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異世界に学ぶ、人生の歩き方。
生きてきて36年、どのくらいの国を旅しただろう。アジアを中心に10ヶ国ちょっとは行っただろうか。
本心を言えば、(時間とお金があれば)20代のうちにもっとたくさんの国に行きたかった。
都内で一人暮らしをしながら会社員として働く私にとって、海外旅行はがんばった自分への最大のご褒美だった。
海外好きが高じて、28歳の一年間はインドネシアの首都ジャカルタへ単身移住・就労したくらい。
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離陸するときなぜか目頭が熱くなる。
つくられた旅行より、バックパックで最低限の予定と荷物を握りしめて行く冒険のような旅が好き。
少しの移動でも冷や汗をかいて、言葉も通じずにもどかしく思って、
心細くても連絡できる人もいない。
でもそんな冒険の様な旅は全ての感覚がフルに研ぎ澄まされて、想像もしない出逢いを運んできてくれる。
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ミャンマー連邦共和国|Myanmar
私がいつも強烈に思い出す国は、ミャンマー連邦共和国|Myanmar。初めてひとり旅をした国でもある。
旅行者がほとんどいない、広大な湖に浮かぶ集落を訪れたことがある。湖は広大で、空を飛んでいるような感覚になるくらいに何もない場所。
船着場から30分くらいボートで移動すると民家や寺院が見えてくる。
全て、湖の上に立っている。見たことのない光景に、私は本か何かの世界に迷い込んでしまった気さえしていた。
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「旅行者は少ない」と聞いて私はとても警戒していた。服装は地味に、荷物も最小限にしようと。
でも一歩ボートから降りてみると、私が想像し得なかった世界が広がっていた。
街の人たちはどこまでもフレンドリーで、どこに行っても何者かわからない私を歓迎してくれた。
そんな環境に、私の心は日本にいるときとは比べものにならない程オープンで純粋になっていたように思う。
そんなとき、ひとりの女の子が笑いかけてくれた。
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その女の子の笑顔がとびっきりキュートで、近づいて行ったら「おいでよ!」と言われた気がしてついて行くと、その子の家があった。
物珍しそうに家を見ている私を見た女の子の家族は、なんと!私を家の中に招き入れてくれた。
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「いやいや危ないでしょ」と言われそうだけど、私には女の子の表情と家族の雰囲気で、それ程危険なことはないと直感的に感じた。
ひとり旅は自分で自分の身を守らなきゃいけない。だからこそ感覚がとても研ぎ澄まされる。様々な場面に直面したとき、自分はどう行動して、何を感じるのか。
そんな新しい自分に出会えるのも、旅の醍醐味だと思っている。
彼女たちは英語も知る術がないため、言葉はもちろん通じない。
でもそれぞれの言葉を発しながらも、表情、身振り手振り、そして気持ちで全ては通じるのかもしれない。
人との関わりは、本当はきっとシンプルだ。
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日本で仕事をしていると「何者かにならなくちゃいけない」と気張って、こうした方がいい、こうでなきゃいけないと人と関わる自分が、とても小さく思えてくる。
心をオープンに、ただその時間を楽しむことで、ずっと心のどこかにしまっておきたくなる時間を過ごすことができる。その事実にはっとする。
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仕事や日々の中で行き詰まったとき、私を支えてくれる1ページはまぎれもなくこの女の子との出逢いだ。
たくさんの人に、無邪気に、心からの笑顔を向けること。
言葉なんかなくても、本当は心を通わせることができること。
人との関わりは、とてもシンプルなこと。
大切なことに気づかせてくれた女の子は、今どこで何をしているのだろう。
今もあの笑顔で、家族とともにいることを心から願っている。
・
この旅をしたのはもう10年近く前のこと。ただ、今でも当時の光景を鮮明に思い出すことができる。
そのくらい私に気づきをくれた旅だった。
ミャンマー 情勢は現在いい状態ではない。
いつかまた、多くの人がミャンマーの地を踏めることを心から願っています。
・・・
「私を叶える住まいに出逢う」をコンセプトに、住まい探しのプロセスに焦点をあてたサービスをリリースしました。
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