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ドミニカ | ミュージック・ジャーニーvol.26

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、カリブ海地域で最も多様性に富んだ島国ドミニカ共和国へ、同国の駐日大使館の皆様とともにご案内いたします。

2月27日はドミニカ共和国独立記念日です。はじめに、この日(2021年2月27日)を記念して寄せられた大使からのメッセージ、ドミニカ共和国の国歌をお聞きください。

独立記念日のご挨拶
駐日ドミニカ共和国大使館 ロバート・タカタ特命全権大使

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カリブ海地域の大都市、首都サントドミンゴ
ドミニカ共和国は、カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島を隣国のハイチと分かち合い、東側3分の2を占めています。カリブ海地域ではキューバに次いで2番目に広い面積を持ち、人口は1,000万人を超えます。

首都サントドミンゴは、コロンブスによる新大陸発見後、スペイン人によって最初に建設された米州最古の都市で、カリブ海地域のなかで最も豊かで活気にあふれた街といわれています。市街地は、かつてのスペイン植民地時代の面影を残す旧市街と、近代的なビルが建ち並ぶ新市街に分かれ、対照的な2つの顔を持ち合わせます。

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1492年、サン・サルバドル島に上陸したコロンブスは、同年、このサントドミンゴに上陸しました。その地はソナ・コロニアル(旧市街)と呼ばれ、カリブ海地域では珍しい欧風の街並みが広がり、植民都市の施設として建てられた役所、教会など、歴史的建造物が数多く残されています。この一帯は「サントドミンゴ植民都市」として、国内で唯一の世界文化遺産に登録されています。

新市街には、オフィスビルのほか、スーパーマーケットやショッピングモール、ホテル、レストラン、映画館といった娯楽施設が並び、サントドミンゴに住む人々の生活空間となっています。

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ハイビスカス、ブーゲンビリア、レッドジンジャーなど、カリブ海地域の植生は大変に豊かなことで知られています。1976年に建設された、この地域最大の国立植物園「ハルディン・ボタニコ・ナショナル」では、約6,000種類もの世界でも珍しい植物や果物に触れることができます。園内には、ドミニカ共和国で“柔道の父”とうたわれた松永護氏が、当時のレオネル・フェルナンデス大統領に依頼され、独学で造り上げた「日本庭園」が広がっています。

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貴重な宝石の一つとして知られるアンバー石(琥珀)は、数千万年前の古代に生育したスギやヒノキの樹液が化石化したものです。ドミニカ共和国で産出されるアンバー石は、透明度が高く、強い蛍光性を持つことで人気があります。この石は、ほとんどが黄金色の光を放ちますが、ドミニカ産の中には、紫外線を当てると青色に輝くブルーアンバーと呼ばれるものがあり、世界中で希少価値として扱われています。

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ドミニカ共和国の国技は野球で、メジャーリーグや日本でも多くの選手が活躍しています。また、ナショナルチームは、2013年に行われたワールド・ベースボール・クラシックで、8試合全てで勝利し、大会史上初の完全勝利で、優勝を成し遂げています。

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ドミニカ第2の都市サンティアゴ
サンティアゴは、北部のシバオ山脈に囲まれた山間に位置し、サントドミンゴに次ぐ国内2番目の都市です。街の中心にそびえるモニュメントは、スペイン王国との復興戦争で戦った英雄たちの慰霊碑として建てられたものです。ここはサンティアゴのランドマークとして市民からも親しまれ、高台からは、豊かな緑に包まれた街の風景や周囲の山々を見渡すことができます。

ドミニカ共和国は、世界屈指のタバコの葉の生産地で、国内産の上質の葉巻は、諸外国からも注目されています。なかでも老舗ブランド「AURORA(オーロラ)」は、1903年に建設されたドミニカ最古の葉巻工場を持ち、世界的にも高い評価を受けています。工場では「高品質のタバコを、熟練した職人で」をモットーに、全ての工程が手作業で進められ、その様子を見学することができます。

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地上の楽園プンタ・カナ
1970年、アメリカの投資家によって開発された、地上の楽園と呼ばれるプンタ・カナ。広さは約5800haと、およそ山手線内側の面積に相当します。全長約48㎞にまで伸びる白い砂浜や、そこかしこに茂るヤシの木が、訪れる人々に癒しと解放感を与えます。海辺には、収容人数40名ほどのリゾートホテルが建ち並び、近くには飛行場が建設されアクセスにも恵まれています。

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なかでも「カリブ海の真珠」と絶賛されるババロ・ビーチには、常にアメリカやヨーロッパなどから訪れる観光客で賑わっています。澄みきったコバルトブルーの海では、ボートやサーフィン、ダイビングなどが楽しめ、サメやエイを間近で見物できる沖へのクルーズも人気を呼んでいます。

プンタ・カナ南部には、ホヨアズールという天然の泉があります。四方を岩で囲まれ、奥深い秘境の雰囲気を漂わせる景観は、真の天然宝石と呼ばれています。自然が織りなす青く澄んだプールで、遊泳を楽しむ人もいます。

