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「趣味は映画鑑賞です」

「趣味は映画鑑賞って、趣味はありませんって言ってるのと同じようなもんよ」

ドラマ「東京女子図鑑」で印象に残ったセリフのひとつだ。

いやそうだよなあ。そんなイメージだよな。とっても平凡だし、まさに「趣味はありません」って言っているような気がして、なんだかいつも答える前に躊躇う自分がいる。趣味って言えるほど詳しいかもわからないし。

全然別の趣味を答えてもいいんだけれど、うん。

でも、それでも私は映画鑑賞が好きだと言いたい。

なぜここまで思い入れがあるんだろう。ふと考えた。

自分にとって映画ってどういう存在なんだろう。

家族のじかん

思い返すと、これまでの人生で映画は大きな役割を果たしていた。

話は少し過去に遡るんだけど、

私が中学に進学する前くらいに両親が離婚していたため、父親とは2ヶ月に1度くらいのペースで会っていた。

会う時は毎回、私と姉で父の家に泊まりに行っていたのだが、さすがに思春期真っ只中の中学生&高校生の娘たちと、一晩中話せる人ではなかった(逆にできる人すごいんちゃう、、)

そこで、私たちは何をしたかというと、そう、「映画鑑賞」をしまくったのだ。

元々父親が映画好きだったこともあって、毎回、2~3本の映画をぶっ通しでみた。

もちろん食事をとったり、映画の合間にたわいもない会話をしながら。

そして私たちは観た作品に関して、ああでもないこうでもない、と話しながらささやかな家族の時間を過ごした。

コミュニケーションツールとしての映画

そんな習慣は私が大学を卒業するまで続いた。約10年間、私たちは映画を通してコミュニケーションをとっていたのだ。

そして、今もなお、私たちはよく映画の話をする。

「あれみた?」「これおもしろかったよ」

まじで良かったから観て欲しい、というおもいでLINEを送ることもあれば、

連絡をするほど何かあるわけではないけど、

なんだか挨拶がしたいし、今日も元気かなって声をかけたいから送ることもある。

私たちにとっては挨拶代わりのようなもの。

そうか、「映画鑑賞」は私を大事な人たちと繋げてくれてきたんだ。

そして今後も映画を通していろんな人たちと繋がっていくのだろう。

自分にとって、なんだかとっても大事なコミュニケーションツールなんだろうなあ。

娯楽ってそういうもんでしょ、って言ってしまえばそれまでなんだけど。

でも、自分の中では「繋がる」ツールとしての認識が人一倍強い気がして。

だから「趣味はありません」と聞こえるかもしれないけど、

それでも「趣味は映画鑑賞です」って答えたいんだろうなあと。


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