YouTubeで安全にヨガをするコツ【ヨガ本企画 5/100】※後で有料にするかも
数年前から「YouTubeで動画を見ながらヨガをする」という話をチラホラ聞いていましたが、ここ2〜3年でそういう人がどっと増えたと思います。
実は私も、アシュタンガヨガとは別に、YouTubeの動画を見ながら体を動かすのを日課にしています。
アシュタンガヨガを日課にしていると調子がいいのですが、何かの事情で練習ができない日々が続くと、いきなりもともとやっていた練習に戻るのは難しいものです。
体調を崩したり、妊娠〜出産があったり。長い人生なので、練習の習慣が途絶えることはあります。そういう時に、元々の体を取り戻すためのリハビリとして、YouTubeのヨガは大いに役立ちました。初心者向けのリラックス系のヨガをゆったりとやり、「ヨガってリラックしして心地よいものだなぁ」というところから再スタートをして、少しずつ動きの多いヨガにしてゆき、数か月かけて「ふんっ」と腕で体を持ち上げる感じのパワフルなアシュタンガヨギーにカムバックする、という感じです。
また、ダイエットにもとても良いです。昨年、YouTubeでヨガや筋トレをして、食事のPFCバランス摂取カロリーを整えて、−5kgのダイエットをしました。今もちょうど減量中なので、積極的にYouTubeも活用しています。
ただし、こうやって動画を有効活用できているのは、自分自身がヨガ講師養成講座で解剖学を学んだから、というのもあるよなあ、と思います。初心者かつ運動習慣がない状態だったとしたら、見よう見まねでヨガをしようとして怪我をしてたんじゃないかな、と時々思います。
なので、今回は、YouTubeでヨガをするときのコツについて書いていきます。
(一旦無料公開しますが、動画の方がわかりやすいと思うので、もしご要望があれば後日動画をアップします。また、詳細の解説を追加して有料化するかもしれません)
自分にあう動画の選び方
色々試してみて自分に合うものを選んでいくと良いでしょう。
私のおすすめは、自分と体格が似ている先生を選ぶことです。
「何言ってるんだ!動画を出してるヨガの先生なんて、みんな細いじゃないか!私の体型の先生なんていないよ!」「私は体が固いんだ!先生はみんな柔らかいじゃないか!」とお思いの方も、落ち着いて。
小柄な方か、大柄な方か。
筋肉質な方か、ふわふわな方か。
体が固いか、柔らかいか。
そういうざっくりなマッピングでも良いので、なるべく近い人の方が活用しやすいと思います。
私の場合は、「反り腰(出っ尻)」「小柄な女性」「柔らかい(=姿勢が歪みやすい)」「同世代」の先生の動画を活用して、スタイルを調整しています。反り腰だと、腹筋がうまく使えなかったり、背骨を丸める動きが苦手だったりします。太る時も、お腹と太ももに集中的に脂肪がつきます。なので似た体型で、反り腰を調整することに成功している先生の動画を参考にすることが多いです。
「体が固い」というお悩みのある方も、固い人用の動画も多くあるので、そこから始めてみるといいと思います。
筋肉量が多くて固い場合はマッサージとかも組み合わせると良いでしょうし、筋肉量が少なくて固い場合は(運動不足の方はこれが多いです!)筋トレも組み合わせると動かしやすくなります。
これは色んな方に(鼻息荒く)お話ししているのですが、ぜひ、体が固いことを、恥ずかしいとか、間違ってるとか思わないでください。例えば、体育の授業などで「固いね」と笑われた経験があったりすると、意外と深く傷ついて、大人になっても引きずってしまうことってありますよね。
あああ、思い出すあんな記憶やこんな記憶・・・・・・(私、体育が大の苦手だったので、悲しい記憶がたくさんあります)。
しかし、固い=悪、ではありません。人と比べず、自分にとって心地よい体になるためにも、ぜひ取り組んでみてくださいね。
ポーズをする時に知っておきたいこと
初心者向けのヨガでは、座るポーズが多いと思います。この時に意識しておきたいのが「坐骨(ざこつ)」です。左右のお尻の肉に埋もれている(言い方よ)ゴリゴリした骨です。これは、内臓をお椀のように覆っている、骨盤の底にあたる部分です。
座るときは、この「坐骨」をマットに立てるイメージで座ると良いでしょう。そうすると、骨盤が正しい位置になるので、背骨がスッと心地よく伸ばせます。骨盤が植木鉢で、背骨がその上にスッと生えている木みたいなイメージです。
ただ、私の場合は「坐骨を立てて座る」ができるようになるまでに、1年ほどかかりました。反り腰の場合は前に、腰が丸まっている場合は後ろに骨盤が傾いているので、坐骨がマットにつけるのが難しい場合もあります。
「骨盤が傾いている」というと、「骨の問題なら、生まれつきだから仕方ない」と諦めがちですが、ちょっとまって!それは違います!!