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多種多様で独特なドミニカ共和国の食文化
ドミニカ共和国の食文化は、ヨーロッパ、アフリカ、先住民をはじめ、多種多様な民族文化の組み合わせによって、世界でも類をみない独特の風味を生み出しています。「バンデーラ(旗)」は、白米に牛(鶏)肉、アビチュエラという赤い豆のスープをかけ、国旗の色を配した伝統料理です。また茹でたバナナをすり潰し、素揚げした豚の皮とまぜる「モフォンゴ」や、7種の肉と野菜を一緒に煮込んだ「サンコチャード」は、ドミニカ共和国グルメの定番となっています。

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ここでモフォンゴの作り方の短い映像がありますので、ご覧頂きたいと思います。

また、ドミニカ共和国は、その高いカカオ豆の品質により、現在、世界をリードするカカオ輸出国の1つであり、グルメ・カカオの生産者として認められている厳選された世界15か国に含まれています。日本では、大手製菓会社がドミニカ共和国のカカオで製造されたチョコレートを販売し人気を博しています。

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国内最大のイベント「カーニバル(謝肉祭)」
ドミニカ共和国のカーニバルは、2月の毎週日曜日、首都サントドミンゴをはじめ全国の都市で開催され、独立記念日の2月27日にクライマックスを迎えます。カーニバルの主役は、ディアブロと呼ばれる仮装の鬼たちで、大きく開いた口、大きな耳、2本の角を持ち、縦横無尽に行進します。鬼の仮面や色彩豊かなコスチュームは地域によって異なり、国の民間伝承の多様性が伺えます。国民は、一日中、賑やかなメレンゲのリズムに揺られ、一年でもっとも活気に満ちた時期を過ごします。

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ここでカーニバルの短い映像をご覧頂き、雰囲気を楽しんで頂ければと思います。

民音では、2000年に「ドミニカ共和国民族舞踊団」公演、2017年にレクチャーコンサート「アイシャ・シエド ヴァイオリンの調べ」をおこないました。

はじめに、2017年、「アイシャ・シエド ヴァイオリンの調べ」の公演より2曲をお聴きください。

1. 「エル・プリメール・ベソ(はじめてのキス)」

2. 「ラ・カンパネラ」

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<アイシャ・シエド>
英国のユーディ・メニューイン音楽学校、英国王立音楽大学でヴァイオリンを学びドミニカ共和国のダニロ・メディナ大統領は彼女を名誉親善大使に指名。国内外の報道からは、「奇跡の演奏」「最も若く、才能ある世界のヴァイオリン大使」等と称されている。
国内では2009年にカサンドラ賞、2013年、2014年、2015年にソベラノ賞、国外では2009年にアメリカ・ボストンでラテン国際賞等、多くの賞を受賞している。


次に、「ドミニカ共和国民族舞踊団」公演より、「メレンゲの威厳」と「フィエスタ・デ・カルナバル」の2曲をお聴きください。

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<ドミニカ共和国民族舞踊団>
ドミニカ共和国のさまざまな地域の最も象徴的なリズムとダンスを今に残し伝える国立の舞踊団で、世界各地でパフォーマンスを披露している。

1. 「メレンゲの威厳 メレンゲ・メドレー」

2. 「フィエスタ・デ・カルナバル」

ドミニカ共和国大使が推薦する音楽家
つづいて、駐日ドミニカ共和国大使館のロバート・タカタ特命全権大使が推薦するミュージシャン、ミリー・ケザダをご紹介します。彼女は、「メレンゲの女王」として知られ、女性メレンゲ歌手の先駆けとして世界的に高い評価を受けています。これまでにラテングラミー賞、ビルボーズ賞、プレミオス・ロ・ヌエストロ賞、カサンドラ賞、エル・ソベラノ賞などを受賞しています。

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1. メレンゲの曲「テイク・マイ・ライフ」

2. バチャータの曲「ユアー・ワールド・チェンジ」

最後に、メレンゲの演奏にはかかせないタンボーラ(太鼓)の奏者、チチ・ペラルタの演奏をお聞きください。
チチ・ペラルタは、ドミニカ共和国出身のミュージシャン、シンガーソングライター、プロデューサーです。世界中の様々な音楽ジャンルとの融合させた彼の音楽は、ラテンリズムに革命をもたらしました。これまでにラテングラミーを含む数え切れないほどの国際的な賞を獲得しています。2009年には、ドミニカ共和国の親善大使に任命されました。

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1. 「ドミニカ―ノ」

2. 「ラ ネグラ ベラ」

ここで、これまでご紹介してきたドミニカ共和国の各地域をはじめその他の都市などの魅力が満載の映像をお楽しみください。

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皆さん、ドミニカ共和国への音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力:駐日ドミニカ共和国大使館
写真提供:ドミニカ共和国観光省

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/10418/min-on-music-journey-no-26-dominican-republic/
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