人とチームの奥底の薪を燃やし、我-汝であること | Generative Team Coaching応用Aを終えて
ジェネレーティブチームコーチング1期、応用Bコースの、オフライントレーニング2DAYSを終えました。テーマは「我と汝」です。
基礎コースを終えての感想はこちら
我と汝とは
我と汝とは、哲学者であるマルティンブーバーが説いた人の関係性に概念で、ブーバーは二者関係を下記の2種に分けました。
それが「我-それ(I-It)」 と「我-汝(I-you)」です。我 - 汝は、わたしとあなたとも言い換えることができるでしょう。
我 - それの関係性
私たちは日々、いろんな役割の中で生きています。家族における、父や母、息子や娘といった関係性から、会社における上司や部下、学校においては先生や生徒、スポーツにおいては監督やコーチなど、コミュニティーというフィールド(場)そのものが、役割を生んでいます。
人とのコミュニケーションにおいて、僕もまた、息子として、デザイナーとして、若手として、コーチとして役割の上で、人とコミュニケーションしています。
相手も「役割をまとった私」を見つめてきます。
同時にわたしは、相手に対しても、役割をまとった彼や彼女、彼らを捉えます。上司や上層部、先生や監督、父や母、クライアントといった役割とコミュニケーションします。
その役割は、大部分においては必要なものです。私たちは1人で生きていけず、親に頼り、先生に教育を受け、仲間と生きていくのですから。しかし、その役割は思い込みとして固着し、役割の上でコミュニケーションのすれ違いが起きます。
そこで重要になるのが、「我 - 汝」の関係性です。
我 - 汝の向こうに
わたしとあなたという関係性があるから、私がいる。私は奥底でこう思う。息子として、父や母としてではなく、上司や部下としてではなく。わたしとあなたとしてのコミュニケーションを、私たちはどれだけできているでしょうか?
我と汝の哲学は、言葉でなんとなく理解しても、取らえずらいものですが、この講座においては、インプロという即興劇を通してたくさんの役割を演じ、それをコーチングしていくというトレーニングを体験していきます。
それを通して、気づくのです。
誰もが役割の中で、本音を伝えることのできない何かがあることを。そして、その奥には恐れがあり、心配や愛といった願いがあることを。
特に、日本人は、相手を気遣い、相手の立場を配慮した上でコミュニケーションしていることにも気づきます。対立を避け続けているのです。
「あの人はきっとこうだから、こうしよう。」
「自分が悪いから、こうするしかない。」
「この気持ちはどうせ理解してもらえない。」
といったように。
自分の立場を取り、薪を燃やし尽くすこと
チームコーチングにおいて、特にこの応用aにおいては、対立の炎に留まり、あえて「薪を燃やす」というトレーニングを行います。
対立を歓迎し、薪を燃やすというのは、誰しも怖いことだと思います。
しかし、薪を燃やさず対立を避けているのが私たちの日常のパターンです。自分の立場を取り切り、私とあなたとして思いを伝えた時に、初めてわかることが出てきます。
「あぁ、あなた(あなた達)はこう思っていたのだね」と。
チームコーチングの難しさと、Weのエネルギー
普段のパーソナルのコーチングにおいては、特に個の内面に対する葛藤を扱うのに対し、チームコーチングにおいては、それぞれの個が抱える葛藤を一つのチームとして捉え、アプローチしていきます。これがとっても難しい。
個に対する時は、たくさんの問いを投げかけ、思考や感情、感覚を広げ・深めることが可能ですが、チームにおいては、複数名の生命体として捉え、場をホールドしながら、出せていない声をコーチがファシリテートし、我-それではなく、我-汝としての深いコミュニケーションを生み出す必要があります。
しかし、その難しさの向こうには、私たちというWeの存在、チームとして生まれようとしている大きなエネルギーが見えてくる。
私たちは1人では生きていけない。何かを助け、助けられ、生きています。
今の時代に欠けていて、分断されていて、そして求められているのがこのWeという繋がりでしょう。
世界では戦争が続き、コロナでコミュニケーションは希薄になり、SNSは情報を広げたようで自分の関心ごとの狭く時に浅い繋がりを強固にしていると、僕は思います。
誰もが抱えている隔たりと本音
チームコーチとして、役割をまとったあなたと関わる時、実は誰もが本音を伝えられない何かのエッジ(隔たり)があることを、この講座のトレーニングでは何度も痛感しました。
だからこそ、つながりを取り戻すチームコーチの存在は不可欠です。
目を向けたくない対立や、抑圧している感情は、1人では目を向けたくないものです。でも、それを理解しようとしているコーチがいるからこそ、伝えられる何かがあることを、この応用b、もとい基礎コースで何度も体験しました。
コーチも役割の一つです。コーチも欠けている存在の1人です。だからこそ、コーチもまた、コーチの役割を持ちつつ、我汝の私としてチームの中で生きている。誰もが私自身であることが、世界にとってはきっと必要です。
それは、とても怖いことだけど、私自身でありつづけ、あなたと関わることで、現れる何かがある。欠けているからこそ、私たちはチームであり、全体なのだと。この先も何度も、この感覚に立ち会うことでしょう。
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関係性における対立を扱える人が日本に、世界にどれだけいるでしょうか?
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チームコーチングを受けてみたいと少しでも思った方は、トレーニング中の身なのでぜひ練習させて欲しいです!Twitterや、noteでも気軽にご連絡ください。パーソナルコーチングも現在クライアント募集中です。
カップル、家族やチーム、組織において、対立に寄り添える人が増えますように。
すぐ
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