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僕の小規模な退職 その83

人に頼るのが苦手。
苦手というか不得手。
不得手というか出来ない。
だから誰かに相談する事に躊躇してしまう。
悩みがあると全部自分で抱えてしまう。
なんとか自分で答えを出さないとと思ってしまう。
人に頼ることが出来ない人間なのだ。

なぜ頼れないのか?
なぜなのか?

理由はいくつもある。
頼った時に拒絶されるのを恐れている。
拒絶されたら立ち直れない。
自分自身を否定されたも同然。
そう思ってしまう。
さらに悩みのタネ、不安要素が増えてしまうことになる。
だったら誰にも頼らない方が良いと結論付けてしまう。

次の理由。
頼ったあとの見返りも怖い。
恩着せがましくいつまでも言われる。
何か別の困難な要求をされる。
頼ったら最後。
いつまでもいつまでも恩着せがましく下僕のように扱ってくる。
都合の良い鉄砲玉扱いされるのだ。
恐怖だ。
そういう経験が多々ある(殆ど前職での経験)
人に頼るということは生殺与奪の件を相手に与えるようなもの。
そう思ってしまう。
だったら頼らずに自分で解決した方がいい。

他の理由。
誰かが誰かに相談した事が漏れ出る。
「アイツこんなことで悩んでる」とか
「こんなこと考えている」とか
風の噂で入ってくる。
聞きたくもないのにペラペラ喋る人間がいる。
又聞きの又聞きで真偽不明な内容。
当事者でも無い人間同士で伝言されていく。
ウワサ好きの暇人の暇つぶしに使われる。
そんなのを目の当たりにすると絶対に相談など出来ない。
自分の内面を公開処刑されてしまう。
恐怖だ。
絶対に相談など出来ない。
相談したって何も解決しないのだ。

ずっとそう思って生きてた。
それが自分を守る術だったからだ。
防御の姿勢だ。
誰にも頼らなければ何かを奪われることもない。
そう思ってこれまで生きてきた。

だが今どうしても解決できないものがある。
1人で抱えていても何も解決しない。
モヤモヤが募るばかり。
焦りの気持ちもプラスされてさらにモヤる。
モヤモヤが乗算されていく。
辛い。
苦しい。
何とか一人で答えを見つけたい。

だが無理だ。
そりゃそうだ。
対話相手が自分自身。
得られる返答は自分自身からなのだから。
考え及ばなかった答えとか。
青天の霹靂とか。
目から鱗。
そういった類のものが得られるはずも無い。
自分の中にある考えからしか回答を得られないのだから。
だからいつまで経っても解決しない。
ずっとモヤモヤを抱えたまま。

やっぱり誰かに頼ったり相談した方が良いはずだ。
本当に信用、信頼できる人に相談しましょう。
誰しもそう言っている。

でも人を頼るのが苦手。

でも1人で考えても埒が開かない。

でも人に相談することができない。

でも1人で悩んでも解決しない。

深い深いトンネルの迷宮に迷い込む。

誰かに相談したい。

解決しなくても良い。
対話の中で解決の糸口を見つけたい。

初めてそんな風に思った。

頭によぎったのは前職でお世話になった方。(前職の人間ではない)
あの人なら信用できる。

でも今さら迷惑だろうか。

う〜ん。

頼りたいと思う気持ちが芽生えたが
頼るか頼らざるべきかで悩む自分。

えーい。
藁にもすがる思いだ。
頼ってみよう。
かりに拒絶されたらそれまでだ。
別の何かで踏ん切りがつくかもしれない。

熟考による熟考と妻の添削によりメール文書を作成した。

やればできるじゃないか。
ではメール送信…。
いや今日は夜が遅い。明日にしよう。
それが一昨日の夜の出来事。

翌朝、ずっと落ち着かない。
いつ送信すべきか。
何時がいいか。
今だ!と思いパソコンと対峙する。
送信手前で躊躇する。
変な緊張。
家にいるのに脇汗が凄い。
届かなかったらどうしよう。
アドレスの確認。
返信こなかったらどうしよう。
深く深呼吸。

家の中をぐるぐる。
落ち着かない。
脇汗が二の腕をなぞる。
数時間パソコンの前を行ったり来たり。
深呼吸。
落ち着かない。

ええい。
ダメ元だ。
返信がなければ返信なかったで踏ん切りつくかもしれない。
それが神の導きだ。
藁にもすがる思いなんだ。
これでダメならそれが答えだ。
メールボタンを送信。
それが昨日のこと。

その日は返信が来ず。
まぁまだ見てないだけさと心を落ち着かせる。
帰宅した妻が謎の発熱で体調不良。
不穏な事が重なる。
また思考がマイナス方向に進んでいく。
このままうちら夫婦は縁もゆかりもない土地で路頭に迷うのだろうか。
うう、う…妻に申し訳ない。
などとネガティヴシンキングに突入寸前の今朝。

返信がきた!
わりと早い時間に!
返信がきたのだ!
良かった!嬉しい!

7月頭にお会いする約束。

会ったからといって何かが変わる訳では無いかもしれない。
悩みが晴れるわけではないかもしれない。
でも何か解決の糸口でも見つかるかも知れない。
まだ可能性があるんだ。
本当にありがたい。
大大大感謝だ。

少しモヤモヤが晴れた。
まだ何も解決はしていない。
でも少し気が晴れた。

なぜなら誰かを頼る事が出来る自分になれたからだ。

44歳。無職。頼れる自分に成長できた。



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