見出し画像

『わがいのち月明に燃ゆ』と公務員浪人生活

林尹夫の『我がいのち月明に燃ゆ』が、辛い公務員浪人中の支えの1つでした。

この本の存在をご存知の方は、どのくらいいらっしゃるのでしょうか。

もっと世に広まって欲しい、多くの人に知ってもらいたいという思いから、noteに書くことにしました。

簡単にあらすじを説明します。この書籍は、旧制高校(三高)から京都帝大にすすみ、第2次大戦中に学徒出陣で出征した戦没学徒、林尹夫君の遺稿集です。彼は戦場でも本を読み続け、自分の想いを、学びへの渇望をノートに書き続けるのでした。

前半は、思春期ならではの友情や恋愛、性欲への戸惑いや葛藤、軽蔑が赤裸々に綴られていて読んでいて少し恥ずかしくなりますが(笑)、良くも自分の感情をここまで忠実に言葉で表現できるなぁと感動しました。
加えて、日々の読書内容や勉強内容を記録した部分からは彼の凄まじい知識への渇望や努力の痕跡が伺えます。彼は戦場にまで本と日記帳を持参し、日々読書で知識を学び、また死と隣り合わせの戦場で感じたことを書き続けたのです。

そんな彼が瀬戸内海の空に散った日は、終戦まじかの冬の空でした。

この本を読むと、彼の知識への渇望や学びたいという欲に圧倒され、今当たり前のように勉強できる事への幸せを改めて実感します。

ニートで後がないという漠然としたプレッシャーと不安に挫けそうになる度に、「まずは知識を得て成長出来る環境に、感謝しよう」「勉強を楽しもう」という思いを取り戻すことが出来ました。


この書籍は現在は販売されておらず、販売当時900円だった文庫本を手に入れるのに、約5000円支払いました、、(今はAmazonで、中古品をもう少し安く購入出来ます。)
後悔は全くありません。約5倍のお金を支払う価値のある、手元に置いて何度でも読み返したい本の1つです。

「学びたい」という気持ちさえあれば、知識を得て成長出来る。そんな環境に居られるのは、とても素晴らしいこと。平凡な毎日への感謝を忘れる度に、私は何度でもこの本を読み返そうと思います。

この本の素晴らしさを、上手く言葉に表せない私自身が歯痒くて仕方ないです。どうしたら、もっと上手く言葉に表せるだろうか、彼のように自分の思いを率直に綴れるだろうか。

また1つ勉強したいことを見つけました。







この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?