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お茶出し論争

避けて通れない来客へのお茶出し。
お茶の入れ方からお客様への出し方まで、一般的なルールはあるものの大体の人が会社の先輩から教わっていることかと思います。
急須でお茶を淹れたり、買ってあるペットボトルのお茶を出したり、会社に
よってさまざまですよね。
ですが「お茶を出すシチュエーション」について細かい決まりはないと思います。
何も判断が出来ない新入社員時代に経験したお茶出しについてのお話を紹介します。


1.新入社員時代の話


◆出すものは必ずコーヒー

私が最初に勤めた会社はお茶ではなくコーヒーを出す決まりでした。
やたらカチャカチャと音が鳴る真っ白なティーカップにコーヒーを作り、
スティックシュガー・ミルク・スプーンを一緒に運んでお盆の上でソーサーにセットします。
不器用な私は本当にこれが苦手で・・・。
毎回もたつきながら出していました。

出来れば最初は普通のお茶出しがよかったですが、普通って会社によって違いますもんね。
コーヒー好きな社長だったので、お茶飲みたくないという社長のご要望(わがまま)でコーヒーだったみたいです。


◆板挟み

先ほどのコーヒー社長のいる会社でのことなんですが、同じ部署のA先輩から「修理業者が来るからお茶(コーヒー)出しよろしく」と言われました。

ですが、別の部署のB先輩(お局様)からは「今日来る人には出さなくていいから」と声をかけられ、どうしたらいいか分からなくなってしまいました。

どっちを優先させるべきか給湯室で悩んでいたら、A先輩が来て
「なに?お局になんか言われた~?あの人いちいち口うるさくない?気にしなくていいから早く出して~」と言いました。

私はこのとき何も返事が出来なかったんです。

だって、給湯室のパーテーションの後ろに
B先輩(お局様)がいるのですから・・・。

当時の会社は給湯室と言っても、事務所の一角にパーテーションで囲いをしただけのものだったので声はもちろん丸聞こえ。
A先輩はせっかちな人で、思ったこともすぐ口に出すタイプだったのでこの時は本当に血の気が引きました。
何も反応しない私を見て、直前にB先輩と何かあったことを察してくれたようで、このときはA先輩がお茶を出してくれました。


◆終わらない地獄

役立たずだった私はA先輩より先に席に戻りました。
すると、席に着いたタイミングで内線が鳴り

「〇〇ちゃ~ん♪さっきなーに言われてたの?あのおばさんに。」

※「〇〇ちゃ~ん」は呼ばれたこともないあだ名で恐怖倍増。
しかもB先輩の席は衝立を挟んだだけで私の目の前の席。
普通に声が届く距離にいるのに・・・。

「B先輩には出さなくていいと言われていましたが、A先輩には出すように言われていて、私がもたもたしていたのでA先輩が出してくれました。」
と事実だけを話しました。

すると、
「そうだったんだ~♪ありがとーっ♪」
と内線を切ったのですが、そのあとすぐに

あのおばさん、新人に余計な事吹き込んでんだけど。ありえない~。まじムカつく

と別の人に話す声が聞こえてきました。

その日以降、私はB先輩と取り巻きから無視されるようになりました。

1年勤めたら辞めようとはじめから思っていたので気にしないようにしていましたが、今思い出しても気分が悪くなります。

さらっと話していますが、事の発端はお茶ではなくA先輩の「お局」発言が原因だと思っています(笑)

完全なとばっちりです。
(その後、何があったのか数日でA先輩は会社を辞めてしまったので)←闇

2.双方の考え方


A先輩としては
来る人は全員お客様。
飲んでも飲まなくても失礼の無いようにお茶を出して。

B先輩(お局)としては
作業のある業者さんには出しても迷惑。
さっさと終わらせて次の現場に行くだろうから
足止めするようなことをするな。

この違いなんですよね。
どちらの言い分も間違いではないと思います。


3.学びと私なりの結論


重要なのは【お茶を出すタイミング】だったのだと思います。

作業する前にお茶を出されても「飲んでからやりますか!」とはならないでしょうし、作業が終わってものんびり客先で休憩してから帰るというのは休まらないので避けたいはず・・・。
B先輩は説明が足りないところもありましたが、出された側のこともきちんと考えていたんです。
出された相手は失礼の無いように一口二口飲んでくれますが、今となっては押し付けがましいような気もしちゃいます・・・。


この2人の先輩の板挟みになったお陰(?)で両方の考え方に気づくことが出来たので、教わったことはいいとこ取りをすればいいんだ!と今の考え方の軸にしています。

・打合せが長くなりそうなお客様には急須で淹れたお茶を出す
  メリット:途中で飲み物の入れ替えができる

・用件がすぐに済みそうなお客様には持ち帰れる缶やペットボトルにする
  メリット:飲み物を出されても持ち帰れるので帰りやすい

・作業しに来た方は作業途中、もしくは帰りに持ち帰れる飲み物を渡す
  メリット:作業の邪魔にならない
       途中で渡せば好きなタイミングで飲めるし持ち帰りも可

この3点が私の中でのお茶出しについての結論です。

新入社員時代は何が正しくて何が間違っているのか、もちろん分かるはずありません。
ましてや私のように応用問題みたいなことなんて。


「来客にはお茶を出す」

ただそれだけのことかもしれませんが、捉え方は人それぞれ。

経験を積んでから判断できるようになるのかもしれません。


嫌な気持ちになる新入社員の子が一人でも減りますように。

私なりのお茶の出し方についてのお話でした。

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