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「ご挨拶」――「人事の裏側」を知ってほしい


はじめまして。Wake Consultingの南和気です。

人事役員から伝えたいこと

日本企業、ドイツ企業、アメリカ企業でCHRO(最高人事責任者)や人事コンサルタントとして20年以上経験を重ねてきました。直前は、江崎グリコで人事役員を務めていました。

現在は独立して、大企業やスタートアップの人事アドバイザーとして、約20社の人事戦略・制度設計、人材育成をお手伝いしています。

『人事こそ最強の経営戦略』という書籍や、NewsPicksの連載「南和気の人事・キャリアのホンネ」でキャリアの歩み方やインタビューを書いているので、人事部門の方はそちらで私を知っていただいた方もいらっしゃるかもしれません。

今回、私がnoteを始めようと思ったきっかけは、このニュースでした。

ファーストリテイリングが賃上げ 最大40%増」

@unsplash

各社の報道は「人材不足だし、賃上げの傾向だ」「国民の給料はこれから上がっていくだろう」という主旨の記事が多くありました。いろんな企業やメディアの方からコメントを求められたり、NewsPicksトピックスでも解説記事を書いたりしました。

そのなかで終始感じていたのは、このニュースの表面だけを読んでしまう人があまりに多いということ。

ファーストリテイリングのような、コロナ禍において業績が伸び、店舗に若い店員を大量に必要としている企業は、新入社員を採用しやすくするために賃上げが必要なだけです。

実際、発表内容をよく読み解くと、入社後は仕事のレベルが上がらない限り、給料は簡単には上がらない、いわゆる「ジョブ型人事制度」への移行が書かれています。加えて、各種手当もどんどん削減するということです。

つまり、「給料は最初少し上がるものの、長く働いたとしても、これまでのように徐々に給料が上がっていくわけではないんですよ」という発表なわけです。

人事や給料に関わるニュースの裏側

人事や給料、キャリアに関わるニュースには、専門家がよく見ないとわからないような、真実が隠されているケースがとても多いです。

しかし、こういったニュースの裏側を読み間違えると、多くの人がキャリアや仕事において納得できる選択ができなかったり、後悔することがあるのではないかと思います。特に仕事やキャリアは人生において判断の難しい大事な選択です。だからこそ、人事に関するニュースを客観的に捉えて判断をしてほしい。という思いを強くしました。

たとえば、最近話題になったアメリカのIT企業を中心とした人員削減のニュースも同様です。

・Twitterが全従業員7500人の約半数を解雇
・Metaが1万人以上を解雇
・Amazonが1万人を解雇
・CNNやパラマウント・グローバルで数百人の解雇

@Unsplash

今も人員削減は続いていますが、これはコロナ禍により業績が大きく伸びたとともに、コロナ禍の継続を予測して人員を増やし過ぎていたことが原因です。想定よりも早く収束しつつある状況を見据えて、早めに人件費を圧縮しているに過ぎません。むしろ人事から見れば、景気の減速に早めに対処して、企業として健全なマネジメントが行われている、と判断できます

日本では人員削減が法的に難しく馴染みがないため、必要以上にIT企業の景気が悪いような印象で報道されています。しかし実態としては、ITやメディア・コンテンツ産業は依然として日本において数少ない成長産業です。このニュースをみて、IT業界を不安定に感じる人もいると思いますが、実態はそうではなく、給料を上げていく一番のコツは成長産業を選ぶことです。また、これでIT業界に進む人材が減っていては、日本のDXはますます進まないでしょう。

キャリアは自分のなかにだけ正解がある

みなさんがキャリアを歩むうえで、働き方やキャリア、給料をどうやって上げていけばよいのか、またどんな選択するべきなのか――。「全員にとっての正解」がないので、一人ひとりが自分で結論を出していかなければなりません。

だからこそ、世の中のニュースや情報の裏側を正しく知っていただき、少しでも納得できる判断してもらうために、noteでは「人事の仕組みの裏側」を解説していければと思っています。

転職、副業、上司との関係、部下との関係、世界で活躍する方法など、みなさんの関心が高い話題について取り上げていきます。もし興味のあること、気になる話題やニュースがあれば、ぜひお寄せください。

また、noteと同時にTwitterを始めました。こちらでも情報発信していくので、ぜひフォローいただけると幸いです!


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