東京を離れて気づいた東京のこと
今回は12月初旬に2日間東京に滞在した時の事を書いてみる。
ランニングをして東京を感じる
大阪に2年半前に転勤してからというもの、東京には仕事で行くことが多かったのだが、今回は友人と早めの忘年会をしようとプライベートで訪れた。
久しぶりに東京の街を散策できる絶好の機会だったので、早朝の渋谷スクランブル交差点を起点にしてランニングをしてみた。
早朝の渋谷は夜明けまで飲み続けた若者と、スーツを着たサラリーマンが交差していて、この街は24時間いつも誰かが活動していることを感じさせてくれる。場所は変わって、表参道、外苑前、国立競技場付近を走ると、人が少なくてとても静かだ。視界に木が増え、東京の街は意外と緑が多い街だったことを思い出す。走って巡った風景はどれも懐かしく、自然と笑みがこぼれた。
変化した街と46階からの東京の眺め
久々に渋谷に来たので、観光もしようと思い転勤後にできた観光スポットを巡ることにした。
僕の学生時代、1990年代の宮下公園は治安が悪いイメージがあったが、今回訪れてみたら、装いをガラッと変えおしゃれで居心地の良い空間になっていた。
次に訪れた場所は「SHIBUYA SKY(シブヤスカイ)」だ。
45階の屋外展望空間から見下ろすと、高層ビルやマンションがぎゅうぎゅうに詰め込まれた街に息継ぎするように、明治神宮や外苑前、新宿御苑、青山霊園などの公園があり俯瞰で見ると街と緑が混在している様子がよく分かる。
走りながら眺めた街の景色も、視点を変えると見え方が変わるんだなと新鮮な気持ちになった。
SHIBUYA SKYでみた景色の素晴らしさを、東京に住む別の友人に伝えたら
「確かにすごい景色なんだろうけど、行こうとはあまり思わないなあ」
という言葉が返ってきた。
確かに、東京に住んでいた頃に出来たスカイツリーには行かなかったし、大阪転勤後、あべのハルカスの展望台に行く発想がなかった。
あまりに身近だと「わざわざ」訪れることはしない。
東京は「訪れる街」に変わった。それもいいな。
友人のこの発言で、これまで薄々感じていたことが確信に変わった。東京を離れて2年半という時間の経過により僕にとっての東京は「住む街」から「訪れる街」になったのだ。だからこそ僕は東京に住む友人が行かない場所に行ってみたのかもしれない。
寝て起きて電車に乗って仕事をしてランニングして、日々を生きてきた東京がすっかり「観光地」になった。
生活していた場所が「観光地」になることで東京という街との距離感が生まれたようで寂しさを感じたが、それもまたいいな、と受け入れている自分もいる。
住んでいた時は、当たり前すぎて気が付かなかった東京の街の魅力に客観的に気づくことが出来たからだ。
街の大きさや、流行やカルチャーが生まれる情報の発信地であること。
東京時代一緒に過ごした友人や、仲間が住んでいる街だということを。
魅力や思い出が展望台で見たビル群のようにぎゅっと詰まっていて、たった二日間ではとても時間が足りなかった。
東京はどこにいてもアクセスできる便利な場所だ。街と人の魅力を堪能しに時間をつくって訪れようではないか。
旅路は続く。
しんいち : プロフィール
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