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まちの未来に投資する。ふるさと納税で生まれる好循環なまちづくり<前編>

みんなとチョイス」のnoteでは、ふるさと納税を通じて、地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、ふるさとチョイススタッフとの対話を通して、お伝えします。


6月17日(土)、茨城県境町で、「みんなとチョイス」のファンミーティングを開催しました。

昨年、ふるさとチョイスが主催する「ふるさとチョイスAWARD2022※」において、茨城県境町は、「未来につながるまちづくり部門」「チョイス事業者部門」の大賞を、なんと、W受賞!

ふるさとチョイスAWARD」とは?
地域で頑張る「人」にスポットを当て、ふるさと納税の裏側で起きたストーリーや地域の人の熱い想いを表彰する年に一度のイベント。

*「未来につながるまちづくり部門」
ふるさと納税を活用し、未来につながるまちづくりを行っている取り組みに関する部門。

*「チョイス事業者部門」
ふるさとの納税の取り組みによって、地域産品の価値を高めたり、地域経済の活性化やまちの魅力づくりに貢献した事業者の取り組みに関する部門。

今回のファンミーティングは、境町内を巡りながら、最先端の技術や、ふるさと納税を活用して新たな価値が生まれている場所を、見学するツアー!そして、境町の未来につながるアイデアについて、みんなと意見交換をするなど、盛りだくさんの1日でした。

ファンミーティング終了後、境町のふるさと納税担当者と、ふるさとチョイススタッフが、アワードで大賞をW受賞した時の心境や、これからのまちの未来について話しました。

その様子を、<前編><後編>の2回に分けて、お届け!

このnoteは、前編。境町を盛り上げる取り組みに対する背景や、それに対する想いを中心に紹介していきたいと思います。

石川 和彦(いしかわ かずひこ)さん
茨城県境町役場 まちづくり推進課 ふるさと納税推進室
茨城県境町出身。2013年4月に境町役場に入職し、2016年4月からふるさと納税担当者となる。現在は、ふるさと納税業務全般を担う。

齋藤 彩奈
ふるさとチョイス事業部/マーケティング統括部/ ブランドコミュニケーション部
埼玉県鴻巣市出身。2016年にトラストバンクに入社。ふるさとチョイスAWARD2022の、コンテンツ編集・デザイン業務を担当。現在は、ふるさとチョイスのSNS運用も担う。


茨城県境町のこれまでの取り組み

『自動運転バス』で、誰もが困らないまちの実現へ

齋藤:ファンミーティング、お疲れさまでした!境町の未来につながる取り組みを直接感じて、考えることができた現地ツアーになりましたよね。

石川:そうですね!ふるさとチョイス会員の皆さんに、境町の魅力や面白さが伝わったような手応えがあります。その中でも、自動運転バスに乗車して、まちの中を走る経験は、大きかったかもしれないですね。

齋藤:境町の公道を、定常運行で走る、自動運転バス。参加者から、「そもそもなぜ境町で?」という質問もありましたが、改めて教えていただけますか?

石川:はい。現在の橋本町長が、2019年に、自動運転バスの実証実験を報じるネット記事を読んだことがきっかけです。もともと、鉄道路線がない境町では、移動手段として自動車が欠かせません。自動車がないと生活できないことから、高齢者が免許を返納したくてもできないというような課題もありました。

齋藤:公共交通機関が発達していないことによって、境町に住み続けられないというのは、大きな課題ですね。

石川:だからなんとしても、境町に長く住み続けることができ、誰もが生活の足に困らないまちを目指すために、町民の声を取り入れながら、自動運転バスの導入をすることに決めました。

齋藤:普段から使っている道路で自動運転バスが走るとなると、町民の方からの理解は不可欠ですよね。この自動運転バスが走ることが決まったときの、町民の方々からの反応は?

石川:自動運転バスの走行が始まる前から、みなさん積極的に協力してくださいました。たとえば、自分が所有している敷地を、バス停の設置や、渋滞回避のための待避所として無償で貸してくれたりとか。町民の皆さんの協力がなかったら、今もこうして運行することができていないと思います。

齋藤:本当にありたがいことですね。定常運行が始まって、まちにどのような変化がありましたか?

