転職をした話
noteは見る専だった私。
突然思い立ってもう10年近く燻っている(燻っていた)コンプレックスの話を書いてみようと思う。
作文は苦手なのでおそらく読みづらいと思う。
一筋縄では行かない人生、思えば色んな選択をしてここまで生きてきた。
親からしたらレール通りに進まない娘だったと思う。
中学受験を選択し、大学に行かず専門学校を選択 就職先だって、多少の妥協はあったが自分で決めた。
郵便局の配達員。 バイクで配達をする、いわゆる郵便屋さんである。
未練はあった。もともと公共交通機関、できるものなら鉄道系の仕事に就きたかった。
専門学校もそのために行った。
人生でこれ以上ないほど勉強し、いくつも資格を取った。
だが結果は全滅。
どこの鉄道会社も私のことを必要としていなかった。
あの頃は世界から存在を否定されているような、そんな気分だった。
必死に勉強したことも全部無駄になった そう思っていた。
最後の方はやけくそだった。 今考えると勿体なかったと思う。
彼氏は早々と希望の鉄道会社の内定を勝ち取り、コンプレックスの塊となった私はどんどん卑屈になっていった。
余談だが、この就活の全滅によって中学の時から大好きだった某鉄道擬人化漫画が読めなくなった。大好きだった鉄道にワクワクしながら乗れなくなった。
どうしても乗らなければいけない時はイヤホンで耳を塞ぎ、俯いて、涙を堪えながら歯を食いしばって乗っていた。
誰も悪くない、悪いのは自分だ。自分の実力が足りなかっただけ。
今考えるとガキ臭いと思うし、バカみたいだと思う。
ただ、当時の自分からしたら本当にショックだった。
閑話休題
この時点で唯一貰えた内定は警備会社。
言い方は悪いが、とにかく誰でもいいから欲しい といった雰囲気を感じる所だった。
正直ここに決めようかと思った。
誰かに決められたわけじゃなくて自分で探してきて受けた会社。
コンプレックスの塊となった卑屈な私からしたら、必要とされているだけで嬉しかった。
ただそこで妥協することに心の奥底で納得しきれなかった。
そこで諦めきれずに探していた時に見つけた求人が郵便局。
これだ と思った。
トントン拍子で受かった。
4月から郵便屋さんになることが決まった。郵便局ではまる3年働いた。
嫌なこともあったが、楽しかった。
毎日走り回り、汗をかいて手紙や荷物を届ける。
仕事が終われば仲間たちと酒を飲む。
楽しかった。
このままずっと郵便屋を続けていくんだと思っていた。
風向きが変わり始めたのは2年目に差しかかる頃だった。
大規模な異動があり、メンバーが入れ替わる。
新しいメンバーの1人に無視されるようになった。
なにか無意識に失礼なことをしてしまったのかもしれない。今となっては分からないままだが、それがじわじわとメンタルを蝕んでいった。
時期を同じくして新しい上司からのセクハラ、パワハラ。
女の子だから 女の子なんだから とパッと見は私のことを心配しているかのような発言。
その発言を元に仕事を外される。
今までがむしゃらにやってきて仲間から認められてきたのに、外される。
この1年で信頼関係を築いてきた仲間たちは抗議してくれた。でもどうにもならなかった。
結局全ては自分のミスなのだが、毎日鬱々としているその辺りで物損事故を起こしてしまった。
自分が悪いのはわかっている。
その翌日からバイクから降りることになり自転車で配達をする毎日。
仲間たち(一部を除く)は変わらず接してくれる。
事故を起こした直後は飲み会を開き、慰めてくれた。明日は我が身だという思いもあったんだと思う。同時期に事故った同期に対して自分もそう接していた。
仲間たちは、自転車ではキツイ物量の時は手伝ってくれる。
本当に申し訳なかった。
事故から2ヶ月たち、3ヶ月たち、半年たち、現場の直属の上司と、同じようなミスを起こさぬようバイクの練習をし、お墨付きを貰った。
直属の上司も、件のセクハラ上司へ話をし説得してくれた。
それでもセクハラ上司は女の子だから という漠然とした理由で首を縦に振らず、私は自転車のまま配達を続けていた。
どんどん仕事に行くのが嫌になった。
行ってしまえばいつもの仲間たちと軽口を叩き、笑いながら仕事ができる。
でも家を出るまでが本当に嫌だった。毎日泣きながら着替えていた。
そんな中、変わらず一部のメンバーからも無視をされ正直限界だった。
今考えるとあの程度で限界というのも甘かった思うが、当時は本当に限界だった。
そんな鬱々とした毎日を過ごしている中、通勤の電車内で求人の中吊り広告を見かけた。
今までがむしゃらにやってきた2年間には目にも入らなかった求人広告。
憧れの関東最大手の鉄道会社の求人。
検索し、エントリー要項の画面をぼんやり眺めていた。
期限ギリギリまで、毎日眺めていた。
志望動機を打ち込んでは消す、エントリーのボタンが押せない。
毎日悩みながら書いては消し、期限の30分前にとうとうエントリーした。