「股関節周りについている筋肉や、姿勢を保つための筋肉がアンバランスになっている状態」ということなので、地道にヨガやストレッチを続けていけば整ってきます。そう、骨は歪んでません。筋肉の使い方で変えられる部分なのです。
楽にいい姿勢が取れるようになると、体の悩みがなくなったり、スタイルが良くなったり、いいことがたくさん。ぜひ諦めないで続けてみてください。
また、呼吸についてです。学校で「腹式呼吸が大事」と習ったので、そう考える方が多いみたいです。ヨガでは「腹式呼吸」を使う場合も、「胸式呼吸」を使う場合もどちらもあります。
リラックス系のヨガは腹式呼吸の場合が多いです。仰向けになって、おへその下あたりに手を乗せてゆったり呼吸をすると、吸うときにお腹が膨らんで、吐くときにお腹が凹んでくると思います。この呼吸だと気持ちも落ち着いてくるので、リラックスに向かいたい時に良いでしょう。
アシュタンガヨガなど、エネルギーを上に向けたい時には胸式呼吸です。立つ、もしくは背筋を伸ばして座って、お腹を凹ませながら、背骨を縦に引き伸ばすように吸い、フワッと緩めて吐いていきます。この呼吸をするとシャキッと目が覚めて、活動的になってくるでしょう。
どちらが正しい/間違っているということではなく、どちらも私たちの体のお役立ち機能なので、活用してみてください。
安全に行うためのコツ①膝の位置
ヨガだけでなく、スポーツで怪我をしやすいのが「膝」です。
膝、気をつけてくださいね。
何を隠そう、私も痛めました。20代の運動弱者時代、スポッチャでバスケットボールをやった時、滑って転んで膝を捻挫したのです。
だいぶ長引いて大変でした・・・。
付け根(股関節)から脚を動かそう
知っておくべきは「膝は、一つの方向にしか曲がらない」ということです。
試しに、膝を立てて床に座ってみてください。体育座り(三角座り?)というやつです。
次に、膝を両側にパカッと開いてみてください。
おそらく、足の裏を合わせて、あぐらに似た姿勢になっていると思います。
さて、私は「膝を開いてください」と言いました。その言い方の方がイメージしやすいからです。
しかし、膝の形を見てみてください。膝の曲がり方は、体育座りでも、両側に開いた時でも、同じ形で曲がっています。
では、体に何が起きたのかというと「股関節」を使って膝の位置を変えたのです。股関節とは、脚の付け根にある関節です。膝が一つの方向にしか開かないのに対して、股関節は360度くるりと回すように動かせます。
試しに、仰向けになって、片脚を抱えるようにして、膝で天井に円を書く様にぐるぐる回してみてください。ゴリゴリいうかもしれませんが、回せますよね。
「だからなんだ」って思うかもしれませんが、これを自覚しておくと、怪我のリスクが下げられるでしょう。
例えば、「ワイドスクワット」や「戦士のポーズ2番(ヴィラバドラーサナⅡ)」です。
先生のお手本を見ると、立った状態で、膝をパカッと外側に持っていっているように見えます。これを見よう見まねでやろうとした時に、股関節の可動域を考慮せずに膝を外に持って行こうとすると、膝に負担がかかります。
特に、バレエ経験のある先生など、股関節がとっても柔らかい先生の真似をするのは危ないです。股関節が柔らかい先生のポーズを見ると、膝が体の真横に開いて綺麗に見えます。ついつい、やりたくなっちゃいます(身に覚えあり)。
しかし、これを見よう見まねで無理してやってしまうと、膝を痛めます。
膝を開くときは股関節(=脚の付け根)から開く。そして、股関節の可動域内でしか開けない、というのを知っておくと良いでしょう。
膝を縦に曲げるポーズでは、膝はかかとの上に置こう
また、足を閉じた「スクワット」や「三日月のポーズ(アンジャネアーサナ)」「戦士のポーズ1番(ヴィラバドラーサナⅠ)」も要注意です。よく「膝が踵の上に来るように」と指示されると思います。膝を90度にしてかかとの上にくるようにすると、安定します。家でヨガをしていて、不意にお子様がタックルしてきても(ただし20kgまで)、急に地震がきても(震度5まで)安定しています。
かかとの上をこえて、つま先の方まで膝をグッと前に持っていくと、不安定になります。左右にグラグラしやすくなります。なので、注意が必要です。
ただ、「これがダメ」というわけではありません。
私も日課にしているアシュタンガヨガの「戦士のポーズ1番」では、つま先あたりまで膝を出します。ただし、条件付きだと思っていただけたらと思います。バンダ(体のコア、とお考えください)をしっかり使う、アシュタンガヨガの基礎ができていることが大前提。そして定期的に先生に練習を診てもらっている場合のやり方です。
なので、見よう見まねで膝を曲げすぎない方が安全です。
膝をたくさん曲げたい時には、「膝を危機に晒しているのだ」と自覚してやりましょう(そして、その瞬間にお子様がタックルしてきたり、地震が起きたら、無理に立ち上がらず、しゃがみましょうね!)。
安全に行うためのコツ②背骨と骨盤、肋骨の位置