石川:車の運転をしなくなった高齢者の方から、「外に出て、友達と喫茶店でお話をする機会が増えて嬉しい」という声を聞いたことがあります。

齋藤:なんて心温まるお話…!

石川:小さい子供がいるママさんからは、「自動運転バスで子供の送り迎えが楽になった」とか。あと、自動運転バスは走行速度19kmと、少し遅いスピードで走るんですね。それが、まちの中を走る車のペースメーカーの役割となってくれているので、「通学路の道を走る車の速度もゆっくりになり、安心して登下校させられます」という声もありました。

齋藤:私にも、保育園と小学校に通う子供がいるので、安心して登下校させられるという親御さんの考えに、すごく共感ができます。公共交通機関としての便利性だけではなく、まちの交通安全にもつながっているというのが素晴らしいですし、聞いたことのない事例でした。

石川:公道での自動運転バスの定常運行は、自治体としては全国初になるので、境町のほかの取り組みと併せて、年間で200を超える自治体様や、企業様からの視察が来るようになりました。そこで話を聞いてみると、どこの自治体でも同じような課題を抱えているんですよね。なので、まずは境町が取り組んで、事業のハードルを下げてあげる。そして、「じゃあ僕たちの街でも挑戦してみよう」と、取り組みが広がっていき、日本全国が住みやすいまちになっていくといいな、と考えています。

境町のふるさと納税をともに盛り上げる、地域商社の存在

齋藤:境町のふるさと納税の状況は、市町村別のランキングで、5年連続関東1位!全国でも17位を獲得するなど、かなり盛り上がっていますよね。

石川:全国の寄付者様からの応援のおかげで、境町では新しい事業や製品がどんどん生まれています。こうした、ふるさと納税を活用して、地域をもっと元気にしていく取り組みは、境町にある地域商社『さかいまちづくり公社』の皆さんと一緒に行なっています。

齋藤:世間一般的に、地域商社とは、地域の資源をブランド化し、生産から加工まで一貫したプロデュースをしながら、地域内外に流通販売していく組織のこと。境町役場と『さかいまちづくり公社』さんでは、どのように連携をとっているのでしょうか?

石川:僕たちは常日頃から、すごく近い距離で、まちを盛り上げるアイデアや課題について話をしています。実際に、今日のファンミーティングも、『さかいまちづくり公社』の皆さんと一緒だったから、実現できました。

齋藤:私から見ていても、境町役場と地域商社が、同じ熱意で動いていることが伝わってきました。

石川:常に情報を交換し合って、アイデアの相談ができるので、地域を良くしていくために、同じ方向で進んでいけるのが心強いです。

齋藤:石川さんがふるさと納税担当になって、7年目。皆さんと一緒に取り組む中で、変わったことはありますか?

石川:これまでに立ち上げた新規事業や、ふるさと納税の業務をおねがいしていることもあり、町内での雇用が生まれています。また、もともと生産していなかった、干し芋やワインなど、新しい特産品も生まれている。その結果、それを作る事業者という面でも雇用が生まれていますし、その原材料を栽培する農家も増えました。

齋藤:境町から外へ働きにいく人が多かったけど、いまでは、境町に働きにくる人の増加にもつながっているんですね。

石川:そうですね。また、『さかいまちづくり公社』さんは、『道の駅さかい』の運営も担っている。なので、私たちも定期的に道の駅に行って、事業者さんが新しく出した品や、来館者に人気のある品を見て、「これお礼の品にしたらどうかな?」とか相談したりしています。

齋藤:なるほど!逆に、お礼の品に出していて人気になったものが、道の駅に並んだりもするのでしょうか?

石川:はい。ふるさと納税に出しているお礼の品は、全国の方からの反応があるので、道の駅に出す製品を考える、ひとつのモノサシになっています。

齋藤:ふるさと納税と、道の駅の、両方を見ながら動けるというのが、地域商社と一緒に取り組む良さにもなっている。この道の駅があることによって、いい循環が生まれていますね。

石川:そうなんです。まちの未来に力を注いでくれている、地域商社の皆さんの存在が、いまの境町にとって必要不可欠だと感じています。

齋藤:石川さんは、生まれも育ちも、境町ですよね。『さかいまちづくり公社』による取り組みの前後で、まちに変化はありましたか?

