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ギラギラしたバンコクにびびり、強い女であろうと決めた1日目

バンコクって、こーんなに都会なんだ…
スワンナプームから市内のホテルへ移動中、窓から外を眺めていて驚いた。ビル、ビル、ビル、どこまでもビルが続く。しかも、倒れやしないかと心配になるほど長い。高いというより、長いのほうがぴったりくる。
それに加えて、車の多いこと。道路を車が埋め尽くしている。車間距離をこれでもかと詰めながら、ちまちま進んでいく。”あおり運転”って言葉、ここの人たちには通じなさそうだ。

高速を降りて地道になると、アジアっぽい屋台やナイトマーケット風の店がぽつぽつ見られた。でもやはり、都会ならではのビジネスライクなギラギラ感のほうが圧倒的に強い。もちろん郊外へ出れば違うのだろうけれど、少なくとも私の滞在するホテル周辺は、すごくギラギラってことらしい。最近条件付きで合法化されたという大麻屋もあるし、ムキムキで強そうな欧米人もうろうろしている。
危ないやつに襲われないように、引っかからないように、強く、賢くならなければ。そういうオーラを身に纏うのだ、と腹に力を入れた。


ホテルに着き、部屋の広さに感動するも束の間、ご飯にありつくためガイドブックをパラパラ。ふらふらして良さげな店に入ろう~という考えはもう消失していた。記念すべきファーストディナーは、行列のできるほど美味いらしいカオマンガイ屋さんに決めた。地図を見ると、最寄り駅はボートの駅のようだ。なにそれ、乗ってみたい…!

ボートまでの道は、車や人こそ多いがやはり怖い雰囲気を放っていた。でも好奇心の勝ちだ。なにをも振り切るようにスタスタ歩き、ファニーガールと冷やかされ、なにがファニーなんだとプンプンしながら、とりあえずエクスチェンジへ。ここから出た瞬間にお金巻き上げられやしないかと冷や冷やしたが、そんなに心配するほど、こんなジャパニーズ小娘に興味はなかったみたい。

ボートの駅舎には、現地の人々も多く並んでいて、デイリーに使われていることが伺えた。時刻表か駅順らしき紙が貼ってあったが、わたしには皆目わからなかったので、地図とGoogleマップを駆使して目的地方面へ向いているボートになんとなく乗った。乗組員の人が近付いてきたので、降りる駅名を叫び、示されたお金を払う。14バーツ。安い。

ボートは思っていたより速くてエキサイティングだった。楽しい。ようやく、ここがバンコクなのだ、と思えた。ビルの裏側みたいな景色を見ながら、都会の夜風に吹かれながら、広く穏やかな川に恵まれているこの地の交通事情に思いを馳せた。日本は狭くて急な川ばかりだからか、こんな水上交通は見られない。そういう違いがおもしろい。それぞれの国で、発達すべきものが発達している。

駅名を告げてくれるシステムではなかったので、これまたGoogleマップで位置情報を確認しながらボートを降りた。こういうネットワークは、全世界共通で発達しているんだなあ。いいとこ取りの便利な世の中になったものだ。


人気のカオマンガイ屋さんは、幸いにも待ち時間少しで入れたが、わたしが食べているうちにより長い行列ができていた。

カオマンガイは、悶えるくらい美味しかった。うまみ染み染みの鶏とご飯。そのままでも十分だけど、別皿で付いてきたナンプラーもいい仕事してくれる。そして一緒に頼んだタイミルクティーが、甘々でこれまた最高だった。道中ちょっと怖かったけど、来て良かった~。
と幸せを感じていたところ、ナンプラーの中にねぎみたいな緑のものを発見。食べてみてわかったが、唐辛子の類だった。もうその後は、辛すぎて下がヒリヒリして、味がわからなくなってしまった。非常に残念である。


お腹も満たされてパワーがみなぎったので、お店の近くに位置するお参りスポットに寄って帰ることにした。
繁華街のショッピングモールの前に、それはあった。宗教が生活と密着しているということだろうか。特に信仰もないわたしだけど、神様をこんな場所に置いていいのかと心配になる。

プラ・ピッカネートは、金運アップと芸術面での成功にご利益があるらしく、ガネーシャ像がでんと座っていた。その隣に、プラ・トリームールティ。こちらは恋愛成就の神様らしく、ブラフマー、ビシュヌ、シヴァの三位一体像が祀られている。そしてこの恋愛の神様は、木曜の21:30にお参りすると効果が高いといわれているらしい。なんとこの日は木曜!神に招かれていると言っても過言ではない。

目的の時間近くなると、続々と人が集まってきて、お供え物らしきものを手に、神様の前に座っていく。わたしも真似して、広場内にある店で一番安いお供えセットを購入し、裸足になって座る。お祈り方法が書かれた紙もくれた。時刻になると、みんながそこに書かれている呪文を唱え始めた。その真剣な表情と、たぶんすごいのだろう目の前の神様を見ていたら、迷い揺らいでいる自分の今の恋愛なんかについて祈るのはなんだか滅相もなくなってきた。代わりに、すごく真剣に婚活している友人達の幸せを祈り、余興があればわたしの恋のほうも、とお願いしておいた。


帰りはBTSという電車に乗ってみた。こういうローカル交通を利用するのが好きなのだ。前の人が切符を購入している様子をよく観察し、習得。たった1回の乗車なのに、ICOCAみたいなしっかりした切符が出てきた。ICチップ入りらしい。使い回しだろうか?日本よりクールだ。


リュックをガシッと抱いて、隙のない女だぜオーラを出しながら、満員電車に揺られる。

翌日はガイド付きツアーだ。きっと、強くいなくても大丈夫だろう。

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