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【読書記録】つぼみ

「つぼみ」宮下奈都

宮下奈都さんの文章が好きだ。
静かな空気感のある文章なのに、どこかコミカルな部分もある。それが
不思議で、なんだか居心地がよくて、好きだ。


6つの短編集。
何者かになりたくて、でも、なれなくて、でも、それでもいいや、と思えるような
何者かを見つける女性たちの物語。

「スコーレno.4」のスピンオフも含まれる、が、「スコーレno.4」の詳しい内容をあまり覚えていない。続けてこちらを読みたかった。
でも、「スコーレ」を読んでいなくても、これはこれとして楽しめる内容。

冷めた視点を持っているようで、それは熱を持っている。
熱く、真っ直ぐ静かに見ている。

「羊と鋼の森」を読んだ時期に立て続けに宮下奈都さんを読んでいたことがある。



「窓の向こうのガーシュウィン」に出てくる人たちの不器用な生き方と優しさと強さが好きだ。
「神さまたちの遊ぶ庭」は宮下さん家族の北海道での山村留学の様子を綴ったエッセイ。おそらく「羊と鋼の森」の少年の出身地のモデルと思われるその村での生活の様子は、とても興味深く面白い。大好きなエッセイだ。
「よろこびの歌」はさわやかな青春小説。歌の力の凄さは子ども時代も感じたし、子育てをしていても、感じる。声が合わさるのを聞くとなんだか心が揺さぶられる。
「田舎の紳士服店のモデルの妻」
なんだか不穏な空気をまとうこの主婦目線の物語は主婦にしか書けないと思う。なんだかなぁというようなモヤっとした気持ちが文章に浮き上がっていて、ゾワゾワしてしまった。
久しぶりに宮下奈都さんを検索して、新作が出ていることを知った。
久しぶりに色々読んでみたい。






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