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今日のごはんと本 波乱の新生児期 4/30(火)〜5/3(金)

退院後、産後0週目。
まだフラフラ。
歩くのがおぼつかない。
赤ちゃん、4歳の子ども、夫とわたしというメンバーでの、新しい暮らしのはじまり。

  

4/30 火曜日

真夜中、ものすごく怖い夢を見て、泣き叫びながら目が覚める。
赤ちゃんを育てていく不安と心配の、煮こごりのような悪夢。
子どもを育てる多く人が、いやおうなしに背負わされるたぐいの恐怖。
大丈夫、大丈夫、とぶつぶつ繰り返しながら、泣きまくる。
夫になだめられて、なんとか呼吸が落ち着く。
子どももつられてれて起きて、泣き出してしまう。
ごめんね。

時計を見るのと1時過ぎ。
子どもをあやし、ひとりキッチンへ。
出産時に飲まなくて持ち帰った、ペットボトルのポカリが、冷蔵庫で冷えていた。
ごくごくと飲んで、腫れぼったい心を冷やす。
やっと落ち着いてくる。

赤ちゃんはよく寝ている。
大丈夫。守る。絶対に大丈夫。
強く強く自分に言い聞かせる。
自分たちは大丈夫だという根拠のない思い込みが、きっと人類を生かしてきた。

退院して家に帰ってきて、一気に気持ちも体もゆるんで、気を張って抑え込んできた不安が、噴出したんだろう。
そういえば、あんなにぱんぱんだった足のむくみが、すっと取れている。
体は正直だ。

これから、4人暮らしがはじまっていく。

晩酌?
カマンベールチーズ、缶ビール。
午前3時の授乳後、頭が冴えて眠れなかったので、今こそ! とプレミアムモルツ香るエールをプシュッとしてグラスに注ぐ。
夫も起きてきて、一杯付き合ってくれる。
40週ぶりのビール。
あー、こんな味だったなあ、とじーんとする。
おいしい……。

わたしの入院中、ひとりめの子どもとどう過ごしていたか、夫に色々と話を聞く。
4歳児のワンオペ(しかもGWで保育園に預けられず)はめちゃくちゃ大変だったと思う。
夫、本当にお疲れさま。

これからのことについて、あれこれ話し込む。
色々あるけど、本当に大変だろうけど、楽しいことやうれしいこと、めくるめくこともどっさりあるはずだ。
全部味わって、一緒に暮らしていけたら。

次の授乳はオールミルク。
無理せずいこう。

朝ごはん
トースト。
夜間授乳を乗り越え、朝。
眠い。
まだ寝ている赤ちゃんはそっとしておき、子どものケアに集中する。
保育園いやだ、と半泣きの子ども。
赤ちゃんと一緒に過ごしたい気持ちと、親の関心が二分される戸惑い、どっちもありそう。
早めにお迎えに行くことを提案すると、切なそうな顔をしつつもうなずいてくれた。

1日前倒しで退院したため、もともと最終日に受けるはずだった赤ちゃんの検査を受けに産院へ。
かかとで採血され、泣きじゃくる子どもを見て、胸がうっとなる。
がんばった、えらいね。
精算も済ませ、すぐに帰宅。


おやつ

紅茶バウム。
ふぞろいバウムはうまいなあ。
出産前は全部すぐに食べてたけど、半分で一旦ストップ。
食欲が凪いできている。


昼ごはん
海鮮丼、ベビーリーフのサラダ、鶏肉と根菜のおみそ汁。

1ヶ月間は夫に家事を甘えまくることになる。
スーパーのお得なお刺身をどーんとのっけたどんぶり、おいしいしお得だし、いいことしかない。
九州の甘いさしみ醤油と、ねぎラー油をまわしかけたら、最高だった!
野菜もおいしいし、おみそ汁は安らぐし、幸せなランチ。

おやつ
チーズケーキ。
急ぎの事務処理をあれこれしつつ、脳に糖分を送る。

夜ごはん
牛肉とだいこんとパセリの炒めもの、小松菜のおひたし、もち麦入り白米、鶏肉と根菜のおみそ汁。
夫の新しい炒めもの、うまい。
小松菜もシンプルでおいしい。
しかし、赤ちゃんは泣き、子どももなかなか落ち着かず、みんなでゆっくりとは食べられず。

読んだ本
『本当に大切なことはほんの少し』
ウー・ウェンさんのエッセイ。
授乳しつつ読んでいく。
ひねもす、ぼーっとしてるので、あんまり頭に入ってないかもしれないけど、文字が目から体にしとしと流れこむ、そのこと自体に、満ち足りた心地になる。
ごはんを食べるのと一緒。


5/1 水曜日 くもり時々雨

ふらふらで授乳。
体重があんまり増えてなくて、ミルクを足す必要があるので、やることが多い。
夜は寝室のベビーベッドのそばに、ポッドと殺菌済み哺乳瓶をセットする、など、オペレーションを夫と試行錯誤。

