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憧れの知的生活パート2__Vol760

ああ、やっぱり憧れる!

Vol760パート1は、「Vol.258」だった。
久しぶりに読み返してみた。

♡渡部昇一の知的生活
それにしても徹夜で仕事をすると気分が爽快になる、と言うのはどうしたことであろうか。これは結局は、外界からの余計な雑音がなく、イライラすることがないためらしい。例えば、夜の十時ごろから翌朝の六時までと言えば、ちょうど8時間ある。途中で牛乳を温めて飲んだり、みかんを食べたりなどして多少休憩時間をとったにせよ、ほとんど8時間と言うもの、つまり通常の人の1日分の労働時間がそこにあることになる。しかもこの8時間の特徴は、外からの中断が絶対にないということである。電話がくることもなければ、訪問客もない。速達便も小包も来ない。絶対の静けさである。そして疲れたら、いつでも布団にもぐりこめば良いのだ。
中断されるおそれがなく、時間はほとんど無限に自分の目の前に広がっていると感ずるとき、知はまことにのびのびと動く。いつ電話がくるかもしれない、などと言う気持ちが意識下にあるときは、知はその自由な動きをすでに失っているのだ。

「知的生活の方法」(渡部昇一 講談社現代新書)

♡カントの知的生活
早起きで有名なのはカントである。このドイツの大哲学者は、規則正しい生活で有名であるが、夏も冬も起床は5時であった。彼は独身で男の召使いに世話をしてもらっていたが、この召使いがかっきり五時十五分前にカントを起こしに寝室にゆくのである。そしてカントが起きるまでは起こし続けるように厳命されていた。時々、カントは眠たさのあまり、「もう少し寝かせておいてくれ」と言うこともあったが、この召使いは絶対にそれを聞き入れないのである。もし聞き入れたら、後でカントに叱られるからである。カントの就寝時間は夜の十時であったから、7時間睡眠であったことになる。カントは生理学的なことや何やらをいろいろと考え、さらに自己の健康状態を考察した上で、夜十時から朝五時までの睡眠が、あらゆる摂生と健康法の基礎だとする結論に至ったようである。
「知的生活の方法」(渡部昇一 講談社現代新書)

♡ゲーテの知的生活
早起きで偉大な知的活動の業績をあげた人と言えば、カントのほかにゲーテが有名である。「朝の時間は金貨をくわえている」と言う有名な格言も確か彼の作ったものであった。ドルンブルクの城に住んでいた彼をたずねてきたエッカーマンに対し、彼はこう語っている。
「夜も昼もわたしは、こころ愉しく暮らしている。日の出まえにしばしば目をさまして、窓をあけたままベッドの上で横たわっている。そして三つの惑星が光っている東の空をながめ、しののめの光がしだいに明るくさしてくるのを待つ。それから、わたしは、1日中戸外ですごし、ぶどうの蔓とひそやかな精神的な対話をかわす。ぶどうの蔓が語りかけるさまざまな思想ーわたしは、ぶどうの蔓についての神秘な発見をきみに語っても良い。わたしは、近頃ふたたび抒情詩を書き始めている・・・・」(大山定一訳)
「知的生活の方法」(渡部昇一 講談社現代新書)

パート2!


パート2は、全然趣が違う「知的生活」だ。

〔引用〕___________________
8月24日(土)学校の研究合宿で葉山へ。参加者7名。「研究集団調布大塚小学校」のプロットを考える。来春出版の予定。あわび、伊勢海老の活き造りで宴会。
8月25日(日)1時間研究会をして海岸に行く。研究通信を書く。逗子で昼食後横須賀線に乗る。横浜下車、原稿を受け取り帰宅。校正。
8月26日(月)高熱の娘(4歳)を連れて病院へ。家人、「体育・スポーツ国際会議」の準備のため日体大へ。手紙の返信を書く。およそ100通。
8月27日(火)朝、学年登校日。子どもたちの顔がまぶしい。10時、平和島のユースセンターへ。太田区新採研修の講師。昨年の実習生の河野まりさんに会う。東学大付属小から指導主事に転じた松山氏と握手、一度会いたかった人だ。後日を約す。帰宅後、20代講座の資料、用品の荷造りをする。
8月28日(水)朝タクシーで青山会館へ。20代講座の1日目。本日の会場は地下の大会議室、豪華絢爛たるクロス張りの部屋。
本日の講師は、千葉大付属小の根本正雄氏、新潟大付属小の大森修氏、筑波大付属小の有田和正氏の三名。夜、立食パーティ。猿などが出るという山形県朝日村、瀬戸内海の小島、男鹿島、四国の宇和島、九州の長崎など、各地から来られた若い教師の挨拶が何ともいえず良い。その後、日本間でブレーンストーミング。六畳間に30人以上が入り込んですごい熱気。就寝深夜。
8月29日(木)20代講座2日目。ベッドの中でとなりの宇佐美寛氏と雑談。本日の講座は、京浜教育サークル代表松本昇氏、国語教育の名人・野口芳宏氏、千葉大の明石要一氏、宇佐美寛氏、そして私である。参観者の中から出されたレポートはおよそ40本、私が短く批評した。
(略)
「教え方のプロ 向山洋一全集 83」 あたたかく迫力ある教師への道
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これは、教室ツーウエイ創刊号に掲載されている向山洋一氏の編集長日記である。
8月29日は、ほんの序盤であり、このあと8月30日(金)まで講座が続いていく。
読みながら、TOSSのセミナーに参加している時のようなワクワクした気分になった。
学んでは語り合い、学んでは語り合う、密度の濃い時間。
学校の有志で行く、学校の本の出版のための合宿!
六畳間に30人以上が入り込んだ夜のブレーンストーミング!
朝起きてすぐに、向山氏と宇佐美氏がした雑談!
こんなディープな時間を、連続で過ごしたら、知恵熱を出して倒れそう。
こんな熱気あふれる知的な空間に、心から憧れる。

向山氏は、言う。
「本物の研究集団」は「本物の教師」を多量に生み出すのである。

憧れの知的教師生活のpercentageをあげていこう!