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タニグマー小説集2

12
短い! 早い! すぐ終わる! 短小(タニグマー)小説です。すみません。
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#140字小説

散歩

散歩

風がさわやか。家族で散歩に出かけた。小さな公園に向かう住宅街の狭い道。

パパ「車が来たよー、はじに寄ってー。ほら、危ないからねー」
車が通り過ぎる。
ママ「怖かったねー。車や自転車は怖いですよー。だから言うことを聞きいてねー」

二人は、イヌに言った。

ドーナツ

ドーナツ

祖父母がドーナツを買って来た。
五歳の長女はチョコ。もうすぐ二歳の次女は抹茶を選んだけれど、一口食べてやめてしまった。
「なんで抹茶を選んだんだろ」
首を傾げる大人たちに、
長女が「マスカットだと思ったんだよ」。
「ああ、大好きだもんね」
長女の名解説に大人たちは目を細めたのでした。

※「星々」様の「春の星々140字小説コンテスト」に応募した作品です。
note掲載にあたりに加筆修正しました。

寝室

寝室

夜中。
隣に寝ている愛しい人が、
くっ、くっ。
くしゃみを2度我慢したあと、
ぷぅ。
小さなオナラをした。
私は、笑いを堪え、体を震わせた。

愛しい人は寝息をたてている。
私は、愛しい人に脚を絡めた。
あったかい。
突然、
ひえええー。
愛しい人の叫び声。

そーです。
私が、冷え性なんです。