石川:ありました。自分が幼い頃も、道の駅は賑わってはいたけど、近所の方に会うぐらいの感じでした。でも、最近は、自動運転バスに乗ってくる方や、道の駅にあるレストラン「茶蔵」を目掛けてきている人もいたり。隈研吾さんの建築物を見に、東京から高速バスでくる方も増えました。

齋藤:いままで交わることのなかった人たちが、集まってきているんですね。

石川:はい。境町は、移住にも力を入れているので、子育て支援住宅なども建てています。結果的に、県外の方からの申し込みも非常に多い。だからこれからは、さまざまな人が一緒に集まれる、コミュニティのような場が、必要になってくると感じているところです。

ふるさとチョイスAWARD2022を振り返る

ふるさとチョイスAWARDでは史上初となる、大賞のW受賞!

齋藤:昨年10月に開催した、「ふるさとチョイスAWARD2022」。『未来につながるまちづくり部門』では、公共交通機関不足という、全国にある社会課題に横展開できる「自動運転バス」の定常運行に関する取り組みが大賞受賞。そして、『チョイス事業者部門』では、ふるさと納税を活用して地域を変えるという思いと、今まで得てきたノウハウを地域内に留めず全国へ広げていく姿勢が評価され、大賞受賞。なんと、アワードでは史上初となる、大賞のW受賞となりました。あらためて、おめでとうございます!

石川:ありがとうございます!結果を聞いた時は、とても驚きました。実際に、『自動運転バス』も、『さかいまちづくり公社』さんの取り組みも、他の自治体にはない取り組みであると自信はあったので、うれしかったです。

齋藤:全国132件のエントリーから、12組の素晴らしい取り組みがノミネートされ、こうしてW受賞という結果になったのは、まちの誇りにもつながりますよね。

石川:もちろん受賞も嬉しく思いましたが、アワード当日、他の自治体職員や事業者さんの発表を聞けたことがよかったです。それぞれの地域で、さまざまな取り組みがされていることを知り、自分自身も「まだまだやれることがある」という気付きを得たし、自分の意欲にもつながりました。

齋藤:他の自治体の取り組みを学ぶことができるのも、私たちがアワードを開催する理由の一つでもあるので、そう思っていただけて、よかったです。

石川:先日、この大賞を受賞した取り組みに関する記事も作成いただいて、あらためて自分たちの取り組みや思いが、世の中に伝わっていくことに、嬉しさを感じました。


”地域一体となって、みんなが住みやすいまちづくりを”

先日、境町の取り組みを記事にするため、町内で取材をしていたとき、町民の方々とお話しをさせていただく機会がありました。

お話をしている中で印象的だったのが、「役場の方たちが、まちを元気にしようと頑張ってくれているから、ここで過ごしているのが楽しい」という、全体の雰囲気。

境町役場や、『さかいまちづくり公社』の皆さんが、本気で地域を盛り上げたい!という熱意が、町民にも伝わっている。そして、まち全体が協力しながら、みんなが暮らしやすいまちづくりをしていこう!という意志が、まちの未来を明るく照らしているように感じました。

<後編>では、境町内で開催した、ファンミーティング当日の内容を振り返ります。また、これから境町が目指していきたい “まちの未来” について話す様子もお届けしますので、おたのしみに!

※<後編>を公開しました(2023.07.24)


茨城県境町をふるさと納税で応援

▼最新情報

▼ふるさとチョイスAWARD2022大賞受賞取り組み内容紹介


「みんなとチョイス」とは?

私たちは、ふるさと納税ポータルサイトを運営している「ふるさとチョイス」です。私たちは、寄付者の想いを地域に届け、地域の変化を寄付者に発信しています。
その活動の一つである「みんなとチョイス」では、地域で活動するヒトの想いに触れ、地域の魅力や課題についてみんなと一緒に考えるファンミーティングなどを行いながら、持続可能な地域の未来をいっしょに考える場をつくっています。
そして、ふるさと納税を通じて地域をもっと元気にするために頑張るヒトの声を、もっとたくさんの方と共有したいと思い、このnoteで、ふるさとチョイススタッフとの対話を通してお伝えしています。

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