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恋の始まりを怖がるようになったのは、

人を好きになることにブレーキがかかるようになったのは、
いつからだろう。

目が合って胸が高鳴って
うまく言葉が出てこなくなって
ふとした時に考えるようになって
会いたい想いがふくらんで
試着室で彼の顔が浮かぶ

そんな気持ちを「恋」と素直に認めることが
年を重ねるほどに難しくなる。

まだよく知らないから
少し優しくされたくらいで
寂しいからよりかかりたくなってるだけ
人として好きなだけ
憧れと恋を混同してるだけ
彼とはうまくいきそうにないし

適当な言い訳を見つけて、
胸の奥でじわじわ熱を持つ想いに
見て見ぬふりをする。

そうやって時間を置くことで熱を冷まして
「ほらやっぱり、恋なんかじゃなかった」って
安心できる日まで、言い訳を続ける。

だって、傷つくのが怖いから。
叶わない恋に、もう消耗したくないから。

恋を始めることに臆病になる。

大人になったらもっと、恋が楽になると思っていたけれど
過去の経験は、人を恋愛上手にするどころか臆病にしてしまう。

好きかもという気持ちと
恋なんてもうしたくないという気持ちの
綱引き状態。



大人になると、恋はすこしゆっくりになる。

そんな言葉を、いつか何かの映画か小説で見かけた。
その時はよくわからなかったけれど
今なら、ちょっとだけわかる気がする。

ああでも、願わくば。
ゆっくりでもいいから
いつか消えちゃう灯でもいいから
前に進む力になればいい。
優しく、強く、笑える力になればいい。

言い訳で恋のぬくもりを冷ます前に。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、
このぬくもりを大事にしてみよう。

あいみょんの「裸の心」を聴いて、
そんなことを思う夏の夜なのでした。


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