早朝の赤ちゃんの授乳中、起き出した子どももくっついてくる。
眠いけど至福。

朝ごはん
みそ焼きおにぎり。
子どもの気持ちが不安定。
なだめつつ、夫と交互にケアする。
朝の支度を終える頃には落ち着く。
今日は嫌とは言わずに、保育園へ出かけていく。
しっかり見ていよう。

おやつ
紅茶バウム。
もうちょっとなにか食べたいなーと思い、朝ごはんにプラスする。

おやつ
フルーツグラノーラとヨーグルト。
小腹がすいて、ちょこっと食べる。

友だちがたくさんの差し入れを持って遊びに来てくれる。
赤ちゃんと子どもへのプレゼント、大人にはおすすめ冷凍食品とデカフェのお茶とコーヒー。
ラインナップが親戚。
赤ちゃん、おとなしくだっこされている。
あれこれ話せて、うれしかった。

昼ごはん
台湾風まぜそば。

夫が作ってくれる料理のなかでも、特に大好きなシピ。
麺はそうめん。
おいしくて、具を少し残しておいてお米を解凍し、まぜごはんにして食べた。

おやつ
フィナンシェ、カントリーマウム、クッキー。
夫にお願いしておやつを買ってきてもらう。

出血が続いていて、お腹がずーんと痛く、動くのがつらい。
悪露がなかなか止まらない怖さと、どこにもいけないしんどさ、早く元気にならないとという焦り、いろんな思いがあいまって、気を抜くと些細なことで猛烈に悲しくなり、涙が出てくる。
全部ホルモンのせい、ホルモンのせい、と言い聞かす。


夜ごはん
ピッツァマルゲリータ、ねぎとツナのあえもの、小松菜のおひたし、納豆玉子かけごはん、鶏肉と根菜のおみそ汁。
ねぎとツナのサラダ、最高においしい。
ねぎの辛味がほどよくきいていて、ごはんが進む。
子どものリクエストで、友だちの差し入れのピザをさっそく焼いてもらう。
こっちもおいしかった!
やはり生地、というか小麦粉のうまさで、かなり着地点が変わるんだなあ。

夫のワインを、ちょびちょびと横からもらう。
子どもがマネをして、「ひと口ちょうだい」とわたしの麦茶を飲んでいて、かわいかった。


読んだ本
『本当に大切なことはほんの少し』
ちまちまと読み終える。
光がすみずみまで差し込む空間にいるような、気持ちのいい本だった。

『暮らしのヒント集』
授乳中、ぼーっとしながら眺める。


5/2 木曜日 晴れ

深夜の授乳、きっつい。
特に、寝入ってちょっと経った0時前後。
眠気が泥のように降りそそぎ、体を真上から押さえつけてくる。

ベッドにへばりつく上半身をなんとか引き剥がし、赤ちゃんをだっこし、円座クッションと授乳クッション、高さ調整のための薄いミニクッションを引っ張り寄せてセッティングし、追加するためのミルクを用意し、赤子を抱き上げ……という一連のアクションが、ものすごく大変に感じられる。

手塚治虫のマンガで、眠らせてもらえない拷問を受ける人が出てくる短編(名作)を思い出した。
耐えがたく苦しいだろうな。


朝ごはん
みそ焼きおにぎり、チーズ。
なんとか夜を乗り越えた。がんばった。
一夜一夜、越えていくしかない。

おやつ
いちごチョコパイ、デカフェのコーヒー。
前ほど糖分への飢えはないものの、食欲はやはり妊娠前よりは多めなので、おやつを少量ちょこちょこつまむ。
ファミリーパックは強い味方。


昼ごはん
油淋鶏、水菜とたまねぎのサラダ、もち麦入り白米、わかめスープ。
昼ごはん、夫がスーパーの唐揚げを油淋鶏風に仕立ててくれた。
魚焼きグリルで温めなおしたという唐揚げは、ぱりっとしつつ中身はしっとり。
しっかり食べた。


おやつ
チーズケーキ。
お願いして買ってきてもらったスーパーの2個入りチーズケーキ。
地味に好き。

まだ悪露がたぱっと出ていて、下腹が痛んで、不安。
大丈夫、生きる、大丈夫、生きる、と何度も言う。
音楽を聴いていると、涙がたらーと垂れる。
ホルモン乱高下。

夜ごはん
お刺身盛り合わせ、根菜とピーマンの煮物、もち麦入り白米、具だくさん豚汁。
スーパーのお刺身が今日も豪華でお得。
ありがたい限り。
夫の豚汁がしみわたる。
動けるようになったら、わたしもいろいろ作って、食べてもらいたい。

おやつ
ミニフィナンシェ、クッキー。
深夜の授乳のお供につまむ。
眠い。


読んだ本
『「山奥ニート」やってます。』
前から読みたかった本。
タイトルそのまんま。面白い。
天気がいいからみんなでバーベキューをして、すごい夕焼けを見て、でもそれを胸にしまって、HUNTER×HUNTERの話で盛り上がって、そのあとで、同じ夕焼けを見ていた人がいたとわかってなんかよかった、といった内容の日記があった。
これ以上の晴れの日のいい過ごし方はなかなかないと、わたしは思った。

