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アバター2から学ぶ、医療・看護チームの人間関係を良くするヒント

おはようこんにちはこんばんは!
ナーシングマネージャー®の赤木です。
「看護師しんどい!」をラクにする
研修講師・訪問看護管理者コンサルティングを
しています。

なぜかというと、患者さん、利用者さんに
いい看護を提供するには、
看護チームのコミュニケーションや、
看護師自身の心のケアが必要だと
考えているからです


赤木は、日々アンテナを張って過ごしています
研修に参加してくださった生徒さんに、
いつでもいいものを提供したり、
看護師の悩みを解決できるような
ヒントや気づきがあるように。

ヒントは、あらゆるところで見つかります。
患者さん・利用者さんと関わり、
チームや家族との関わり
歌やドラマ、映画、漫画、アニメなどの
名作にも気づきがたくさんあります。

この考察日誌シリーズでは、
そんな名作からの気づきを、
ネタバレありで掲載します。
正解はありませんが、
よかったら読んでいただき、
ご自身の考えや気づきを深める
刺激にしていただけると嬉しいです。

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

※重大なネタバレが含まれますので、観てから読んでくださいね

令和4年も終わりに近づいたクリスマスイブに、映画館に観に行きました。

感想は、ものすごくよかったです。
がんばっている自分への
クリスマスプレゼントだと思いました。

いろんなことを感じました。
戦争のこと、
資源のこと、
人間の愚かさ、
ソーシャルペインやスピリチュアルペイン、
子どもという存在のこと、
愛のチカラのこと。

すべては書ききれないので、
何回かに分けて書きたいと思います。

今回は戦争の視点です。

続き
#2  アバター2から学ぶ、ソーシャルペインと訪問看護チームに必要なこと


前作を観返して実はがっかりしていた

アバター1作目は2019年公開でしたので、
もう13年が経過していますね。

当時、映像美や3Dのすごさが
話題になった作品で、
私も映画館に観に行きました。

しかし、13年後の今、
映像のすごさや迫力で感動したのは
覚えているのですが、
ストーリーをはっきり思い出せず、
せっかく映画館に観に行くなら満喫したいので、
プライムビデオで前作を復習しました。


それでですね、
13年後の今観ると、前作の結末にちょっとがっかりしたんです。

前作のストーリーをポイントだけ言うと、
侵略者(skypeople)と先住民(ナヴィ)を
つなぐはずだった主人公(サリー)は、
先住民の先頭に立って戦い、
結果勝利しました。
たくさんの犠牲を払って。

それを観て、思ったのは、
今現在起きている戦争のことです。

「やられるばかりじゃないぞ、
守るためには犠牲もいとわず戦わなければ」
という空気感は、
今の日本にかぶって見えました。

戦わない方法はなかったのだろうか、
と、疑問が残りました。

13年前に観たときは、
そんなこと思わなかったのですが、
私自身の精神性も育ちましたし、
何より、
世の中の流れが変わっていると感じています。


今現在、
SDGsやダイバシティの考え方が
広がりつつあり、
私の大好きな漫画やアニメも、
以前の悪役らしい敵はいません。

どういうことかというと、
以前は敵が、悪役に徹していたんです。


今、バズるエンタメの悪役の変化

成敗系の時代劇や、仮面ライダー、
アンパンマン、セーラームーン、
ガラスの仮面などなど

私の子どもの時は
ドラマや、漫画、アニメって、
悪役やライバルが理不尽に意地悪してきて、
気持ちいいくらい真っ黒な敵でした。

強いヒーローが悪役をやっつけるものや
弱虫の主人公が特別な力を秘めていて、
周囲の理不尽ないじめにも負けず、
才能を開花させ幸せになるもの
(これは少女漫画の傾向)

が多かったように思います。


ですが、今現在、バズるものって、
鬼滅の刃を代表にして、
悪役の背景が人間らしく描かれ、
共感を得てファンもつき、
どちらも自分の正義や守りたいものがある、
といったものが多いように思います。

ドラマsilentも、
誰ひとり悪い人いませんでしたね。


これって、
多様性を認め合い
誰もが幸せになる方法を探していく、
今の時代の流れだと感じるんです。


そんなことを思う中、
13年前のアバターの前作を観て、
これは過去の考え方だと感じました。

もちろん
「与える以上に奪ってはいけない」という
奪う側への警告メッセージは理解していますが、
日本人としては守る側としても観てしまいます。

前作では、敵は悪役に徹しており、
悪を倒すことが大事なことのように
「守るためには犠牲もいとわず戦わなければ」
という雰囲気がありました


今回の2でも、
ただ戦って犠牲を払って勝つことが続くならば、
とても残念だな、時代錯誤かなと
なんとも偉そうですが、
内心思っていたのでございます。

そんな斜め上な気持ちで観た、本作
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター


観ると、冒頭に書いたように、
ものすごく感動しました。

ジェームズ・キャメロン監督、ごめんなさい。
私の考えは浅はかでした。

今だからこそ、
この映画を公開されたのだと思いました。


戦争の原因は?

