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採用面接 人事はここを見ている!

先日オンラインイベントで新卒採用についてお話する機会がありました。

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最近は、対面イベントで講演させていただく機会が増えて、それはそれで楽しいのですが、オンラインイベントはとにかくQAが盛り上がります。今回も400人くらいの方々がリアルタイムで参加されていたようですが、チャットに質問が滝のように流れていて、その様子に見入っていたら、ファシリテーターの方から話かけられたことに気づかない。という放送事故寸前のような事態になってしまいました。。 今後は気を付けます!
6月30日までは見逃し配信もあるようなので、よかったらぜひ見てください。

今回のイベントでは、最近の新卒採用のトレンドや、どうやって優秀な学生を集めるかなど、神戸大学の服部先生と幅広くお話できましたが、その中でもたくさん質問頂いたのが、採用面接でどこを見極めるべきか。というお話でした。そこで今回は、「人事は採用面接で学生のどこを見ているか」を解説したいと思います。


◇新卒採用の面接時間は短い


当たり前のことですが、新卒採用の場合は、研究職など一部の専門職を除いて、学生は業務経験やスキルを持っていないので、キャリア採用に比べると面接の時間は短くなります。採用する人数にもよりますが、最終面接でもひとり30分確保されれば良い方なのではないかと思います。

学生にとっても、短い時間のなかで自分をアピールする必要があるので、しっかりと準備してきている学生と、そうではない学生では意外と大きな差がつきます。準備がしっかりできているかどうかも、自己管理能力の差として面接官は見ています。

採用面接に臨む準備の方法についてはこちらの記事も参考にしてください。

◇入社してから伸びる能力、伸びにくい能力


学生の場合はキャリア採用と異なって、潜在能力を見なくてはいけません。その際重要になるのは、人の能力には、入社してからでも伸びる部分と、伸びにくい部分があるということです。

例えば、入社してからでも伸ばしていける能力の代表的なものはこの3つです。

  • 論理的思考力

  • コミュニケーションスキル

  • 自己管理能力

特に、思考力やコミュニケーションスキルに関しては、日本の学校教育ではほとんど教えていません。そういう意味で、学生の時点でスキルが高くなくても、入社してから正しい手法を教えて鍛えていけば伸ばしていくことができます。もちろん人によって得意不得意はありますが、きちんと訓練すれば一定のレベルまでは到達することができます。ただし、もともと学生の時点で自分で勉強したり、身につけたりしてレベルが高い人はいるので、採用面接では、学習意欲と合わせて面接時のレベルの高さは見ています。

また、自己管理能力に関しては、先ほどの面接の準備などでも差が分かりやすいのですが、ここも、入社してからしっかりと鍛えることができるので、能力の高さというよりも、面接時点の入社意欲やモチベーションを見るために確認するところです。

一方で、入社してから伸ばすのが難しい能力には例えばこういうものがあります。

  • ストレス耐性

  • 基本的な倫理観

  • 想像力

これらのスキルは、人によっては入社してから大きく伸びる人もいますが、多くの人にとっては子供のころからの成長過程である程度固まっている部分があります。また、「ストレス耐性」や「基本的な倫理観」は、短時間の面接では確認することが難しいところもあるので、多くの企業はSPIのような適性検査を行うことで、客観的にも見極めようとしますし、最近はインターンもあるので、時間をかけてしっかり見ています。

3つ目の「想像力」に関しては意外に思われた方もいるかもしれません。

想像力が全くない人というのはいないと思いますが、ビジネスにおける想像力とは、自分の常識や目の前にある事象などに捉われることなく、様々な記憶や事象をつなげて、空想できたり、新たな発想をする力です。この能力は、年齢を重ねれば重ねるほど伸ばしていくことが難しくなります。なぜなら、人は「現状維持バイアス」という、今起きている事実や、自分の環境を受け入れるという本能を持っているからです。

しかも、大人になればなるほど、対処しなければいけないことが増えるので、現実的な解に価値を見出そうとします。皆さんも、何をするにしてもネットやSNSで答えをすぐに探す癖がついていると思いますし、AIも登場してさらにその傾向は強まっています。

しかし、いま多くの企業で求められているのは、まさにこの新たな発想なので、若手社員や学生にとって想像力の高さは大きな武器になります。

◇想像力を鍛える一番簡単な方法


想像力は、大人になればなるほど鍛えることが難しいとされますが、そうはいっても本人の意識次第で鍛えていくことは可能です。想像力が高まると、発想力だけではなく、コミュニケーションスキル、対人スキル、またリスク管理の向上にも通じていくので、ぜひ取り組んでもらいたいことではあります。

想像力を鍛えるために、一番手軽な方法として私がおススメしているのは、「小説を読む」ことです。ストーリーがあるものであれば、長くても短くてもジャンルは何でも構いません。大事なことは、小説を読みながら、自分の頭のなかで小説の世界を映画のように映像化することです。風景、動き、音声、人物の様子などを鮮明に頭の中で映像化しながら文章を読んでいくことを強く意識します。

今は動画も溢れていて、想像力を鍛える場面はとても少なくなっています。動画に含まれていないものとして、「匂い」や「感触」を想像する余地は残されていますが、映像からの情報量が多いので、それを処理することに脳は集中してしまいます。

漫画も、動画よりは想像力を使って読むことができますが、絵によって与えられる情報量は非常に多いので、できれば小説のように文字からすべてを想像する訓練をすることで、効率よく想像力を養うことができます。

ただし、同じ書籍でも、ビジネス書ではなく必ず小説を選ぶようにしてください。ビジネス書はネットで情報を見ているのとほぼ同じなので、情報収集には良いですが、想像力を鍛えることはできません。

来年の就職活動に向けて、これからインターンが始まっていく時期だと思います。企業の採用担当の皆さんにとっても、学生の皆さんにとっても、ぜひ良い採用、良い就職活動をするヒントにしていただければ嬉しいです!

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