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踊ることで自分を取り戻す

久しぶりにダンスとダンス教室のことを書こうと思う。

大人になってからの習い事って、純粋に好きだから興味があるから始めるだけじゃなくて、ちょっとした「計算」が含まれていることもあるのではないでしょうか。

習い事に打算なんてない!という人のほうが多数を占めるかと思いますが、少なくともわたしは大人になってから何かを習うのには、常に理由づけというか計算が含まれている場合もありました。

健康になりたいから・自分の考えをわかるようになりたい+ついでに仕事にもできるのでは・現実で抱えている問題から逃げるための口実にする、などなど。好きだったり、興味を持って始めることでも何かしらの理由と計算が含まれていることが多かったのです。

もちろんそれが悪いとは思いません。でも、純粋に楽しむからは少し外れているし、なんていうか今振り返ってみるとモヤがかかっている状態だったなあと思います。

ダンスはそれが全くなかったに等しいです。ふとしたきっかけで先生の存在を知ったのですが、当時はまだオタ活をしていたから時間もお金も取れない、そのうちに感染症の世の中になってしまい、ぐずぐずと様子を伺っていたのです。

2021年の夏に感染症の合間を見て、ちょうど良いタイミングが来て、思い切ってコンタクトを取ってみました。思い切って行動した自分を褒めてあげたい。

年齢も年齢だし、ダンス経験ゼロだし、打算も計算も生まれようがない状況というのが良かったのかもしれません。だってこれでプロになろうとか、お金を稼ごうなんて思いようがないもの!

あと痩せたいとか健康になりたいとか、そういう気持ちでダンスを習い始めたわけでもないし。

そう、習い事につきものの明確な理由や目的がなんとなかったのです。

だから、どうしてダンスを習い始めたの?の聞かれると結構答えに困ってしまいます。理由もなく、強いていえば「この先生からダンスを習ってみたい」ということくらいしか思いつかないのです。不思議な理由ですね。(でも先生は本当に魅力的な方だから、十分な理由になり得るのです)

何事においても「やってみたい」は、人を動かす基本的なエネルギーだと思います。

昔はこの「やってみたい」が文字通り「やってみたい」という純粋な気持ちだけでした。それがいつの頃からか「やってみたい」にちょっと余計な考えや計算がひっつくようになってきました。その頃から自分が迷走し出していたのかもしれません。

ダンスを始めてようやくその迷走がストップしてきた感じがします。

ダンスは本当になんでだかわからないけど、自分にくっついていた色々なものを1個ずつ外していってくれている感じがするのです。

そして、なぜダンスを続けているのか?と聞かれると、これも答えに困ってしまいます。

確かにレッスンを受けた後は、気持ちがしっとりと落ち着くし、楽しいし、現実的な効果をあげれば(結局それも書くのか!)、体は引き締まりつつあります。

そして一番素敵な点を挙げるとすれば、先生のレッスンは本当に唯一無二で、その日その時の雰囲気を踊りで表現するという内容になっています。これがすっごく楽しくて、音楽やその場の雰囲気や季節の感じを、下手っぴなりに体で表現できるのがとっても最高なのです!

もちろん最初はそのスタイルに驚きましたが、これは単なるダンス教室ではなくて、一種のセラピーみたいだなとも思いました。

大人になると個人差はあるものの、自分の思ったこと・感じたこと・考えを素直に表現しにくくなってきて、なんならわたし自身でいえば、多分子どもの頃から、本心を表に出すのが苦手なタイプでした。

そうやって生きていくと、本当の自分の気持ちが迷子になってしまい、そのまま大人になってしまっているのです。

その時の自分をそのまま出して良いという場は、社会的な場(もしかするとプライベート空間でさえも)においては、今の世の中ほとんどないのではとも思います。もしかすると小さな子どもや、自由奔放に振る舞って大きな顔をしている大人でさえ、自然な自分を出すのって難しい社会構造になっているのではと感じています。

もちろん感じたことをそのまま表現するって難しいことでもあります。でも本来人に備わっているその感覚が知らず知らずに蓋をされてしまって(時に自ら蓋をしてしまって)、全然難しいことではないはずなのに、すごく難しいことになってしまっているような気がするのです。

踊るとその閉ざされた感覚が少しずつ呼び覚まされる気がします。踊っている空気を通じてそのままでいいんだというのを実感します。

多分わたしが踊っている理由は、どこかで落としてきた大切な宝物を、また自分の心の中に戻したいから踊っているのだと思います。

ここでなら大丈夫という安心感に包まれる場と出会えたのも本当にラッキーでした。これはリアル女神な先生が、レッスンのたびにその場を踊りやすいように整えてくれて、神聖な秘密の花園のような場を作りあげてくださっているからだと思います。

森と妖精のダンスという物語に出てきそうな名前のダンス教室は、わたしが本来のわたしに戻れるように魔法をかけてくれているのかもしれません。


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