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つらい受験勉強を人生の糧にするために親ができること

新しい季節ですね
新年度であり、新学期です
寒い冬を越えて
みなさん清々しい気持ちなのではないでしょうか

そんな冬の間に受験をのりきったよという方も多いでしょう

受験といえば
私の2人の娘ももちろん経験しました
それぞれまったく違うモチベーションでの受験でしたが
今日はとても印象的な
次女のエピソードをお話します

次女は意欲満々で真正面から受験に向かっていきました
勉強するのが好きな子で
宿題は学校で終わらせて帰ってきて
いつも何かの本を読んでいたりと
学ぶことが本当に好きでした

そんな次女が中学受験をすることになり
塾ではそのためのカリキュラムが組まれました

それが長時間にわたる授業で
覚えることが半端なく多かった
完全なる「詰め込み」です

それでも次女は頑張っていたんだけど
やはり受験が近づいてくると余裕がなくなってきました

それというのも
当時の中学受験の科目は
国語と算数だけのところも多かったですが
次女が目指していたところは
受験科目が算数、国語に加えて理科と社会もあったんです

この理科と社会が大変だった
この2教科って覚えることがメインでしょう
でも覚えることが大好きで
どんどん成績も伸びていた次女ですが

さすがに受験目前の6年生の11月頃には
「本当に脳の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれて
何がなんだかわからない」
「言葉としては覚えてるけどつながりがわからない」
と言い始め
問題も途中で解けなくなってしまったんです

かなり苦しんでいました
「もう受験やめようかな」と言い出すほど

受験の日は1月の末でしたが
最終的には年が明けてから塾はお休みしたんです
学校にもそこそこ通う程度で
ほとんど家で勉強していたんですね

おそらく脳のキャパオーバーだったのでしょう
有無を言わさず次から次へ覚えなければならず
自分なりにその知識を咀嚼する時間がなかったから
覚えるけれどももちろん楽しくない

つまり塾で行われていたのは
本当に受験のためだけの勉強だったんですね

そのとき私はいろいろ考えさせられました

受験というものに対して
私は決して悪いものとは思っていません

しかしそのとき思ったのは
この経験は糧にするしかない
そのためにどれだけ親が子どもを支えられるかだと

だから苦しんでいる次女に対して
「とにかくがんばろう」なんてことは
絶対言わなかったし言えませんでした
もう充分がんばっていたから

本人は追い詰められているから
「別に落ちてもいいよ」なんていうことも
もちろん言えないですよね

もしそうなったらどれだけ我が子がショックを受けるか

やはり親としては
受験は成功体験にしてあげたいじゃないですか

どう声をかけようかと考えた末に
食事の後なんかにゆっくり話す機会を持ったんです

「受験するってなんだろうね」とか
「受験した先に何があるかなぁ」とか
「なぜ受験しようって思ったんだろうね」とか
いろんなことを彼女に投げかけてみました

もちろん受験直前にそんなことを
ゆっくり考えている余裕はないんですが
これってあとあと子どものなかに残るんです

もし私が横につきっきりで
がんばれがんばれ!って応援していたら
次女は辛かったと思うんですよ

だから私は娘に
「親は受験についてはそこまで深刻じゃないのかも」
と思ってほしかったんです

そしていよいよ受験が迫ってきて
その間際になったとき
次女は無理やりいろいろ覚えて詰め込むという
姿勢ではなくなっていました

そこで私も冷静になって
いよいよ受験の当日
「自分の持てる力を発揮すればいいじゃない
持ってない力は発揮できないから
今までやってきた自分の力を使ってやればいい
もしそれでだめでもそれはそれでいいんじゃない?」と
そのとき初めて言ったんです

次女は否定せず黙って頷いて聞いてくれて
その姿に私は感動すら覚えました

そして受験が終わってから彼女が言ったのは
「奇跡に近いことが起こった」と

算数のテストでかなり難しい問題が出たと
しかし次女は焦ることなく落ち着いていたそうなんです
わからないままその問題をずっと眺めていたら
驚くことに制限時間ギリギリで
ワッと答えが浮かんできたと

それは正しい解だったんですね

それを聞いて私は
本当によくやってきたもんね
背中を押してもらえたねと言いました

本人が悔いのないチャレンジをするために
私も本当に強く寄り添ったんです

そしてめでたく次女は合格しました

2022.4.21
下向峰子


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