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読書記録:アンクールな人生 弘中綾香
かわいいな、と思って近づいてみたら、とてもかっこいい女性だった。
弘中アナのエッセイ、1作目もそんな印象を受けた。芯が強くて、しなやかなハングリーさを持っている。2作目は、そんな弘中アナの根幹を築いた、これまでの人生について綴られている。“アンクール”とあるように、かっこつけも背伸びもしていない。そんな風に書けるのがまた、かっこいい。
人それぞれ持っている「何か」は違っていて、それが光る場所もタイミングも私たちではコントロールできず、人生の意外な局面で思いもよらない出来事によって出会ってしまう(p.220)
私の頭の中では、ぼやっとして輪郭が捉えられないことを、こんなにストライクに言葉にしてしまう。考えも言葉も、借りものでない、自分のもの、という感じが、好きだなあ。
ちょっとしたことに群がって批判し、有る事無い事に無駄な意見を言い合う。情報化社会によって、そんなナンセンスな娯楽を好む人間の声が大きく聞こえてしまう、理不尽な世の中。その波風が顕著な芸能界で、弘中アナは、武器も鎧も捨てて、“生身の自分”で闘っている。
地に足をつけ、傲慢などはカケラもなく、しかし堂々と。
そうそう、できることではないと思う。
比べるものではないと分かっているけれど、同年代なのに、嗚呼すごいなと、思わずにはいられない。
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