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ONOMICHI WINE

ぶどうは一般的に生食用品種と醸造用品種に分けられる。細かく言うといろいろあるが、今日の内容としてはこのように述べておきたい。

僕は子供のころ親の仕事の影響で2度転校をしている。小学1年生までを広島県安芸郡海田町で過ごし、その後広島県尾道市に引っ越しをした。引っ越し先の尾道市山波町は大きな造船所がすぐ近くにあるが地名の通り山も近くにあり潮の香りと山の香に包まれたのどかな町だった。海や川は近いものの親から海に近づくなとの注意があったので遊び場はいつも公園か近くの山を走り回っていた。僕が子供の頃、近くの山は柑橘(みかん等)や桃、イチジク、野菜などを育てる畑がたくさんあった。それ以外に広葉樹が多く、夏場はカブトムシやクワガタムシを探して日々山には行って歩き回っていたのを思い出す。

【山野なんで。】尾道デラウェアを食べながら日本ワインについて語ります!!https://youtu.be/eqObp68Ehs8

尾道ワインは2019年ビンテージから醸造を始めた。ここでは尾道市産のデラウエアを使った白ワインについて触れていきたい。デラウエア自体は小粒の生食用ぶどうで種なしに処理されたものを使わせていただいている。

そこに行き着いたのも、たまたまドライブでふるさとを巡ってみたくなり車を走らせたところ全く変わった景色が目に入ってきた。昔、畑だったところがかなりの割合で藪になっているのだ。調べてみると果樹の生産量も大幅に下がっていてすごく寂しい気持ちになった。小学校のころの当時は白地図を使った社会の授業が好きで、地図作りをしているとワクワクした。果物畑、神社、寺、針葉樹林、広葉樹林、工業地帯。尾道が好きになる授業だった。

まさか、との思いで地図を頼りにぶどう畑まで行ってみた。そこには、ぶどう畑が藪になりかけている光景があり、言葉にならなかった・・・。

農協に勤めている友人がいたのを思い出し、すぐに連絡。直接お会いして尾道のぶどうでワインが造れないかという思いを伝えたいと、担当者に連絡を繋いでもらうことが出来た。

尾道でのぶどう栽培は大正時代にさかのぼり、90年以上にも及ぶ歴史を誇るデラウエアは現在では広島県生産量の9割以上を尾道市で栽培されているとのことで、生食用のぶどうは生産しているが加工用には出来ないとの見解だった。言いたいことは分かるが、このままでは現状として耕作放棄地が増えている課題は積み残しのままになる。こちらの提案として、生食用として選別する際に形が規格外の物、糖度は高いが果皮の色が薄い物を試験的にワインとして醸造したいとお願いした。営農担当者もそれであれば農家さんにとっても良い方法という事で話を進めていくことになった。

尾道ワイン2021

ワイン向けにご用意いただいたデラウエアは小粒で糖度が18度以上と高く酸味を兼ね備えたワイン醸造に向いているぶどうで驚いた。ワイナリーに持ち帰り、丁寧に低温でゆっくり醸造したワインはデラウエア独特の甘い香りがし、優しく柔らかなミディアムボディの辛口白ワインで、和食に合うワインに仕上がった。

ここからが大切。このワインを多くの方にお届けし、継続してワイン醸造を行えるように取り組んでいきたい。自分自身が直接お客様とお話したいと考えていた時に、友人から飲食店コラボイベントの打診をいただいた。告知になってしまうがチラシを添付しておきますのでよかったら遊びに来て下さい。

チラシ

備後地方は瀬戸内の温暖な気候となだらかな傾斜地を生かし古くからブドウ栽培に取り組み続けてきた。今も農家さんの技術と地形を活用し気温の寒暖差を利用した栽培は糖度と酸度のバランスが取れた味わい深く食べ応えのあるぶどうを生み出したくさんの方に喜ばれています。この流れを持続して未来に続けていく取組みとして、ワイン造りで貢献できたら嬉しいです。

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