Fierce Self-Compassion(猛烈なコンパッション)と、#Me too!
はじめに
私は、今、可能性を感じて興奮している。
昨晩、クリスティン・ネフの新作「Fierce Self-Compassion」の第4章 #Me Too! を読んでいた。ここに、長年私が悩み続けていたことへの解決策が書いてあったのだ。
クリスティン・ネフは、クリス・ガーマーと共に、2010年にマインドフル・セルフ・コンパッション(MSC)という画期的なプログラムを作ったテキサス大学教授である。MSCは、世界中に広まり、約20万人の人が受講したと言われている。その効果は、うつ、不安、ストレス、感情的回避、燃え尽きの減少や、人生に対する満足感・幸福感の増加などが挙げられている。
私自身、このプログラム2019年より受講しはじめ、自分の人生に大きな影響を与えている。今年は、念願のMSC Trained Teacherについになった。
Fierce Compassion 猛烈なコンパッションとは
「ちょっとついていけないな・・・」それが、私が最初「猛烈なコンパッション」を学んだ時の正直な感想だ。なんだろう、ラディカルすぎる感じというか。
変化が起こった。最近になって、怒りを感じる過去の出来事や、家父長制から生じるいろいろな課題や、マイノリティーへの差別、スティグマそんなことにはっきりと怒りを感じて、「どうにかなんないのかな!」と前よりはっきりと思うようになった。また、ナルシスティック・アビューズなどについても調べはじめたり、これこそが私の生きづらさの原因だったなどと気付いたりもした。
このような内側の変化は、MBSRの講師養成講座を受けこと、マインドフル・セルフ・コンパッションのプログラムを今年に入って複数回、教えたことが関連している気がしてならない。要は、陽のセルフ・コンパッションが高まった結果としてそうなったと言えるだろう。
陽のセルフ・コンパッションとは、セルフ・コンパッションをもって世の中で行動することだ。母グマが子どもグマを守る時のように、愛する人を守るために立ち上がって行動することも含む。
クリスティン・ネフがFierce Self-Compassionを書いたのは・・・、ある女性のため
第4章の#Me too! にはセクシャル・ハラスメントや、性被害を受けた女性のために書かれた章である。この本自体が女性のセルフ・コンパッションを高めることが意図だ。
思い返せば、傷だらけの人生だった。読みながら昨日、走馬灯のように自分の人生を振り返ったら、小学生の頃から先生にセクハラされたり、変質者に階段から突き落とされたり、痴漢に追っかけらたり、SC先の学校でもセクハラにあったり、ナルシスティック・アビューズに長年さらされたりと、いろいろあった。
現在は、安心・安定を感じている。家族と暮らすようになってから、いっさいそういう被害に晒されなくなり、本当に平和な人生をようやく送れるようになった。 オキシトシンが性的なものを拒否するのか、産後もう女性の露出が多い雑誌の表紙などにも嫌悪感がでるようになった。
アディクションを抱える・抱えていた女性の多くは、こういった性的なハラスメントあるいは被害に複数回、しかも深刻に、あっているといっても過言ではない印象がある。
まず、ネフはそういった傷つきに、「Tender Self-Compassion」つまり優しいセルフ・コンパッションで労ってほしいと書いていた。そこで、insight timerにあるネフのガイド瞑想を5分きいて若干癒されたが、5分じゃなかなか・・(汗)日本語でもガイドをアップしたい。
ネフは、そして、深刻な被害(レイプなど)にあった人は、専門家の手をかりながら進めてほしいと書いてあった。一人では、手に負えなくなるのは容易に想像できる。
ある団体での事例
ここにネフがかかわったある男性の事例が書かれていた。かなり、詳細はプライバシーのため変更したらしいが、話がとてもリアルだった。社会的にカリスマ的な魅力を持つジョージという人物が、自閉症のケアのためのNPOの代表を務めていた。長年ネフも、この団体を支援して、個人的にも親しい友人としてつきあっていた。しかし、蓋をあけてみると、ジョージは、未成年のスタッフの女性に性的な暴力を奮っていた。しかも、その女性だけでなく、驚くほどたくさんのスタッフがそういった被害にあっていたということが明らかとなったという話だった。
多くの被害女性は、事をあらだてないために、またはジョージからの報復をおそれ、ジョージに対して裁判を起こすなどの手立てはとらなかったという。
ネフは、こういう時こそ、共通の人間性で、被害者同士手を取り合って立ち上がってほしい、セルフコンパッションを利用してほしいと述べていた。(ように思う。英語で速読したので・・)
要するに、ネフは、自分の子どもが危険に晒された時の、母親のものすごい怒りやエネルギーの力、すなわち猛烈なコンパッションを、女性にふりかかる不正に対して「それは、よくない!」と立ち上がるために利用するのがいいんじゃないかという話なのだ。
おわりに
なんだか、すごい話ではないだろうか。
私自身は、今すぐ、なにか過去に受けたトラウマに対して、アクションを起こすつもりはない。それ以外に、いまやらなければならない仕事、そして子育てにエネルギーを全部向ける必要があるからだ。
しかし、こういった可能性もあるのか・・と思うと、泣き寝入りしてきた人生に希望がもてるようになったのだ。女性よ立ち上がれ。この本の根底に流れている強いテーマだ。
いつの日か、同じような被害をうけた女性とつながって、私も立ち上がる!・・・可能性がおとといより上がったのは間違いない。"It was not okay! "
まず、優しさを持ってセルフ・コンパッションを向けて、十分に癒され、その後、猛烈なコンパッションで立ち上がる。すごい話だと思った。
セルフ・コンパッションを学ぶことは、トラウマの多い自分には険しい道のりである。今までも、今も険しいと思っている。しかし、少しずつ、遠くまでいけば、自由や希望が見えてくると改めて感じた。
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