見出し画像

スーダン ~雄大なナイル川~ | ミュージック・ジャーニーvol.83

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。

今回は、アフリカ大陸第3位の国土面積を持つスーダン共和国へ、駐日スーダン共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

スーダンの旅のしおり
・ドゥンゴナブ湾=ムッカワル島海洋国立公園でめずらしい海洋生物に会おう
・名物のハイビスカスティーを飲んでみよう
・豊かな音楽文化と伝統楽器の音色に触れよう

スーダンは国土の中央をナイル川が縦断しており、地中海世界・中東世界とアフリカを結ぶ重要な役割を果たしてきました。地政学上の重要拠点として、多様な背景を持つ人々の交流が生まれ、豊かな文化が花開いた地域でもあります。

雄大なナイル川と美しい自然

スーダンはアフリカ大陸のなかでも、とりわけ美しい河川と海岸に恵まれた国です。この地で見られるめずらしい自然の魅力をご紹介します。

色合いの異なる2つのナイル

スーダンには「白ナイル」と「青ナイル」という2つの大河が流れています。白ナイルはウガンダから北上してきた川であり、高い透明度と泡立ちによって水面が白く見えることからこの呼び名がついています。

一方、青ナイルはエチオピアから北西に向かって流れる川であり、濃く暗い色合いをしていることからこのように呼ばれています。そして、2つの川の合流点にあるのが首都のハルツームです。

ハルツームで合流した2つの川は、雄大なナイル川となってエジプトへ流れ、古代より文明を支える水源となってきました。

サンガネブ海洋国立公園とドゥンゴナブ湾=ムッカワル島海洋国立公園

紅海沿岸および周辺海域に設定された2つの海洋保護区であり、スーダン初の世界自然遺産です。サンガネブ海洋国立公園は世界最北端にある環礁地帯であり、特に欧米の観光客から高い人気を集めるダイビングスポットとなっています。

ドゥンゴナブ湾=ムッカワル島海洋国立公園は、サンゴ礁やマングローブ、湿地といった多様な生態系が混在する自然豊かなエリアです。“ドゥンゴナブ”はアラビア語で「ジュゴンのいる場所」という意味で、その名の通り、クジラやマンタ、ウミガメ、ジュゴンなどの絶滅の危機に瀕した大型海洋生物が数多く生息しています。

スーダンの風土と国民性

スーダンの歴史は古く、少なくともスーダン帝国が隆盛を誇った紀元前2000年代には、すでにこの地で高度な文明が発展していたとされています。ここでは、悠久の歴史によって育まれた独自の風土と国民性をご紹介します。

色鮮やかに咲くハイビスカス

ナイル川沿岸にはアフリカ最大規模の穀倉地帯が広がっており、さまざまな農作物が栽培されています。なかでも、色鮮やかなハイビスカスは、スーダンの国花でもある重要な存在です。

国内ではアルコールが禁止されていることから、スーダンの人々はお茶を飲む回数がとても多く、特にハイビスカスティーが広く好まれています。現地では「カルカディ」と呼ばれるハイビスカスを使ったジュースが人気で、砂糖をたっぷり入れて飲むのが主流です。

ほかにも、このエリアでは世界一の生産量を誇るアラビアガムや、発祥の地とされるゴマなどの名産品が収穫されます。

「旅人には親切たれ」のおもてなし精神

イスラム文化が根付くスーダンでは、「旅人には親切たれ」というクルアーンの教えから、観光客を丁寧にもてなす風習が存在しています。日中の気温が50度を超える暑い時期には、街中のさまざまなところで、冷たい飲み物で旅人をもてなしてくれる様子を目にすることができます。

誰でも参加自由のにぎやかな結婚式

スーダンの結婚式は、音楽とダンスに包まれたお祭りのような雰囲気で執り行われ、明るい国民性を象徴するイベントとなっています。儀式としての堅苦しい雰囲気はなく、参加者はご祝儀不要で服装も自由とされているのが特徴です。

参加は誰でも可能であり、結婚する2人のことをよく知らないまま参列するケースも少なくないと言われています。

スーダンの音楽文化

スーダンの音楽は、アラビア音楽と伝統音楽の融合によって、独自のスタイルへと発展していきました。アラブ音楽との共通点も少なくありませんが、音階は主にアフリカの伝統的なペンタトニックスケールが使われるのが特徴です。

伝統楽器もユニークであり、民音音楽博物館には以下の2つが所蔵されています。

キヘンベ・ンゴマ ・・・ 木製の胴にシマウマの皮を張り、ガットや植物繊維できつく締めた太鼓

キサール ・・・ 2本の棹に渡した横木から、5本のガット弦がヒョウタンでできた半球状の胴の下端まで張られた弦楽器

編集部の“イチ押し”アーティスト:Mazin Hamid

今回は、スーダンの男性ミュージシャン「Mazin Hamid」の楽曲『Aljondy Almajhool』をご紹介します。2023年5月には、カンヌ国際映画祭で栄えある自由賞を受賞したスーダンのドラマ映画『グッバイ・ジュリア』の音楽を担当し、国内のアートシーンに大きな功績を残しました。

寄りそうような優しい歌声と、ドラマチックに展開するメロディをお楽しみください。

最後に、駐日スーダン共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。

My Homeland-Sayed Khalifa(サイード・ハリファ)

ハルツーム出身の歌手・作曲家。1928年生まれ。スーダン音楽の黄金時代においてもっとも尊敬された音楽家であり、スーダンの独立時に作曲した「My Homeland」は、もっとも人気のある愛国歌のひとつ。演奏される際には、バイオリンや太鼓だけでなく、エレキベース、ピアノ、サックス、アコーディオンなどの現代的な楽器も用いられていた。

現代のバンドによって、曲が書かれた当時をシミュレートしたビデオクリップも公開されています。

皆さん、スーダンへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日スーダン共和国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

ご案内

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/15801/min-on-music-journey-no-83-sudan/

民音は、ミュージック・ジャーニーをはじめ、様々な音楽コンテンツを発信しております。詳しくは、公式SNS、YouTube、WEBサイトをご覧ください。スキやフォローいただければ幸いです。

・公式YouTubeチャンネル 「民音 Min-On」
https://www.youtube.com/channel/UCpRUH9jeJvYVjef7tklWQ-Q
・サブYouTubeチャンネル 「みんなで音むすび」
https://www.youtube.com/channel/UCPZ_9drTre43tshiX2ZuiyA
・インスタグラム https://www.instagram.com/min_on_official/
・Twitter https://twitter.com/minon_official
・Facebook https://www.facebook.com/MinOnConcertAssociation/
・公式WEBサイト https://www.min-on.or.jp/