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【30代からが一番モテる?】フランスが教えてくれた、年齢を重ねて得られる美しさ

わたし、そろそろ、気付いてきたんですが、
女って何歳になっても女なんですよね。

還暦を過ぎた母が、先日シミ取りレーザーをして、顔中すごいことになっている。

「一週間で腫れは引くっていわれたけど、本当かな??」

やれペストだの、ボツリヌス菌だの、家族にバカにされながらも、キレイになりたいと願う母は、身内ながらかわいいひとだと思う。

若さを失っていくことが怖かった20代後半

思い返せば、私が若さを失っていく事実を嘆いていたのは24~26歳だった。
大体、それくらいの年齢で女性のライフスタイルというものは多様化する。
結婚するひと。子供を産むひと。仕事に奔走するひと。
私はと言えば、まだそんな年まで働かずに学生をやっていたので、日本にいる友達から近況の連絡を受けるたびに、なぜか焦った。

親友に、「子供が出来た」と報告されたときも、「おめでとう」と言いつつ、心中複雑だった。
あれは何かとよくよく考えるに、「嫉妬」だったのではないかと思う。
周りは年齢相応に成長していくのに、自分だけ、何もしないまま、見た目ばかり老けていくことが怖かった。

思ってもみなかったことを褒めてくれるフランスの人々

そんな年を取ることの恐怖ばかり感じていた、当時の私の不安を取っ払ってくれたのは、フランスで出会った人々だった。

物珍しさも加わってか、フランスの人々は私に優しい言葉をかけてくれた。
髪、肌、頭の形。思ってもみないところを、褒めてくれた。
今でも覚えているのが、たまたま寄ったタバコ屋で働くおばちゃんにこう言われた。

「アジア人は、顔に皺がないから羨ましい~!」

そういって彼女は私の顔をペチペチした。
「それはね、顔が平べったいからだよwww」と、その時はすかさずツっこんだが、その日いちにち私の心は軽かった。

私にとってみれば、西洋人の小顔や、鼻の高さ、柔らかくて色素の薄い髪が憧れだったが、彼女たちにとってみれば、東洋人の顔の平たさや、真っすぐで太い黒髪もまた憧れだった。

物事には色々な見方があって、それなら、いい方を見たほうが心には優しいに決まっている。

年齢を重ねることで得られる美しさ

フランスという国では、年を取ることを肯定的に捉える印象を受けた。

10代・20代の子たちは、変に着飾ったり化粧を濃くしたりせずに、Tシャツにジーンズ、ぺったんこ靴を履いて、広い歩幅で街を歩いていた。
30代・40代と年を取るにつれて、真っ赤な口紅や、大ぶりなアクセサリーといった大人な女性になっていき、50代以上でも驚くほどお洒落で素敵な女性を見かけることも多かった。

そして、そういったフランス女性の美しさの価値観を支えているのは、フランスに住む男たちだった。
フランス人男性たちは、若くてかわいいいだけの子は、ベベ(=ベイビー)ちゃんと呼んで、バカにしたりする。
私の周りでも、交換留学で来ているピチピチのギャルよりも、ワーホリで来ている30近い女性の方が、なぜかよくモテた。
曰く、30代からが女性はモテ期らしい。

考えてみれば、ワインも、チーズも、年齢を重ねることで得られる「深み」があるという価値基準の中で育てば、必然的に人間に対してもそう思うようになるのかもしれない。

「マドモワゼル」=失礼? 「マダム」と呼ばれたいフランスの女子たち

レストランサービスをやっていた友人が教えてくれたが、フランスの高級レストランでは、必ず小さな女の子でも、マダム、と呼びかけるそうだ。
マドモワゼルと呼ぶことは、小娘扱いしていると思われるので、失礼に当たると。
フランスにおいては、そんな小さい女の子ですら、立派な一人の女性として扱われたいと思っている。

この話を聞いたとき、マドモワゼルと呼ばれるたびに、実は喜んでいた自分を恥ずかしく思った。

「おばさん」ではなく、「マダム」になりたい

私も33歳になりまして、
息子の友達に対してなど、自分で自分のことを「おばさん」と呼ぶのはいいのだけれど、誰かにそう言われるのは嫌。
そんな複雑なお年頃。笑

まだまだ若く見られたいと思うカルマから脱出できていないなぁ、と反省したりもするけれど、それにしても、あまりに「おばさん」という言葉のイメージが悪いせいではないか、とも思った。

これからは、自分を「おばさん」と呼ぶのはやめよう。
大切なことを教えてくれた、美しいフランス人女性たち。彼女たちのような「マダム」であろうと、今日も私は平たい顔をぺちぺちしながら、そう言い聞かせるのであった。

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