運動経験のない方は特に、自分の骨がどうなっているかをざっくりとでも理解しておくと、安全にヨガができるでしょう。
特に、肋骨と骨盤の位置や形は、その辺にある人体模型を(無いか)確認してみてくだい(Googleの画像検索で「人間 骨格」で調べたらいいかも)。
内臓を守るように、お椀型になっていて、体の土台でもあるのが「骨盤」です。
そして、お椀の蓋みたいに向かい合わせになっているのが「肋骨」です。
背骨は、頭蓋骨にめり込んでいる首の付け根の骨から、背中をずっと通ってお尻にある尾骨の先まで、小さな骨が積み重なるようにしてできています。
背骨、そして骨盤と肋骨の位置や形を意識してみると、体を内側から観察する感じがつかみやすいかもしれません。
また、「腰を痛める」というのもよくあります。骨盤と肋骨の間の、前面(お腹)には、骨がありません。お腹の部分は、骨と腹筋群で支える設計になっています。そのため、腰の部分の背骨には、どうしても負担がかかりやすいものです。
前屈や後屈で腰が痛い場合は、腹筋も意識してみましょう。
また、この場合も「股関節」から動かすと知っておくと良いでしょう。ヨガの前屈では、骨盤から前に倒していくので、背中も伸びますが、太ももの裏(ハムストリングス)が伸びていきます。ヨガの後屈でも、「ブリッジ」のような姿勢では股関節から後ろに反ります。
また、肋骨のある胸〜背中の辺りもうまく使いましょう。
左右に背骨を捻るポーズでは、肋骨と繋がっている背骨のあたり、背中の上部がよく動きます。「腰からひねる」という指導を受けることもありますが、腰はあまりたくさんは動かないので、腰だけ頑張るのではなく、「腰が起点になるけど胸の裏あたりがたくさん動く」ということだと捉えておくと良いでしょう。
ピラティスの前屈では、骨盤を倒しません。背中を丸めます。この時に、腹筋をよく使って背骨を丸めるのと同時に、肩甲骨の間も丸めるようにしていきます。腰を縮めて丸めるのではなく、まず背骨を縦に伸ばして、腰から首までのつながりを感じながら丸めていきます。一部だけに負担がいくとそこを痛めるので、バランスよくやってみると良いと思います。
ヨガの後屈でも、胸の使い方は大事です。「ラクダのポーズ(ウシュトラーサナ)」は、膝立ちで背骨を縦にぐーんと伸ばし、胸から後ろに沿って両手を足に添えます。これも、腰から反ろうとすると苦しいので、胸を意識していくと良いでしょう。
じっくり練習したい場合は、先生の指導を受けてみよう!
つい熱が入り、マニアックな内容になったかもしれません。(5000文字を超えました。誰が読むんだろう)
基本的には、体がどこも痛くなくて、心地よく練習できていれば問題ありませんので、「今の練習でうまくいっているよ」という方は気にせず、そのまま続けて大丈夫です(今更ごめんね)。
ただし、YouTubeにあるヨガが、ヨガの全てではない、というのはぜひお伝えさせてください。体の使い方についての知識を深めたり、ポーズを通して自分の体を内観していく体験のできるレッスンは、動画では難しいものです。
YouTubeは、たくさんみられている動画が優遇される仕組みになっています。「多くの人が再生している動画が、いい動画である」というYouTube側の定義があり、仕様上、そういう動画が優先されるようになっているのです。YouTubeは広告媒体です。広告がたくさん再生され、購買につながることでGoogleが儲かる、という場なので、あくまでも「Googleの儲けにつながる動画」が優先されているのです。
これは、友人が「YouTubeって、テンポが早いヨガばっかりでやりにくい」と言っていたので気づいたのですが、確かにYouTubeではフロー系のヨガばかりが目立ちます。フロー系のヨガが人気、というのもあります。(私は好きだ!フローヨガ!)しかし、YouTubeにとって都合がいい動画であるということ、また、見よう見まねでやっても怪我がしにくいなど、動画に適しているタイプのヨガだからそうなっている、というのもあるでしょう。
もっとじっくりポーズを深めたい、体の悩みを解消したい、という場合は、ぜひヨガスタジオに行ってみるか、先生とやりとりをしたり、ポーズをチェックしてもらえるようなオンラインレッスンを受けてみると良いですよ!そこにはユーラシア大陸のように広く、マリアナ海溝のように深い、めくるめくヨガの世界が広がっているでしょう。
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このnoteは電子書籍にしてkindleで出版予定です。
100本書いて出版する予定なので、ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします!
また、ヨガに関する疑問や質問、つぶやきを募集しています。
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