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【マインドフルネス入門講座】〜心と身体を調える気づきの科学〜

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健康や幸福感を高めるとして、ビジネスや医療など様々な分野で取り組みがすすむマインドフルネス。今では、ストレス軽減や集中力の向上など、様々な効果が実証されています。 ​このマインド… もっと読む
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2020年5月の記事一覧

Week 3-5 思考と感情

「思考→感情」? 「感情→思考」? 何かについて考える時、その思考に反応して感情が生まれるのか? それとも、感情が先に発生し、それに伴い思考をするのか? 何らかの感情を感じた場合、 その感情が引き金となって、その時の感情に関連するような思考が浮かび上がることがあります。 思考から感情へ、そしてまた感情から思考へと注意が行ったり来たりするように感じられることがあります。 しかも、この思考と感情は、身体にも影響をおよぼします。 人間の営みとして、身体は反応してしま

Week 3-6 感覚と感情のレベルに気づく

感情は私たちを一度に打ちのめすことがあります。 困難な感情は、強風が叩きつけるようなものです。 台風の映像で強風が木を激しく打ち、建物を破壊していく様子を見たことがあるかもしれません。 マインドフルネスで学ぼうとしていることは、たとえ強風が私たちの感情の世界を襲っても、やがて、それは過ぎ去り、何も吹き倒されることはないということです。 例えば怒りという感情は、もし何も術がなければ、心が引き裂かれるように感じられるでしょう。 しかし、感情はあくまで感情で、心を引き裂く

Week 3-7 刺激と反応

強い感情をうまくやり過ごすのは難しいことです。 「怒り」などの強い感情を経験している、まさにその時には、自分に身についた、いつもの反応のパターンに陥りやすいものです。 例えば、「激しく仕返しをする」「引きこもる」「我慢する」などの行動が考えられるでしょう。 このような状況下での反応は、瞬時に、また、無意識のうちに起こるため、後に「後悔」や「心地悪さ」を感じて初めて気づくということが多いのです。 ​ その時々にマインドフルネスを応用することができ始めると、徐々に感情と反応

Week 4-1 書くマインドフルネス(ジャーナリング)

今日は、ペンを持って、ノートに「今ここの観察日記」を書いてみませんか? 書くマインドフルネス、ジャーナリングとも言われます。 例えば、10分のジャーナリングプラクティスを設定する場合、 5つのテーマを上げ、2分ごとにテーマを変えていきます。 例えば、、、 ①今の心配ごと。(2分) ②今の体の状態。(2分) ③家族について。(2分) ④仕事について。(2分) ⑤今やりたいこと。(2分) テーマは何でも構いません。(事前に設定しておきます。) テーマを前にし

Week 4-2 感謝のちから

『人生には、二つの道しかない。一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。』                  〜アルバート・アインシュタイン〜 ちょっと立ち止まって、今に注意を向けて観て下さい。 多くのささやかな贈り物や宝物に気づくことが出来ます。 私たちの意識は、ついネガティブな方向に偏りがちなため、周囲の全ての恵みを忘れてしまいがちです。 今に慣れ、恵みの存在を忘れている、と言えます。 ストレス

Week 4-3 感謝の日記

意識的に感謝の気持ちを醸成する方法として、「感謝の日記」があります。 その日、寝る前に、「感謝することを3つ」日記に記していく。 ただれだけの、シンプルなものです。 「お客さんから、美味しいと言ってもらえた。」 「締め切り直近の仕事が終わった。」 「困っているところ手伝ってもらった。」 というような事柄から、 「長年の懸案だった、商談がまとまった。」 「子供を授かった。」 などという大きな事柄まで、様々だと思います。 しかし、日々の生活で「感謝」を探すことが難しいとい

Week 4-4 ハートフルネス

Opening the heart through inner stillness and silence, we become more human, more loving, compassionate, and kind, to one’s own self and to all other human beings. The practice of heartfulness is gentle, appreciative, and nurturing.      

