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[教員/指導者向け事故防止] 授業や行事・部活の失敗で炎上しないために #6 北九州マラソンでの事故から

北九州マラソンで心肺停止のランナー救命、走者ら3人に感謝状…社会復帰した男性「私も家族も救われた」 (msn.com)

2024年2月に北九州市で開催された北九州マラソンで40代の男性ランナーが心肺停止状態になったという事故。その際、近くにいた方々の救命処置がこのランナーの命をつないだ、という後日談が読売新聞の記事に出ていました。
 この記事によると、倒れたのが17Km地点、その近くにいたボランティアの方がAEDを持っていたので、救命処置を行い周りの人と協力して心肺蘇生を行ったそうだ。無事に自発呼吸、心臓も回復し、入院を経て無事に社会復帰されたそうだ。

私の記事「#4マラソン大会でのリスク」
での状況と酷似しているパターンだ。そのランナーの当日の体調や体力に関する情報はないが、マラソンのリスクは常に考える必要がありそうだ。
私のように学校教育のなかで「持久走授業」や「マラソン大会」をあたりまえのように行ってきた担当者にとっては、このリスクをどのように考えるかが問われてきていると感じる。
近年、体力の乏しい子供たちや青少年が多くなっていると感じる。いろいろな持病をもっている人、突然に発症する人もいる。
「弱弱しい子供たち」
そんな現状の中で、このリスクをしっかりと理解して実施していくことがこれからは重要になるだろうし、リスクを学習し続けて、そのための高度な事前準備がものをいうことになろう。

この北九州マラソンの場合は、
 ①近くに資格をもった方がいた 
 ②近くにAEDが配備されていた 
 ③周りの方々が協力的であった 
 ④倒れた時に頭を打たなかった?!
 ⑤消防・救急が迅速に対応できた?!
まさしくラッキーであったと感じる。

しかし、すべてがラッキーで済む環境ばかりではない。ラッキーな環境である場合のほうが少ないはず。

運営者や指導者、教育者はこのリスクを理解して、十分に知識を蓄積し、
準備をしっかりと行って実施する必要があると思う。

「リスクがあるから責任をとれません。やめてしまいましょう。」
というのは簡単。
行政などはその方向に進みやすい。
しかし、児童生徒や青少年がその取り組みで得られることは、非常に大きいし必要であると感じる。

さて、今後の方向をいかが考えますか。

実は私は別の大会で、このような場面に遭遇しています。
数年前の神奈川県のマラソン大会(陸連公認大会)での出来事。
生徒の引率で参加しましたが、ゴール地点で生徒のゴールを待っていました。
その時です。ゴール直前50mで、男性ランナー(30代?)が卒倒したのです。崩れ落ちるように前に倒れれました。
私の50m先であったこと、近くに救急本部があって人がいたこと、周りに多数の人がいたこと、から私はその場所にはいきませんでした。
卒倒してすぐに大会関係者が近寄り見ています。
私は「AEDはすぐに来るだろう」と考えました。近くに救急本部があるし、消防も来ていましたから。
しかし、5分経ってもAEDは来ませんでした。大会関係者はおろおろしているばかり。大会は継続され多くのランナーがその横をゴールしていきました。
時間が経って驚いたのは、救急本部から先に担架が出てきたのです。
すぐに感じたのは「担架」ではなく「AED」だろうと。
その後、倒れた男性はそのまま横たわり、10分も経ってからAEDを持参してAEDを処置していました。ということはその間、もしや心臓は・・・。
脳細胞は4分で死ぬといわれています。
そのランナーがその後どうなったかはわかりません。

これは救急の知識を持つ私にとって、ショックでした。
救急担当者がこの行動をとったことに。
なんと言っても、まずは「AED」。
このことが大会関係者の中で共有されていなかったことにショックと憤りを覚えました。
私が行くべきだったか。

これも私の大きな経験です。

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