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マインドフル ・セルフ・コンパッション(全10回)を無事修了して、感じたこと

マインドフル・セルフ・コンパッションを、アメリカのCenter for Mindful self-compassionのオンラインコースで受講していたのだが、今朝で無事全10回を修了した。今までの、記事はこちら・・

このプログラムは、アタッチメントの問題を修正する可能性があるのでは!

アタッチメントとは、人と人との間の情愛的な絆のこと。困った時に養育者に接近することで子どもが安心できることは、安定型アタッチメントの基本である。しかし、このアタッチメントに問題・課題を抱えている人も多く、不安定型の人々も多い。さらっというが、私は不安定型だ。

例えば、不安定型の中には回避型(養育者に近づこうとしない)、アンビバレント型(養育者に再会してもなかなか泣き止まない)、無秩序・無方向型などがある。

特に、アディクション(依存症)の臨床場面では、アタッチメントの問題を有している人が非常に多いとの印象がある。フローレスは、下の本の中で、「アディクションは過去に満足な愛着関係を体験していない人が、その欠損を埋めあわせようとする衝動に導かれて繰り返す強迫的行動である」と述べている。そのため、「対人関係において満足のいく愛着関係を体験する能力を獲得するまでは、長期的な回復は不可能」であるとも指摘している。


要するに、アディクションの回復では、愛着関係を再構築することが最も大切な課題の一つである。しかし、これが実に難しい。治療者との関係や、自助グループの人間関係で依存症者は少しずつ人への信頼を取り戻す・・というよりは、対人関係でついた心の傷を癒しつつ、マイナスから新たに構築していかねばならない。そのため、依存症臨床は難しいのだ。

このように、少しずつ、人々との関係で信頼を構築していく依存症者は、回復しても自分に対しては、ものすごく厳しい人が多い印象がある。自分に対して批判的に接してしまうのである。

自分は、アタッチメントが不安定型なので、自分に変に厳しく、優しくできないところもあるのだな・・とマインドフルネスを実践する中で気づいた。そういう人って、意外と周りに沢山いるので、そんな珍しいことではないのでは?との印象がある。自分に厳しい人って、結構いると思う。MSCの講座受講者には沢山いた。

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マインドフル ・セルフ・コンパッションでは、何を学ぶか

セルフ・コンパッションは、親しい友達に接するような暖かい態度で自分自身に思いやりを向けることである。セルフ・コンパッションを用いると、自分自身を敵から味方にすることができる。

10週間の間、この自分にも思いやりを向けるように意図された、瞑想・ワークを沢山体験した。先生のナタリーが言うには、23個の瞑想やワークを実践したらしい。自分と仲良くなるための、いろいろなワークを体験するのだ。

具体的な瞑想の内容は、例えば、自分をいたわるような手紙を書いたり、慈悲の瞑想をしたり、優しい呼吸の瞑想をしたり、困難な感情に対しても思いやりをもって向き合えるようになるワークが多数あった。

バックドラフトといって、過去の未解決の感情が燃え上がることもあって、受講者も結構揺さぶられることもあった。私は頻繁にバックドラフトが起きた。そういう受講者の方も他にもいるようだった。

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そんなこんなで、なかなか厳しい10週間であった・・(汗)具体的には、よくわからないところで、突然腹がたつ、理不尽だと思う・・などが結構あった。しっかりマインドフル に見つめれば、なるほど、そういうことか・・と思うようなストーリーも思い浮かび、その後は今までにないほどすっきりする。

こんな時、ナタリーの「優しい呼吸の瞑想」「慈悲の瞑想」「セルフコンパッション ブレイク」などの瞑想を実践した。とにかく回数をこなした。なかなか普段、切り替えが難しいような、自分の感情に対しても粘り強く実践をした。

ちょうど、瞑想で呼吸から意識がそれたら、呼吸に意識を戻すことでメタ認知が育つように、自分への思いやりも訓練で少しずつ強くなる感じがある。気づいたら、自分にも、周囲にも以前より思いやりが溢れるようになっている。

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やっぱりアタッチメントの問題を解決しちゃうんじゃないのこれ?

マインドフル・セルフ・コンパッションのすごいところは、こういう不安定型のアタッチメントを、安定型に変えていく可能性があるところだ。

最後のセッションで、ナタリーに感想を問われ、「アタッチメント、不安定型が安定型になった感じ」と伝えると、「YES!」と言って喜ばれ、これ言ってくれる人毎回いるのよね・・みたいなことを言っていたように思う。

マインドフル ・セルフ・コンパッションのプログラムを作成したネフは、早期のアタッチメントとセルフコンパッション が関連していることを指摘している。

ポール・ギルバートは、「セルフ・コンパッションは、危機や不安定な感情が生じた際に、優しさと価値判断しない理解をもって自分自身をなだめる能力である」というモデルを提唱した。

依存症のリスクが高いタイプは、セルフ・コンパッションが低く、逆にセルフ・コンパッションが高ければ、依存症のリスクが低下する(Cynthia L et al, 2018)ことが示されている。

依存症の回復において、セルフコンパッションを身につければ、依存症の問題は根本的に解決していく可能性が?そういう思いがしてきた。もちろん、アタッチメントは、人との関係の中で育てる必要もあるが、自分自身へのアタッチメントつまり優しさ・思いやりを育てることも大切ということだ。

もちろん、自分でさえ、これだけバックドラフトが起きるのだ。もっとシビアなアタッチメントの障害のある人にとっては、バックドラフトなどがもっと深刻であろうし、険しい道のりになる可能性はある。バックドラフトを乗り越える際に、サポートが別に必要になるだろう。

しかし、最終的にあるのだ。根本的な解決策が・・・。

うーんやっぱり最高だ、セルフ・コンパッション。

この興奮、伝わるだろうか。 

まず、自分が徹底的にセルフ・コンパッションを身につけることに集中し、その上で、人に教えるためのトレーニングも受け始めたいと思う。

追記:その後講師養成講座(12週間)、講師養成講座実習編(10週間)を無事修了し、2021年3月に、MSC講師(in-training)になりました。当センターのマインドフル・セルフ・コンパッション講座はこちらから

2022年1月より開催します。








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