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私がおばはんになっても

最近なんだか怒りっぽい。怒りを表に出す場面が続いて、ものすごく疲れていた。別に怒りたくはない。けど何だか怒るような案件が続いていた。冷静に見れば怒る案件だったのか? とか、更年期障害の影響なのか? とも思ったけれど、とにかく怒っていた。単に私がおばはんになったからなのか?

何でそんなに怒ったのか、ざっと書いてみよう。

・職場で毎月やっているお誕生日レクを午前中からの勤務の日に入れられた挙句に初めて教わる仕事も入れられて、めちゃくちゃ疲れるのに早く仕事やれ!みたいに注意をされてひどく傷ついた。事前にこの日にお誕生日レクをするのはハードすぎるという懸念を伝えていたし、毎月お誕生日レクで使うエネルギーは相当のものだけど、それを特別手当もなく時給の範囲内でやっているのに尊重されずに粗雑に扱われたみたいでめちゃくちゃ悲しかった。我慢できずに怒りが態度と言葉に出た。

・新しく入職した海外の職員に仕事を教える中で、教えても常にそのまま聞いてもらえずに「私はこうやります!」と言い返されてしまう。(おお!言葉の意味はわからんが、とにかくすごい自信だ!by「キン肉マン」)と思ってはいたが、就寝介助を教えることになり「今から私が○○さんと、○○さんと、○○さんの就寝介助を教えます」と伝えると「正職員になってない」「は? 資格ないのに?」と言われ、「ふざけんな、ゴラッッ!!!!! なめとんのか!!!!!」とアウトレイジ吉田が発動した。無理やった。抑えきれなかった。その後もどう考えてもなめとんな…と思う場面が多々あり、その度に頭にくる。本当にどうしたものか…。

客観的に見てどうなんだろう。怒ってしまう理由が自分にはある気がするけど、人から見ると些細なことなんだろうか。

でも、何でこんなに私は怒ってるんだろう?って思う。怒る原因の深層を自分なりに探ってみた。「私を粗雑に扱われた」「私が大切にしているものを粗雑に扱われた」「私の真心を踏みつけにされた」みたいな気持ちになって、反応的に怒ってるような気がした。あと「怒るのはダメ」って自分で思ってるから余計に疲れるのかもしれない。


そういえば子どもの頃、呪いのように母から言われた言葉がある。

「怒ってはダメ」
「我慢しなさい。我慢すれば良いことがあるから」

子どもの頃はそれを何の疑問もなく信じていた。でも、そう信じてしまったことで私は私を苦しめた。本当は怒ってる。でも怒ってはダメだから黙る。感情を隠す。自分の感情を否定する。そうやって自分に毒を盛っていた。

「私、自分のことに対してストレートに怒れるようになったんだな…。」
そう思うと、いろんなことが思い出された。

とある家族経営の会社で経理事務職をしていた時、息子の横領を見つけた。社長には言わずに、その息子に社長には言ってないからお金を返すように告げ、すぐに返すと約束してもらったのに5ヶ月経っても返金されない。6ヶ月目に息子が横領したお金の金額の工事費について、私が先方にちゃんと請求しないからだと社長に叱咤される場面があった。その張本人の息子も居て、何とそいつは社長と一緒になって「そうだそうだ、お前がちゃんと仕事しないからだ」と言った。

「もう無理だ」と思った。社長に思い切って本当のことを伝えた。社長は私に謝ってくれたが、その後にその息子は何かにつけて私に嫌がらせをするようになった。本当は辛いし言い返してやりたかったけど我慢してた。怒りを表に出せなかった。だけど本当は怒ってた。ムシャクシャして、何かめちゃくちゃにしたい! 壊したい! みたいな衝動のような思いを密かに持っていた。そんなある日、私は会社の車で事故を起こした。私が事故を起こしたというより相手の車の不注意が原因なんだけど、乗っていた会社の車がめちゃくちゃになった。私の身体は無事だった。その時にもう無理だと思った。それからすぐに会社を辞めた。

そうやって考えたら、私は自分の感情に素直になって怒れるようになったのかな。怒ってる私を見た周りの人は嫌な気持ちになるかもしれないけど、人のことばかりを気にして自分を蔑ろにしてきた自分に対して、私自身が一番怒っていたのかも知れない。

子どもの頃からずっと溜めていた怒り。怒りや悲しみを表に出せないと、喜びや嬉しさも感じにくくなると聞く。何か「インサイドヘッド」みたい。


明日も仕事に行くと怒ることになりそうで憂鬱になる。怒りたくないのに。そう思ってたけど、怒ることをそんなに恐れることはないのかもしれない。20代の頃、当時の友人に「何で大事な場面で逃げるの? 人と関わること、コミュニケーションが苦手なのはわかるけど、苦手なことから逃げてるだけに見える。逃げないでほしい」とYUKIのコミュニケーションを送ってくれた。

そう言えば、最初にお付き合いした人に嫌われたくなくて、いい彼女になりたくて、寂しい気持ちとか色々我慢してた時、彼は私にわざと怒らすようなことをした。付き合ってるのに寂しさを我慢して、何か怒ってるのもわかるのに感情出さないで気取ってた私が嫌だったんだろうな。そんな風に何かと取り繕うとばかりしてたんだなぁ。深く人と関わることを避けてたんだなぁ。

こんなにも怒りや悲しみを出せるようになったのは、私が図々しいおばはんになったからなのかと思ってたけど、やっと自分自身や人と深くコミュニケーションをとれるようになったということなのかもしれない。

怒ったっていいし、泣いたっていい。そういう人間的な感情を恥ずかしがらずに、やっと表に出せるようになったというだけなのかもしれない。

私の中で幼い頃からずっと我慢していた怒りとか悲しみの感情は、実はずっと生きていて、やっと自由に出てこれるようになっただけなのかもしれないな。我慢していた感情は、どんなに私が歳をとってもずっと生きてて、気づいてほしかったんだね。

1番左が幼い私。ピンクレディが好きでした。


子どもと遊ぶと素直な気持ちを思い出したりする


明日もまた仕事。少し憂鬱でもあるけど、怒ってもええか…くらいの気持ちで出勤してみよう。


あと最後に歳をとったことを受け入れるのは大切だけど、おばはんって呼ばれたら本当は悲しいし怒ると思うのに、笑いの為におばはん呼ばわりしてごめんね。そういうとこだな、私。そうやって自分を下げられることで私は怒ってるはずなのにね。自分を下げることで何を守ってきたんだろう。人からバカにされたり揶揄われたりする前に自分で下げて相手に何も言わせないようにしてたんかな。

そういうところに少しずつ気づいていこう。
誰が悪いとかでなく。

怒りの根源は意外と私が作ってるんかも知れない。


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