『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』主演バルバラ・スコヴァ特別インタビュー
シネスイッチ銀座ほか全国公開中の『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』で、主演のニナ役を務めたバルバラ・スコヴァは、『ローザ・ルクセンブルク』(86)でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞し、ラース・フォン・トリアーの『ヨーロッパ』(91)、デヴィッド・クローネンバーグの『エム・バタフライ』(93)、さらに日本でもヒットした『ハンナ・アーレント』(12)など、アメリカとヨーロッパを股にかけ活躍する大女優。
© Joachim Gern
本作では主役の一人、ニナを演じ、2021年にセザール賞と国際シネフィル協会賞で主演女優賞にノミネート、リュミエール賞で主演女優賞を受賞している。現在は、アメリカのニューヨークに暮らす彼女が、日本のために特別に応えた貴重なインタビューが到着。
フィリッポ・メネゲッティ監督は本作が長編監督デビューにも関わらず、出演を承諾したバルバラ。撮影の2年前ほど前に監督からオファーを受けていたことを明らかにし、「脚本を読んでとても気に入ったので、すぐに返事をしたのです。独創的なストーリーだし、良く書けていた。」と当時を振り返り、「彼のような若いヘテロセクシュアルの男性が、年齢を経た女性同士のカップルを描くことに興味を掻き立てられた。フィリッポはこの企画にとても情熱的でした。」と語った。
フィリッポ・メネゲッティ監督
またレズビアンの女性を演じるのはチャレンジングなことだったが尋ねられると「いいえ、わたしにはレズビアンの友人がいて、ふだんからよく話しもしています。どんな愛も愛であることに変わりはない。その意味で、セクシュアリティについてそんなに考える必要はないと思いました。これは愛に関する物語、そして家族やその秘密に関する物語です。」
そして、資金調達に苦労しながらも、年齢を重ねた女性たちを主役にすることにこだわり、遂に映画化が実現した本作だが、撮影でもメイクなしでクロースアップを撮りたいと望んだ監督の意向も受け入れたという。「美しく見えたいのなら、あまり好都合とは言えません。でもこの映画は美についての作品ではない。わたしは却ってその点に共感しました。それにフィリッポはとても勇気があります。おそらくもっと若くて魅力的なカップルの話にしていたら、映画の予算を集めるのも早くて楽だったでしょうから。でも彼は熟年のカップルにこだわった。だからこそ、この物語はとてもユニークなものになっていると思います。」と明かした。
『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』シネスイッチ銀座ほか全国公開中!
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