄っていただいて、その時も直接お礼をいただきました。

松尾:きっと、唐津市の”ヒト”に魅力を感じてくれたんですね。嬉しすぎる。

藤井:これまでも、顔が見えない電話やメールであっても、寄付者の方に誠心誠意、感謝の気持ちを込めて対応させていただいてました。それがこうやって、唐津市のことを好きになってくれて、会いに来てくれることに繋がるんだ!と思った時、「寄付者と関わる機会を持つ」、そして、感謝を伝えることを一番大切にしよう、と思ったんです。

水谷:「感謝」という気持ちを持ち続けるのは、ふるさと納税業務をするにあたって、すごく大切なことですよね。

関係人口から交流人口、そして定住人口の増加へ

藤井:唐津市は、おかげさまで寄付件数も右肩上がり。それってつまり、唐津市を応援してくださる、関係人口が増えてきている、とも言えると思うんです。

水谷:そうですね。藤井さんの考えとして、ふるさと納税を活用して、唐津市にどんな変化を期待していますか?

藤井:やっぱり最終的には、唐津市に移住してくる人を増やしたいと思っています。

松尾:唐津市も、他の自治体と同じく、人口減少は進んでいますからね。

藤井:そのためには、さっきも話した通り、ふるさと納税で寄付してくださった方と、直接関わる機会を持ちながら、「唐津っていいよね」「唐津を応援したい」と、思ってくれる人を増やしたい。

水谷:その上で、唐津市に遊びにくることができるような、ツアーなどが用意されていると、交流人口の増加にも繋がりますよね。

藤井:はい。唐津に来たら、魅力をたくさんお伝えできる自信があります。そこで、もしご縁があって、唐津に移住したいと思ってくださる方がいて、定住人口増加に寄与できれば、唐津市としても、事業者も幸せになれると考えています。

水谷:今日参加してくださった皆さんも、いわば「交流人口」につながる方々だと思います。あんなに積極的に、唐津市のことを考えてくださる方がいるって、誇りですよね。

松尾:そうですよね。私も、唐津市を盛り上げるためだったら、どんなことでも協力しますよ!

藤井:パワーがみなぎる松尾さんと一緒だと、心強いです!

松尾:私は、自分の会社がプロデュースした商品が売れればいいとか、そういう考えでは決してない。私がわかることなら、他の事業者さんの商品も紹介しますし、唐津に興味を持っている人に、まち案内だってします。

水谷:松尾さんの、唐津への愛を感じます。

松尾:その地域に住む人の豊かさとか、その先の未来を考えて、『地域まるごとデザイン』というプロジェクトも掲げているぐらいなので。市役所の藤井さんや、『唐津コスメティック構想』を推進しているチームとも共創しながら、みんなと唐津市を元気にしていきたいですね。

藤井:こういう事業者さんの協力があって、私たちは唐津市の未来が元気になるように、歩みを進めていくことができていると、再認識できました。

水谷:素晴らしい連携。僕も、サイト上での魅力発信のお手伝いだけでなく、交流人口、いわゆる唐津市のファンを増やすことに、協力させていただきたいと思います。

藤井:みんなで、「唐津市が好き」と言ってくれる方を、増やしていきましょう!


唐津市の職員と、事業者、ふるさとチョイススタッフがお話しした様子を、前編・後編と分けてお届けしました。

実は、対談の中で、ブランド総合研究所が、毎年調査している都道府県魅力度ランキング2022の結果が、『佐賀県が最下位(47位)』だったことにも触れていた、藤井さんと松尾さん。

出典:「地域ブランド調査2022」(ブランド総合研究所)

衝撃的な結果だったのにも関わらず、「47位で良い。伸び代しかないってことだよね。」「47位であることが魅力。むしろ、この座を譲りたくないぐらい!」と、ポジティブな反応だったのが、とても印象的でした。

”伸び代しかない”、そう思えるのは、唐津市が秘める魅力をもっとたくさんの人に知っていただきたいと考える、二人の熱意と自信があるからこそだと思います。

そんな熱意を持った、”地域のヒト”がいるまち。応援したくなりませんか?

ふるさとチョイスでは、こうした”地域のヒト”の想いや、取り組みを発信し続け、応援したい地域と出会う取り組みを、大切にしています。

このnoteを読み、唐津市を元気にしようと頑張るヒトの想いを、感じていただけたなら、うれしいです。


佐賀県唐津市をふるさと納税で応援

▼最新情報

▼松尾さんが手がける「TBK cosme」のお礼の品一覧


「みんなとチョイス」とは?

私たちは、ふるさと納税ポータルサイトを運営している「ふるさとチョイス」です。私たちは、寄付者の想いを地域に届け、地域の変化を寄付者に発信しています。

その活動の一つである「みんなとチョイス」では、地域で活動するヒトの想いに触れ、地域の魅力や課題についてみんなと一緒に考えるファンミーティングなどを行いながら、持続可能な地域の未来をいっしょに考える場をつくっています。

そして、ふるさと納税を通じて地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、もっとたくさんの方と共有したいと思い、このnoteで、ふるさとチョイススタッフとの対話を通してお伝えしています。

そして6月は、茨城県境町と「近未来モデルを体験!境町の取り組み見学ツアー」というテーマで開催が決定!

全国初となる「自動運転バス」定常運行の体験乗車。そして、地域商社・自治体・事業者が共に新たな産業を生み出すようなまちづくりの取り組みを、見学しに行きます。

干し芋を製造している見学や、ワインの試飲会も実施予定!

また、ツアーの中で発見した「境町の推しポイント」をみんなと共有しあい、ふるさと納税をきっかけに境町に行きたくなるためには?について、意見交換するワークショップもおこないます。

下記から、ご参加をお待ちしております。

※申し込みは、6月5日(月)まで

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