超短編小説【次期会長会議】
【次期会長会議】峯岸 よぞら
「えー、我が社の次期会長は、
横田くんでいこうと思うが、異論はあるかね?」
重要な会議だけあって、
開始から一時間は経っている。
先程まで、横田の成績が細かく発表された。
その他、人柄についても触れ、
皆、心を一つにまとめようとしている。
しかし、丸まった毛糸から一本だけ、はみ出るように、
反論する者がいた。
「横田に任せて良いんですか」
机から身を乗り出して言うのは、桜木だ。
「だが、横田以外には…」
現会長の小野寺が、難しい顔をした。