​Week 4-5 優しい気づきへの5つのステップ

そもそも人間はネガティブなことに敏感になるように作られています。 ですから、ハートフルに自分の中の優しさや、温かい部分を見つけるためには、意図的にプラクティスして養成していかなくてはならないのです。 そのための、5つのステップによるケアを紹介します。 ①観る:マインドフルに今ここに注意を向け、身体や心がどのような感じ方をしているかに気づく(マインドフルネス) ②認識する:自分が今経験していることを知る。例えば:緊張、疲れ、怒り、不快、悲しみ、戸惑い、心配など。ラベリン

Week 4-6 自分をあたたかく見つめる(セルフコンパッション)

優しさや、思いやりを自分自身に向けて自分自身をあたたかく受け入れていくことをセルフコンパッション(自分への思いやり)といいます。 コンパッション(慈しみ、思いやり)の気持ちを「自分に向ける」セルフコンパッションという行いは、人によっては、実は、初めての経験で、新鮮さや、違和感を感じることがあるかもしれません。 セルフコンパッションは、限界や失意、困難に直面した時に、自分に対して優しさや労りに基づいた対応をする能力のことをいいます。 私たちは「○○でなければならない、○○

Week 5-1 人との関わり

次のような機内放送を耳にしたことがある方はいらっしゃいますか? 「緊急時に酸素マスクが下りてまいります。まずご自分のマスクを確保してから隣のお席の方の援助をお願いいたします。」 恐らく皆さん聞き覚えがあるのではないかと思います。 これは「自分のケアを優先する」一例といえますが、この原則はマインドフルネスのプラクティスにもあてはまります。 マインドフルネスを初めて学ぼうとする人は、まず、自分自身にマインドフルになることから始めてみましょう。 まず、自分の考え、感情、習

Week 5-2 「聞く」というアート(マインドフルリスニング)

マインドフルネスは「自分や周囲の事柄に注意を注ぐ能力を高める」ことは既にみなさんご存知ですね。 それでは今日は、その注意を「聞く」「聴く」というチャンネルに合わせていきたいと思います。 他人との関係やつながりを深めることのできる資質を持つ人を”聞き上手”といいます。 「聞く」スキルが高まると、他人の経験、考え、そして価値を理解することができます。 あなたが心から何かを伝えなければならなかった時のことを思い出してみてください。 そして、静かに、深く、心から聞いてくれた

Week 5-3 共感する脳

「マインドフルネスは自分への気づきを高め、他人をより思いやることができるようになる。」といわれています。 現在の研究で、この理論は脳の変化によるものと説明がつく段階にきています。 Tania Singer氏は、自分の思いを理解することと他人への慈悲(コンパッション)の関係について極めて重要な研究結果を挙げました。 科学的研究結果のレビュー記事からの抜粋です。 『初期の研究結果から、感情の可塑性と脳のシステムの変化の関係を長期に渡って追跡することで極めて画期的な結果を得

Week 5-4 マインドフル・コミュニケーション

「言わなければよかった」と発言を後悔するような経験をしたことはありますか? または、言うべきタイミングを間違えたとか、話をしなければならない時に黙り込んでしまったとか。。 作り話でごまかし続けたとか、静寂を埋めるためだけに話す癖があるとか。。 ほとんどの人にこの様な経験があると思います。 私たちのコミュニケーションのパターンは長い時間をかけて形作られたものです。 時に、このパターンが効果的なコミュニケーションの妨げになっている場合があります。 このパターンを抜け出

Week 5-5 自分の癖を知る

マインドフルネスのプラクティスの目的の一つは、自分の習癖にアウェアネスという光をあててみることです。 その癖は、私たちにとって利益となるものもあれば、私たち自身や周囲にとってストレスや複雑さをもたらすものもあります。 深く一旦停止する。 そして、私たちの習癖に一度強く注意を向けてみる。 自分の習癖に目を向けることから得られるものは、非常に大きなものになります。 癖を良い方向に修正するということは、人生を変えることに繋がります。 癖は、無意識のうちに我々の行動を規定