【ネタバレ】「777」（トリプルセブン） 著：伊坂幸太郎氏【感想】
こんにちは皆月です。
伊坂幸太郎氏の「777」（トリプルセブン）
読了致しましたので、
ネタバレ全開感想を書かせて頂きたいと思います。
※ネタバレ全開です！ご注意の上スクロールをお願い致します！！↓↓↓※
「マリアビートル」の完全続編
「グラスホッパー」から繋がる、
通称"殺し屋シリーズ"の新作。
シリーズ４作目となる今作は、
前々作である「マリアビートル」と同様
「七尾」（通称：天道虫）を主人公としたお話です。
"殺し屋シリーズ"で主人公が引き継がれるのは
今回が初めてですかね。
ちなみに私は、
シリーズ１作目である「グラスホッパー」と、
伊坂幸太郎氏の別作品「魔王」をミックスした
「魔王 JUVENILE REMIX」（著：大須賀めぐみ氏）
と言う漫画から
伊坂幸太郎作品に入った人間なので、
このシリーズには
ひときわ思い入れがあったりします。
少し横道に逸れますが、
「魔王 JUVENILE REMIX」の作者、
大須賀めぐみ氏の現行連載である
「マチネとソワレ」（掲載誌：ゲッサン）
もめちゃくちゃ面白いです。
演劇がテーマの作品なのですが、
異世界要素もあったり、
大須賀めぐみ作品特有のキャラや展開の異様な振り切れ方が
非常にエキサイティングかつスカッとした読み味で、
個人的にはもっと話題になっても良い作品だと思っています。
気になった方はこちらも是非お試しください。
（めちゃくちゃ「マチネとソワレ」の宣伝をしてしまった。）
さて、本題。
「マリアビートル」では、新幹線に閉じ込められ
（というより降りられなかっただけ）、
怒涛のバトルロワイヤルに巻き込まれた
「天道虫」こと七尾ですが、
今回彼が閉じ込められる
（というより出るに出られなくなっただけ）
のは、とあるホテル。
そこでまたもや狙い狙われの殺し合いが勃発。
当然のように巻き込まれる七尾は
果たしてどうなってしまうのか？
前回はトランクの奪い合いでしたが、
今回奪い合うのは生身の人間。
それも罪もない不幸な一般人なので、
より手に汗握る展開になっています。
今回の天道虫は普通に強い
今回の七尾ですが、
前回よりややアクションが多い気がしました。
何となく「マリアビートル」では、
大きなアクションというよりは
数々の不運に見舞われる中で
どさくさに紛れてやってしまう、
みたいな動きが多かった記憶があるのですが、
（記憶違いだったらすみません）
今回は結構、敵と真正面から対峙した時は
滑り込んだり回避したりと
しっかりアクションで何とかしている場面も多く、
"業者"らしい身体能力の高さを見せつけてくれた感じがしました。
脇を固めるキャラクター
今回初登場のキャラクターたち、
割と女性が多かったかな？と言う印象です。
殺し屋たちの標的になる
「紙野」さんをはじめ、
凄腕ハッカーの
「ココ」さん
２人１組で仕事をこなす
「マクラ」と「モウフ」
今回メインとなるキャラクターは
ほとんど女性でしたね。
敵役である「六人」や
黒幕たちは、
「マリアビートル」の「王子」などと同じく、
個人的に何の感情移入の余地もない
極悪非道キャラでしたね。
この悪役の描き方は
デビュー作の「オーデュボンの祈り」から一貫している、
伊坂幸太郎作品の特徴だと思っています。
感情移入するかしないかは、
読む人によると思いますが。
奏田（ソーダ）くんも良いキャラだったので、
もう少し出番があっても良かったよなぁと、
少しばかり残念です。
ところで私は途中まで、
奏田くんと乾が同一人物なのでは？
と疑っていました。
猫の話とか、「爆弾は古い」みたいな話を
どちらもしていた記憶があるので……
結局、関係はなかったですね。
今回のキャラクターの中では、
やっぱりココさんが１番好きでしたねぇ。
そもそも「スーパーハッカー」的な存在に
すこぶる弱いのもありますが、
その才能が
日常の些細な（？）ことをきっかけに開花して、
結果、裏社会にまで足を突っ込んでるのが
只者じゃなさを極めていて好きです。
前作までのキャラクターは
多分「AX」の主人公の話（？）なんかが
ちょこちょこ出て来たくらいで、
わりとよく出演する印象のある
槿とか鈴木とかは出てこなかったですね。
ただ、七尾のセリフで
むかし一緒に仕事をした人間の言葉として
「やったら逃げろ」
が出て来たので、
「ジャック・クリスピン曰く！」
と嬉しくなってしまいました。
他にも小ネタはあったかもしれないですが、
覚えていないものもありそうです。
オチは、今までの傾向的に
何となくこうかな、
と途中から思っていたのが大体当たっていた
と言う感じでしたが、
スッキリと爽やかな終わり方で良かったです。
シリーズの中では一番
爽やかな読後感だった様に思います。
グラスホッパーなんかは、
けっこう不思議な終わり方でしたからね。
まとめ
と言うことで、
「777」（トリプルセブン）の
読了感想でした！
またシリーズ次回作があれば、
ココさんやマクラとモウフにも
出て来て欲しいですね。
ここまでお読み頂きまして、
誠にありがとうございました！
皆月
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