【連載小説】はつこひ 十四話
『えー、今日はめでたい日です。なんと、今日は兄貴の二十歳の誕生日、そして、この農場を継ぐ日です。今日は特別な日なので、サプライズでお祝いをしたいと思います。兄貴がどんな反応をするかは、お楽しみです』
カメラの主の明るい声が聞こえる。姿は見えないが、丸太小屋の中でテーブルを挟んで座る中年の夫婦らしき人物らと共に家族の帰りを待ちわびているようだ。
『ただいまー』
玄関から体格の良い逞しい身体つきの男が入ってきた。
『兄貴、ハッピーバースデー! そして、経営者デビュー、おめ