今でも覚えている。
指が震え、涙が出た。
祈るようにボタンをタップし、エントリーしたことをなるべく忘れるように努めまた毎日働いた。
鬱々と仕事をし、仲間と軽口を叩き酒を飲み、ゲームセンターに行き遊ぶいつもと変わらない毎日。
メールボックスのチェックは欠かさなかったある日、メールが届いていた。
『書類選考通過のお知らせ』
息が止まった。
モノクロだった世界に一気に色がついたように感じた。
今考えるとまだ一次面接も突破していないような状態。 喜ぶにはまだ早い。
親へ事後報告し、面接の対策を練った。
学生の時は学校を頼れたが、今は自分1人。
自分の言葉や考え方の癖、短所の綺麗な言い換えなどを考え、自分の意見として言葉にできるよう必死に練習し、SPIの問題集を必死に解いた。
親も働いているのに、毎晩毎晩練習に付き合ってくれた。 本当に感謝している。
学生の時からは考えられないような自信を持って一次面接を終えた。
程なくして二次試験のお知らせが届く。
もう受かるんじゃないかと思った。
憧れの会社の制服を着る自分を思い浮かべ、面接に挑む。
ここまでは良かった。
そのあとのグループディスカッション。
そこで周りとの差に打ちのめされた。
考えていることの半分も言えず、司会や書記への立候補ができなかった。
終わった、と思った。
失意のまま帰宅し、泣いた。
親は何も言わずにそばにいてくれた。
期待はしていなかったが、内定の連絡が来るんじゃないかとソワソワしていた が、結果はダメだった。
その後は、これ以上ないほど落ち込んだ。
これが、秋の話。
その後も何事もない毎日が過ぎ、泣きながら出勤する毎日も変わらず。
ある年末も近い冬の日、母から地元では超有名な大手私鉄の求人の情報を聞いた。
時期を同じくして、少し立ち直ってきた私は中小私鉄の求人を見つけていた。
年内に決めたい。
そんな思いを持ち、また勉強の毎日が始まった。
中小私鉄はお祈りメール。
失意の中一縷の望みをかけて挑んだ大手私鉄。
不安だった。
自信もなかった。
そして運命の日。
今でもよく覚えている。
あの日は仕事終わりに瞬間接着剤を買って帰ろうとしていた。
いつも通り残業で遅くなり、寒い中さっさと買い物を済ませて帰ろうと早足で歩いていた。
地元のショッピングモールに入ろうとした瞬間、電話が鳴った。
最初はまた仕事でやらかしたかと思った。
だが、いつもの番号とは違う。
恐る恐る出る。
内定の電話だった。
信じられなかった。
足元がふわふわして現実味がなかった。
母に電話をする。そこで初めて涙が出た。
母からお祝いのケーキを買ってきな と言われるがまま買って帰った。
瞬間接着剤は買い忘れた。
そこからはあっという間だった。
現実味がないまま入社の手続き、そして郵便局の退職の手続き。
後足で砂をかけるようなことだけはないように手続きをし、最後の勤務日。
色んな人にお疲れ様、頑張れと声をかけてもらった。
ああ、思ったより自分は上手くやれていたんだなぁ なんてまた感慨深くなった。
送別会では、普段厳しい先輩からの優しい言葉に涙が止まらなかった。
郵便屋の3年間は決して無駄ではなかったんだなと心の底から思った。
今でも郵便局時代の先輩や友人とは交流がある。
ダラダラ続けてきたつまらない話もこれで最後である。
憧れていた鉄道会社に入り、なんだかんだで鉄道員として社会人生活の半分以上を過ごしている。
転職をしてよかったか と問われると私はYes と答えると思う。
だが、郵便局を辞めたことを後悔していないか?と言われればNo と答えるかもしれない。
正直郵便局の時よりも、辞めようかと思ったことが多い。
あの頃に戻りたいなと思ったことも何度もある。
職場の人とどうにも合わずにいじめられ、心を病んで辞めるか死ぬかの二択しか頭になかった時期もある。
人間不信にもなった。
元々自分に自信がある方じゃなかったけども、ますますそれが加速した。
それでも今の仕事にやりがいも感じているし、会社に対して愛着もある。
矛盾していると自分でも思う。
結局何が言いたいのかはよく分からない。
このそんなに長くもない文章を2ヶ月以上かけ、時折ボロボロ泣きながら書き上げた。
ただの愚痴ならノートに書き殴ればいいと思う。 誰かに見てもらう必要は無い。
きっと、これまでの人生を誰かに認めてもらいたいんだと思う。
それだけ。
長々と駄文を失礼しました。
【追記】 読めなくなってた某鉄道擬人化漫画は鉄道会社に転職してから少しづつまた読めるようになりました。 単純なヤツだな、ほんと。
【追記その2】 指示を聞かない年上の後輩に頭を悩ませる毎日。そして 郵便屋時代に培った『明日は我が身』という考え方は私の座右の銘になっているのかもしれない。
もっとかっこいいのを座右の銘にしたかったよ。
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