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「事実」はいつだって「中立」

考え方にはクセが人それぞれある。

同じ場面に遭遇しても、捉え方が人によって違うのはそのためだ。

例えば、デート中に相手が急にため息をついたときに、「自分と一緒にいるのがつまらないのかな~?」と思うか「何か仕事や人間関係で嫌なことがあったのかな~?」と思うのでは、その先の自分の行動や態度が変わってくる。

前者だったら、焦りや不安感を募らせていくことになり、そのおどおどした態度が相手に伝わり、本当につまらない一日を過ごすことになるかもしれない。

後者で捉えれば、相手の悩みを話の中から引き出すことができるかもしれない。

僕たちはいろんな場面でいろんな想像を掻き立てながら生活している。

運がいい人というのは、単にいい出来事が次々と舞い込んでくるのではなく、どんな状況においてもプラスの側面に気づいている人だと思う。

そして、「笑う門には福来る」というように、意識的にプラスな側面を探すようにすることで、これ以上の不幸を避けることにもつながる。

僕自身もそうだが、すぐにマイナスに考えてしまう人は、それがもうクセになっている。

こういうのを「自動思考」と呼ぶのだが、これを自分の意識だけでコントロールするのは非常に難しい。

まずはそういうのがあるのだと知ることで、それに合わせた対処を意識的に行っていくことが必要だ。

ここで人間の持つ認知のクセを紹介していく。

1.白黒思考・全か無か思考

すべてのことを二者択一で考え、どちらかに決めつけてしまう認知の歪み。

世の中には白黒はっきりすることができることより、中間のグレーな部分がほとんどだ。

一番や完璧といった理想から減点方式で考えるのではなく、「何もできない自分=ゼロ」を基準に加点方式で考えていくというのが一つの手だ。

自分を強く責めてしまう人は、「自分の能力のなさ」に何十%もその原因を割いていることが多い。

タイミングが悪かったことや環境がよくないなど、ほかにも様々な要素がある。そういうのを言い訳と考えずに一つの原因として見ることが大事だろう。


2.過度な一般化

今やネットやスマホで簡単にいろんな情報にアクセスできる。

自分の抱えている悩みや不安も調べればいろんな対処法が載っている。

だけど、その情報が100%自分の状況に適応できるとは限らないし、むしろ多すぎる情報に惑わされることもある。

また、一度や二度しか起きていないのに、この次も同じ結果になると考えてしまうのも、この思考のクセと言える。

対策としては、「例外」を見つけることだ。

「ブサイクでもモテている人はいる」とか「お金がなくても幸せに暮らしている人もいる」という感じに、自分の持つコンプレックスだって、自分だけにある特別な不幸というわけではないということに、気づいてあげること。


3.結論の飛躍

①心の読みすぎ
他人の行動や発言から、その人がどう思っているのか勝手に推測し、決めつけること。

人は自分のことすらよくわからないのだから、他人のこととなれば、なおさらわからなくて当たり前だ。

家族や付き合いの長い友人ですら、ときには意見が合わなかったり、衝突することがあるのだから、相手の心が読めなくて当たり前なのである。

②先読みの誤り
特に根拠もなくつい悪い結果を想像し、ネガティブな将来を決めつけてしまうこと。

受験や就活などで失敗した時、たまに自殺してしまう人がいるが、人生一度うまくいかなかったからといって、この先の人生すべてが地獄になるなんてことはない。

第一志望に行けなくても、自分の受かったとこの中で、自分をまた成長させていけばいいし、どうしても諦めきれないのなら、もう一度挑戦するだってできる。

一度や二度の失敗なんて、実は大したことがなかったりするものだ。


4.すべき思考

何に対しても「~すべき」「~でなくてはならない」と決めつけること。

常にポジティブであるべきとか、健康であるべき、幸せであるべきなど、「すべき」という思考が知らないうちに自分を苦しめていることもある。

まずはそういうのを疑うこと。
「常に健康でなくもいい。長い人生、体調が優れない時期があってもいい」

「お金がなくてもいい。お金がなくても幸せに暮らしている人たちはいる」

「今は恋人がいなくてもいい。人生すべての段階でパートナーがいる人なんてそうそういない」

こう考えると、「すべき」に従わなくてはいけない理由なんてなかったりする。


5.自己関連づけ

本当は自分には直接関係のないことですら、「自分が悪い」「私のせい」と自分を責めてしまう認知のゆがみ。

自分のせいではなかったらどんな理由があるかと、他の選択肢を考えてみること。

上司に怒られたとして、それは100%自分に落ち度があったわけではないことってあったりする。チームで失敗した出来事や、引継ぎがあいまいだったこと、たまたま上司が不機嫌だったことなど、理由は他にもいろいろあるかもしれない。

大事なのは一つのことに問題を帰結しないこと。


誰しも自分に厳しくしてしまう時があると思う。天気の悪い時や体調が優れない時などは、どうしても悪い方向に物事を考えがちだ。

でも、そういうもののほとんどは、思い込みにしか過ぎなかったりする。

あまり深く考えずにいったん深呼吸したり、考えていることを紙に書きだしていくことで、冷静になれたりする。

あとは、人に話してみることで、第三者の視点で物事を見つめることができる。

客観的に見たら大したことのない出来事だったりする。

どうしても頭から離れない出来事であっても、時間が解決してくれることもある。

だから、気長に構えることが特にこのご時世大事だと思う。

今日はそんな話。




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