逆境に感謝できる日が来るならば。
前回の投稿の文末に、
「有難くない状況にこそ、感謝する気概が人生を豊かにする」にすると書きました。
あまりに綺麗な言葉すぎて、今苦しい状況下にいる人にとっては拷問のような言葉だと思います。
これは15歳の冬、人生を諦めかけた時に恩師にかけて頂いた言葉です。
その瞬間はきれいごとに思えても
私は高校受験で志望校全敗という苦汁を嘗めました。
受験期を共に乗り越えた戦友たちの合格報告を眺めながら悔しさと絶望で荒んでいた私に、恩師はこんなことを言いました。
『今を踏ん張り、耐え抜き、自分の糧にすれば必ず、必ず今日の悔し涙に感謝する日がくる』と。
望んでもいない悪夢のような現実に、どう感謝すればいいのだろうか。
本当の逆境は、ここから
何とか合格を頂けた高校に進学し1年が経った頃、いつものように電車で自習室に向かいながら参考書をパラパラと眺めていました。
賑やかなおしゃべりが聞こえる方向に目を向けると、昔憧れた高校の制服を着て、話題のドラマについて話す同年代の女の子たちがいました。
都内随一の学力と、自信に満ち溢れた佇まい、何より友人とその瞬間を精一杯楽しんでいる姿があまりにも眩しくて、きっと一昨年までは同じように受験勉強に必死になっていた仲間であったはずが、どうしてこんなにも差がでてしまったんだろうと、悔しさと羨望が入り混じる感情があふれ、ポロポロと涙が止まらなくなりました。
2度に渡る失敗で自信を失い、ただ暗闇の中を茫然と前に進んでいるだけの自分と、目標に自力で到達し人生を謳歌する同年代の女の子が同じ世界を生きているようには思えず、ただただ”無責任に”羨ましく感じました。
蘇る言葉、奮い立った心
『今を踏ん張り、耐え抜き、自分の糧にすれば必ず、必ず今日の悔し涙に感謝する日がくる』
悔しさがバネに変わり、その日から狂ったように受験勉強と向き合いました。
ずっと容量が悪い自分をなだめるように量でカバーしていた勉強スタイルを一新し、合格までに習得すべき全項目を整理整頓しながら積み上げるイメージで、細かく分解・アウトプットし、地道にじれったく、孤独と不安と闘いながら必死に過ごしました。
あの日、挫けなかった私にありがとう
18歳の冬、手に余る合格通知を受け取りました。
嬉しいという感情よりも先に、あの自習室に向かう道中
”逆境を与えてくれた天と、その瞬間挫けるのではなく自分自身を奮い立たせた私の強い意志”に心の底から感謝しました。
勿論長い年月支えてくれた家族、恩師、友人にも同様ですが。
その経験を経てから、望んでもいない有難くない状況下でこそ、まずはその場で出来ることに集中すること、余計な不満を抱かないこと、到底想像できないことには不安を抱かないこと、というのを徹底してきました。
人生は思わぬ経験から、道が拓ける
実際今の私は、広告代理店の営業職として勤めているわけですが毎日ひいひい言いながら楽しく過ごしています。
大人になっても、悲しいこと、悔しいこと、怒ること、幸せに感じること、沢山経験していますが、その瞬間はどっしり構えあらゆる状況に感謝して生きていきたいです。
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