いざとなったらわたしも山奥でニートやろう、と思うと、張り詰めた気が、ぷしゅっと抜ける。
実際にその選択をしなくても、気が抜けるだけで、すごく体にいい。
読書は体にいい。

『少女ファイト』最新話。
本じゃなくWeb配信だけど。
待ちわびた最新話更新。
しとしとと涙が出た。素晴らしい。
日本橋ヨヲコ先生のマンガに、何度も助けられてきた。
最高のバレーマンガ。青春マンガ。
これからも見届ける。


5/3 金曜日 晴れ

快晴。
今日と明日はどんたく。
激混み確定なので、街なかに出かけるのは避けたほうがよさそう。
わたしと赤ちゃんはもちろん留守番だけど、夫と子どもはどこへ出かけるとよさそうか、話し合っていたら母から電話が。
子どもを遊びに連れ出してくれるという申し出。
ありがたく乗っかることに。

朝ごはん
チョコバナナトースト、スクランブルエッグ。
トーストチョコレートをぬってバナナを切ってのせる。
子どもが、自分もやる! と言うので、同じようにバナナのせに。
たのしい朝ごはん。

デザート
メロン!

出産のお祝いにいただいた立派なメロンを食後に。
うれしい!
包丁がするっと入るみずみずしさ。
こんな機会でもないと家で食べることなんてない。
ありがたい。
完熟のメロン、口の中でとろけた。
幸せを食べた。
生ハムを入手しなくては!

昼ごはん
マック!
両親が来てくれて、子どもを連れてドライブスルーでお昼を買ってきてくれる。
ついでにリクエストした生ハムも買ってくれた。
ありがたい。

みんなでごはんを食べてゆっくりしたあと、両親が子どもをまたドライブに連れ出してくれる。
その間、2時間しっかり昼寝ができた。
夫も、やりたかった作業を進められたそう。

第一子が生まれたときは、東京に住んでいたし、コロナ禍だったしで、親の力を借りなかった。
そのつもりがはなから一切なかった。
今も、そんなに頼るつもりはないのだけど、子どもたちにとって、わたしと夫以外の頼る先があるということは、とてもいいことだなと、すんなり思えた。

赤ちゃんが授乳中にむせて、顔色が青ざめ、ぞっとする。
げっぷさせ、呼吸をたしかめ、赤ちゃんはすぐに落ち着いたけど、寒気がなかなか取れなかった。
涙がだらだらと出る。
命はこわい。


おやつ
いちごチョコパイ、クッキー。
授乳のお供に。

子ども、両親に送ってもらい帰宅。
お出かけできてよかったね。
赤ちゃんが寝てくれていたので、一緒に遊ぶ。

赤ちゃんに授乳していると、子どもはさみしそうな顔になる。
くっついてくるので、たくさん撫でる。
授乳が終わったら、赤ちゃんを寝かせ、子どもをだっこする。
子どもは赤ちゃんが大好きで、でも同時に、さみしさも抱えているんだろう。
複雑な感情を持てあましながら、そのまま、どうにかやっていく。
人間の人生のしんどさ、せつなさ、そして面白み。
いくら幼くても、もうはじまっているんだなと、子どもを見つめていて思う。

夜ごはん
ニラ玉、根菜とピーマンの煮物、もち麦入り白米、具だくさん豚汁。
子どもたちが寝て、夫とふたりでごはん。
ニラ玉、ふわふわとろとろでおいしい。
生ハムメロンを食べる予定だったけど、てんやわんやで食事を終えたら21時だったので、やめておく。

それにしても、食欲、すーっと落ち着いた。
あとちょっと食べたいなーと思っても、まあいいか、と止められる。
出産するまでは(陣痛のさなかでも)、食べたい! もっと食べたい! と食欲に突き動かされていた。
今後、あんなに食べたい欲求が湧くことはないだろう。
たくさん食べまくれて楽しかったなあ。

妊娠、大変だし色々きついけど、やっぱり総じて楽しかった。
気づけば足のむくみは取れ、むずむずは落ち着き、お腹はほぼひっこみ、体重は1週間で8キロ落ちた。
産後の体の変化は、すさまじい。

読んだ本
『10品を繰り返し作りましょう』
立て続けにウー・ウェンさんの本。
目からうろこが落ちる知識が散りばめられている。
ゆったり読んでいく。

『ルーカス・ウォーズ』

届くのを楽しみ待っていたアメリカのグラフィックコミック。
ジョージ・ルーカスが「スター・ウォーズ」を完成させるまでの軌跡を描いている。
面白い!
そして絵が素晴らしい。
夢中で一気読みした。
邦訳を出してくださった方々に心から感謝。