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家族の風景

9月16日に兄の運転で福井県敦賀市に行って来た。肺の腫瘍が発見され、症状は出てはいないが高いステージに進んでいる父が元気に動ける内に父が行きたい場所に行こうと兄と相談して決めた。




本当は今年の春のお彼岸に父が幼少期を過ごした敦賀へ御墓参りに行く予定だった。しかし母が長時間ドライブでの尿漏れを気にして行かないと言ったので敦賀行きは無くなってしまった。その時の父は顔に表情があまり出ないが残念そうに見てとれた。その顔が忘れられず、「もうすぐお彼岸やし父は福井に行きたいんじゃないか?」と兄に話を持ちかけ、甥っ子の少年野球の予定をぬって16日に出かけることになった。

当日はとにかく快晴!

三方五湖PA
父と母。真ん中は知らない人。
甥っ子と父

小まめにSAやPA寄りながら3時間半程で敦賀市の妙顕寺に到着。霊園は霊亀元年(西暦715年)創建の古いお寺。到着すると父はスタスタ歩き出し、「草を買う」と言った。草とは? 前日に兄から御墓参り用の花は買っているか確認の電話があった。父は花は寺にあると答えていた。しかし花ではなく草? 父は寺内にある民家みたいな場所の扉を慣れた感じで開けた。洗濯機が丸見えな場所が中から現れ。バケツに樒(しきみ)が入っている。無人販売なのか誰も居らず値段も書いていない。しばらくすると奥から人がやってきてひと束250円であることを告げた。

仏教の宗派の関係で、この霊園では花ではなく樒のみをお供えするとのこと。宗教に疎いので知らなかった。いろいろあるんだな。墓掃除して墓前の真ん中に父を立たせてみんなで手を合わせた。

うちの家紋は丸に木瓜だと知る

目的の御墓参りを済ませ、兄が予約した海鮮丼のお店へ。

真鯛の漬、甘エビ、しらすの3種のミニ丼!

お寺にも海にも近いMC Resortホテルの1階にあるうお貞さん。

めちゃくちゃ美味! ミニ丼の大きさも絶妙! 具は盛りだくさん! 魚の粗煮汁も最高!

ちなみに母は天丼を食べたのだが、相当美味しかったらしく今だに「あんな天丼食べたことない。あの天丼また食べたい。来年も行かんかな。」と言っている。「お前が尿漏れ気にして行かんと言ったんやろうがっ!!」というツッコミは心に仕舞うことにした。

ご飯を食べた後にはうお貞からも徒歩で行ける距離にある海へ。ここは気比松原。


快晴なので海も綺麗


足の靭帯損傷で夏場に海で遊ぶこともなかった私の血が騒ぎ、甥っ子と海に向かった。左足のサポーターを外し、靴下を脱いで、海に足をつけた。海に足をつけて立つということだけで嬉しかった。

その後、石切を試みて甥っ子に見せようとするもできずにいると、兄がやってきて石切を成功させる。

3回石切りしてた

何度かやる内に甥っ子も成功させた。さすが野球やってるだけある。

帰り際に、父が懐かしいだろうからと敦賀駅周辺を回り、その後に日本海さかな街へ。

兄と父

父が気に入っていた干物の店は無くなっていた。ここに来ると、いつもその店で鱚の干物を買っていた。父は少しガッカリしていたが、母に気にせず刺身を買っていた。

翌日その刺身で海鮮丼を作った

帰りも小まめにSAやPAに寄り、無事に家路に着いた。無事に行って帰って来れてよかった。

これは父方のお墓がある敦賀まで行って帰って来たというだけの記録。

だけど、いつか読み返す為に書いた。こんなことがあったなぁといつか読み返して懐かしむ為に。

父が元気に歩いて、美味しくご飯が食べられる内に家族で行けてよかった。ドラマチックなことなんてひとつもない。ただそれだけの記録。それがしあわせなんだと思う。そんなどこにでもある家族の風景が。


帰りのSAから見た空

父は昔は言わなかった「ありがとう」という言葉をよく言うようになった。

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