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interview:第一期生 雙田貴晃さん(後編)

いつか農業をやりたい、移住して理想の生活送りたい、という想いを持っている方は、きっと多くいるはず。でも、これまでの仕事や生活を変えて、新しい世界に足を踏み入れることは、決して容易なことではありません。みらい農業学校の第一期生は、15人もの仲間がその決断を経て入学してくれました。この世界を志したきっかけも、未来の展望も、15人15色でみんな違う。であれば、全員にお話を訊いてそのエピソードをみなさんに紹介させてもらおう! というのがこのインタビューのはじまりでした。あなたの未来に背中を押す、ちょっとしたきっかけになれば幸いです。

さて、第一期生の全員インタビュー、お1人目は東京・八王子から移住し入学した雙田貴晃(そうだたかあき)さんです。31歳の今、以前挑戦したが断念せざるをえなかった「農業の道」に、会社員を辞めて再度足を踏み入れた理由とは。入学から間もないとある日に、その決断や今の想いを伺いました。後編の今回はみらい農業学校との出会い、そしてこれからのお話です。聞き手は、みらい農業学校の運営事務局です。


第一期生 雙田貴晃さん

ー改めて学び直せるチャンスが来た、というときに、茨城の学校をはじめとしてたくさんの農業スクールや営農法人をご覧になったと思うのですが、みらい農業学校に決めたポイントはどんなところだったのでしょうか。第一期生、って怖くなかったですか(笑)?

第一期生、そうですよね(笑)。もともと、農業をやるのであれば、すでに見ていた茨城だったり実家の近く(八王子)だったり、と思っていたんです。でも怪我したことで僕の心境が変わったのか、「農業を本気でやりたい」と改めて考えなおしたときに、「なにをやりたいか」ではなく、「どこでやりたいか」を一番に考えました。そのなかで、農業の担い手を本当に必要としているところで、僕を必要としてくれている場所でやっていきたいと思ったんですよね。それで、それがいったいどこなんだろう、という目線で、探していました。

ー実際、担い手不足は全国の課題です。

茨城って福島の隣なので、実は学校にいたときにたくさんのパンフレットがあって、手あたり次第見ていたなかで、相双地域の就農促進のパンフレットも手に取ったことがあったんですよね。その時は思いもよらなかったんですが、改めて「相双地域ってどこだっけ」というところから始まって、東日本大震災の被災で住民の皆さんがどんなに大変だったか、そして今まさに復興というか、農業でこの地域を盛り上げようとしていることを知って。農業をやろうとしている人へのバックアップもそうだし、僕が本当にやりたいと思ったときに挑戦できる環境がここにはあるんじゃないかと思ったんです。

ーまずは相双地域が気になり、みらい農業学校ができるということを知った。

そうですね、相双地域がいいな~と思ってから就農フェアがきっかけで就農体験のバスツアーに参加して。その時に学校ができるという情報を知りました。ただ、学校には通っていたことがあったから、今また学校に入り直すべきなのか、就農するべきなのか、というところはやっぱり悩みました。ただ、それだけじゃない判断基準が、「みらい農業学校が地域との橋渡しとなる」ということ。地域と活発に交流して、地域の農業法人とも出会えることが、僕には魅力に感じました。すぐに農業法人に就職するよりも、まず入学して繋がりをつくりながら、自分が目指しているもの、やりたいことをしっかり選んで、地に足を付けて進みたい。


実習とは別に、個人区画でも育て始めました

ーカリキュラムのなかで実習として農業法人さんを伺うこともありますし、交流会も開催予定です。「就職先」を探すという観点でも、自分に合う場所を見極めるのは難しいけれどとても大切なことだと思います

そこか一番の目的かもしれないです。正直、まだ開校したばかりなので、実習とか未知数なところはたくさんありますが(笑)。機械講習をもう一度受け直せることもよかったなと思っています。そして、それぞれ色々な経験をしてきた仲間と過ごせていることが、とてもいい影響を受けていると感じています。


ー雙田さんが楽しみにしているカリキュラムはありますか?

ICTを使った授業や、経営に関する授業が楽しみです。僕は農業を続けていくうえで、持続できる収入を得るというのは大切だと思っていて。そういう意味でも経営者マインドをしっかり持っていないといけない。経営の知識を得るのは楽しみですね。それからやっぱり農業法人さんや農家さんにインターンに行けることが楽しみですね。1年しかないので、学校の講義だけじゃなくて、この短期間でとにかく色々なことを経験して知識を得たいと思います。

ー20代でこれからを考えるタイミングがあって、そのなかで農業を選択した雙田さんですが、これからの抱負を教えてください。

今のところは卒業後の進路として雇用就農を希望していますが、最終的には独立就農を目指したいと思っています。それをどう実現するか、地域との関係を築き、仲間を得ながら、前向きに行動していきたいですね。僕は農業で人生を切り拓きたい、という絶対的な想いがあるので。そういう意味でも受け身で通っていてもまったく成長しないと思うんです。だからこそ貪欲に質問しまくっちゃうんですが(笑)。自ら前のめりに勉強していく、というのが、まだ開校から日が浅い時期だからこそ叶うところもあるかもしれないので、ぴったりでした。僕も20代はめちゃくちゃ悩んでいたので、若い方にとってもこの先「農業」という選択肢が当たり前になるといいな、そうなるように、頑張っていきたいです。

ー15名の仲間との出会いがすでにあって、これからどんな日々が待っているのか。またお話を伺えるときにどんな進展があったか楽しみにしています! 

これから自分にどんな変化があるのか、自分自身でとても楽しみです! ありがとうございました!


第一期生インタビュー#1(後編)
雙田 貴晃(そうだ たかあき)さん
八王子出身/30代。民間や士業で就労経験があり、求職期間に農業に出会う。「農業で人生を切り拓いていきたい」という強い想いを抱き入学。


▼△南相馬ぐらしがはじまった雙田さんのとっておきの1枚△▼


福島県の郷土料理「いか人参」にどはまり。
自分好みの味を追究しています。


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