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ドラマ「だが、情熱はある」最終話 ”情熱”を持った凡人は天才と同じ

最終回まで、「何者かになりたかった若者が何者かになってゆく」道のりをブレずに見せてくれた、本当に良いドラマ。
初回も面白かったけれど、最終話まで面白かったです!

絶対見よう!と、身構えて見たドラマではありませんでした。
錦鯉の長谷川さんを演じた森本慎太郎くんが、今度はどんなふうに山里亮太を演じるのか、ちょっと興味があるから1話だけ見てみよう…みたいなノリ。

けれど、1話から笑いと泣き、緊張と弛緩のブレンドが絶妙。
可笑しさの隣合わせにある切なさが、全話に貫かれていて、自分好みのいいドラマでした。

主役を演じる森本慎太郎くんと髙橋海人くんの完コピぶりが話題で、実際オードリーと南キャンの漫才シーンは鳥肌もの。
(思わず、本物を見返したくなりました)
もちろん、相方役を務めた戸塚純貴さんと富田望生さんの憑依ぶりも素晴らしかった。

でも、主演の森本くんと髙橋くんが、魅力的にストーリーを引っ張ることができたのは、山里亮太と若林正恭の完コピではあっても、トレースではなかったことにあると思います。

演じたふたりの中にある、素直さと確かさ、みたいなものが逆に役柄に憑依していた。
素直さと確かさってなんだよってことですが、
森本慎太郎と髙橋海人自身の持っている、飾らなさとか、役に向かうまっすぐさとか若さ(青さ)の部分と、
努力と計算で出来上がっている信頼できる演技力の部分、とでも言いましょうか。

結果、山里と若林の上手くいかなさの陰にある、可笑しさと切なさみたいなものが、ご本人たち以上に表現された気がします。

余談ですが、自分は、森本慎太郎といえば、鉄腕DASHか錦鯉長谷川か山里かという状態。
この人本当にかっこいいのかな?と、森本慎太郎のかっこいい画像を思わず検索してしまいました笑
ものすごくポテンシャル感じるアイドル…というかアーティストですね。
髙橋海人くんもしかり。

それにしても、相方の春日さんやシズちゃんの人となりも垣間見えたドラマで、二人のアーティスティックで変人な部分が、それはそれで魅力的でした。
あの春日は好きになるよね。
ずるいよ笑

その唯一無二の変人さこそを相方に求めたが故の、凡人の七顛八倒葛藤、という見方をしてもなかなか面白かった。
自分も含め、おそらく春日やシズちゃん側ではなく、山里や若林側である人の方が多いと思うから。

学校でも職場でも、
なんで俺がこんだけ頑張ってるのに、注目されてるのはお前なんだよ〜〜〜っ!
って言いたくなること、みんなあると思うのです。
私はある。
そりゃもう、いっぱいあった!

その変人を活かそうとすればするほど、何も持っていない自分との差が開いていく。
やればやるほど、その矛盾を抱える量が多くなる。
息苦しい。

でも、その変人を支え、変人たる才を引き出し、プロジェクトを形にすることのできる凡人がいるとしたら。
やっぱりその凡人たちも変人…いや天才なんだな。

このドラマを見て、つくづく感じました。
そして、天才になる凡人には、底知れない「情熱がある」んだってこと。

何者かになりたくて、もがき苦しんでいる凡人である変人の私たち。
その背中をひょいと押してくれるような、熱い情熱を感じました。
そうだ。
まるで、谷ショーさんみたいなドラマだな。

さて、ドラマは最終話を迎えました。
しかし、この物語は、友情物語ではないし、サクセスストーリーでもない。

彼らのサクセスへの道は、これからも続いていく…
に、違いない。

ドラマ「だが、情熱はある」感想まとめはこちら


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