前作での戦争の原因は、
土地に莫大なお金になる資源が眠っていて、
奪うか守るか、侵略者と先住民の戦いでした。


ですが、本作はどうでしょう?
「怒りの感情」が戦争の理由になっていました。

必要以上に奪う侵略者も今回も出てきましたが、
悪役としてクローズアップされたのは、
クオリッチ大佐のアバターでしたね。

大佐が戦う動機は
「自分を裏切ったサリーと
自分を殺したネイティリを殺すこと」
つまり、

【自分を無下にされたことに対する怒り】です。

このことは、
大佐にとっては何よりも重大なことで、
報復することや
相手に自分の重要性を理解させることは、
正当性があるんです。


よく見たら大佐の問題なのに、
権力や力を持ってしまっているがゆえ、
みんなが盲目的に従ってしまい、
問題は大きくなってしまっている。


これ、大きな規模でいうと、現実の戦争で
小さな規模でいうと、
チームや家庭の中で起きている
ということに、ぜひ目を向けてみてください


問題を大きくしているのは
怒りの正当化と、もうひとつ

チームの問題でこういうことありませんか?

・同期が先輩と自分の前で態度が違う
・新人さん、私が指導してるときだけ態度悪い

どれも怒りの案件ですね。

こういうことがあって
ずっとイライラして気が晴れないとき、
あなたならどうしますか?

①本人に「なんでそんな態度するの」ときく
②本人に「やめて」という
③周囲に愚痴を言って発散する
④周囲に自分の味方をしてくれるように頼む

①②の対応をしても、相手が変わらなかったら?
余計に怒りがたまりますよね

「そっちがそうなら、こっちももう深く関わらないようにするわ」
といい、
意図的に無視したり、冷たくする
ってこともあるかもしれません。

これ、
無視するという、ある意味、攻撃を
正当性を持ってやっていますね
「だって悪いのは向こうだよね」って。

③④の対応の場合、
相談した人が全肯定してくれたら、
嬉しいですよね。

「それはひどい!○○さん何も悪くないですよ!」
「そんなことするなんて、私もその人嫌いです!」

なんて言われたら、どうですか?
たいていの人は
「私、間違ってないんだな」と感じるでしょう。
正当化が強化されます。

そして、③④の問題はもうひとつ。

相談した人が「私も嫌い!」と本気で怒って、
同じように無視したり
冷たくするようになったら。

もうそれは、
当事者たちだけの問題ではなくなり、
規模が大きくなっています。

正当化された怒りに、
同感する人がいればいるほど、
問題は大きくなっていくことがわかりますね。

こういうこと、周りで起きていませんか?


大佐の怒り

さて、周りにも起きている、
とわかってもらったところで
話は映画に戻します。

私の研修で、マインドワーク®という、
看護師しんどい!をラクにするのに、
めちゃ効果のあるコンテンツを使って
怒りを分解するワークや、
書き出して整理するワークをするのですが、

「怒り」って、自分の感情の問題なのです。
相手が悪いことしたら、
それは相手が悪いのですが
「怒り」という感情は
自分から発生したもので、自分のものです。

決して、
怒らせた相手(サリーとネイティリ)に
責任があるわけではないんです。

それを大佐は
「怒らせたあいつらが悪い」と正当化して、
周りを巻き込んで当たり散らしています。
迷惑にもほどがありますね。

それを知りながら観ていると
「大佐は怒りでしか表現できないのか」と
とても悲しく情けなく思います。


そして周りも、思考停止して同感して、
問題の規模を大きくしていることも、大問題。

力で関係を作ってきた大佐は、
心はいつも孤独だったのではないか、
なんて想像したりもします。

誰かひとりでも、
大佐と信頼し合える人がいて、
本当の意味で大佐の心を理解し
「裏切られて悲しかったですね」と、
同感じゃなく共感できる人がいたら

こんなに犠牲が大きすぎて、意味のない
戦争は起きなかったでしょう。


本作から学ぶ、私たちができること

まずは、
怒りの感情をまき散らして起きている問題に
気づきましょう。
今、身のまわりに
規模は小さくても同じようなことが
起きていないでしょうか?

次に、自分の怒りの感情を、
人のせいにせず自分で整理すること。
人のせいをやめることは、
はじめは勇気がいりますが、
自分のもので
自分で整理していけることがわかると、
とてもラクになります。

そして、怒りをまき散らしている人には、
同感ではなく共感すること。
これだけで、問題の規模が大きくなることを防ぎます。

あと、前作から本作にもあったメッセージ。
「与える以上に奪わない」
これも、必要ですね。

これらを、
世界中の人が一人ひとり出来るようになると、
戦争は起きないと思います。

理想論ではありません。

まず、自分の周りから平和にしていくことが、
つながっていくのだと思います。

だからまず、
問題の見方を少し角度を変えてみてみましょう。
きっと、今とは違って見えてきます。


クリスマスの夜に、平和を願って。

全ての看護師の、心の平和を願って。


看護師しんどい!をラクにする🌈
ナーシングマネージャー®

すべての看護師が自分を大切にしながら
能力を活かして働く世界にしたい

あかぎでした

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#2  アバター2から学ぶ、ソーシャルペインと訪問看護チームに必要なこと

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