見出し画像

両家顔合わせに来ない親


書こうかな…と思いつつ、書いてこなかった自分の親と家族のことを書こうと思う。


これまで書いてこなかったのは
幼少期からあまりにいろいろあって
何をどう書いていいかわからない上に、
要約して書くにしてもかなりの長文になること、
そして何より親や家族に言われたこと、されたことを思い出さないといけないのは
ものすごく労力をつかうし、精神的にもつらく苦しいので避けてきた。
それに親を悪者にして、自分は被害者だと主張するのはやっぱり抵抗がある。
親につけられた傷は時間とともに
だんだんとカサブタになりかけてるし、
わざわざ傷口をひらいてまで抉る必要はないと思ってた。


けど状況が一変した。
結論から書いてしまうと、父が両家顔合わせに行かないと言い出し、絶縁宣言したのち、連絡が取れなくなった。
顔合わせまではもう一ヶ月切っているのに
急にこんなことになってしまい
精神的にかなり追い込まれてる。
リアルタイムでこういったことが起こると
もう自分一人で抱え込むのも限界だと思った。
少しでも気持ちの整理がつくことを願って
親や家族のことをここに書いていこうと思う。





我が家は5歳のときに両親が離婚して父が妹とわたしを引き取った。
いわゆるシングルファザーの片親だ。
長年わたしには母がいなかったが、
数年前に父が再婚した。
それまでも家族間でいろいろあったけど、
最終的にわたしはこの父の再婚相手とうまくいかなかったことをきっかけに、5年ほど家族と絶縁状態で連絡も取っていなかった。
自分の中ではもう、親や家族は死んだものと思って生きてきた。


現在の婚約者の彼にも、告白してくれたときにまず家族のことを話した。
片親なこと、絶縁中なこと、今後もしかしたらそういったことが障害になるかもしれないこと…
彼はそういった事情を理解して付き合うと言ってくれ、わたしが家族とどんな状態かは付き合った当初から知っている。



彼と付き合ってからも親や家族と連絡取ることはなく、連絡を取らないからと言って支障もなかった。
もうとっくに実家を出ていて、親を頼らないといけないような年齢でもなかったし、連絡しないといけない用事も特になかった。


だけど彼と同棲し、結婚すると決まってからは
さすがに報告するのが建前だろうと連絡をとった。
まず妹に連絡をとり、以前のように二人で会うようになった。
そして腰は重かったが、父にも連絡した。
もう5年も連絡を取っていなかったので、いやな思い出も時間が解決してくれて、普通に会って他愛のない話ができる関係性になっていた。


そうして父や妹との関係が修復しつつあったが、それでも修復できないのが父の再婚相手との関係性だった。
わたしはどうしてもこの人が許せなかった。
父の再婚相手は、もはやわたしにとって「父の再婚相手」でしかなく
「わたしの家族」ではないし「わたしの母」でももちろんない。
こちらも関わらないようにするから
だからもうお願いだから、
わたしの人生にも関わらないでほしい。
放っておいてほしい。と願っていたが、そうもいかないらしかった。


父が両家顔合わせも、結婚式も、再婚相手を同席させるのが筋だと言って聞かなかったからだ。


わたしも本来ならそうした方がいいとはわかっているし、できるならそうしたかった。
父の妻として今後も何かと関わっていく人であり、わたしの夫となる彼や彼のご両親にも紹介しておくべきだろう。


だけどどうしても無理だった。
もう顔も見たくなかったし、とにかく関わりたくなかった。
5年前にそう思って絶縁したしされたが、
5年経ってもその気持ちが消えることはなく、
正直その判断にいまでもまったく後悔していない。
このまま絶縁中でいいと思ってるし、
どうしてなんの関係もないおばさんが、
ことあるごとにわたしの人生に介入して引っ掻き回してくるんだろうと思ってる。
こちらももう関わらないんだから、
同じように関わらないでほしいし、もう放っておいてほしかった。
なので両家顔合わせは
こちらは父とわたしの二人、
彼はご両親と彼の計5人で予定を立てていた。

そして事件は起こる。




父に婚姻届の証人欄を書いてもらうためと親睦のために、父・夫となる婚約者・わたしの3人で食事することになった。
婚約者が父と会うのは2回目だ。

この日に顔合わせのことも詳しく話していくつもりだったが、
そこでまた父が「再婚相手を同席させるのが筋だ」と言い始めた。
そして結婚式の話がでると「再婚相手を呼ばないつもりなら家族全員欠席する」と言い出し、
わたしと婚約者に対して暴言を吐きはじめた。



彼と彼のご両親のためにも、ここはわたしが折れて父と再婚相手を顔合わせに呼び、
「儀式」として淡々とその日をこなせば丸くおさまるだろう。

だけど、
それは本当に彼のためなのだろうかとも思う。

わたしはともかく、ほぼ初対面の彼にまで暴言を吐きかける父だ。
今後なにをしでかすかわからない。
顔合わせで全員をいやな気持ちにさせる要素を持った人間だ。
そんな父と今後も付き合っていくことに
果たしてなんの得があるのだろう。
むしろ彼と彼の家族を守るためにも
やっぱりこんな親とは、家族とは絶縁しておくべきなのではないかと思いはじめた。


その食事会では一旦わたしが父の条件を飲み、
顔合わせには父の再婚相手も同席させる、今後の結婚式なども呼ぶということで落ち着いたが
不快感や不信感は残ったままだった。



その日はまったく寝つけなかった。
わたしは寝つきがいい方だけど、
その日父に言われた暴言がよみがえって眠れない。
そして父の再婚相手に会わなきゃいけないというダブルパンチに汗が止まらず、呼吸が乱れ、胃が痛い。

絶縁を決意した5年前を思い出した。
あのときもそうだった。
忘れたいのに、記憶から消したいくらいいやなのに、言われたことやされたことがフラッシュバックしては精神が不安定になる日々が続いた。

5年という時間が経ち、やっと落ち着いてきたと思ったが家族と関わるとやっぱりこうなる。
どうしていつもこうなんだろう。
どうして普通に会って話せないんだろう。
家族からすると、すべてわたしが悪く、わたしの頭がおかしいらしい。
家族の中ではいつだってわたしが悪者だった。
これまで言われてきたことがよみがえって眠れなかった。


夫となる婚約者は「そんなことない。俺がいるし、俺の家族がいる。みんな味方だよ。」
と手を握っていてくれた。
もうわたしの家族はこの人と、新しい彼の家族がいてくれたら充分だと思った。
とにかくこの人たちを守っていきたいと思った。



そしてわたしは父に連絡した。
「ほぼ初対面の彼の前であんな暴言を吐く人と家族でいることに不安を感じる。
顔合わせを最後に絶縁する」と。

いま思えばこの連絡は良くなかった。
もっと考えて慎重に行動するべきだった。


それに対して父は怒り
「そういうことなら顔合わせには行かない。
もう連絡するな」と言ってわたしをブロックし
連絡が取れなくなった。



そのときもわたしを否定する言葉ばかり並べ
例えばそのなかに
「自分の家族とうまくいかなかったお前が、
彼の家族とうまく付き合えるわけがない」
とあった。
いやいや、その理屈でいったらあなたは母との結婚生活うまくいきませんでしたよね。
てことは再婚相手ともうまくいかないのでは…?
前妻とうまくいかなかった父が、上から目線にそんなことを言えるのが不思議でたまらない。

わたしに結婚の予定がないときも
「お前は結婚できない。誰とも暮らせないだろう」などと言ったが、
いまわたしが婚約者と楽しく幸せに暮らしているのはどんな気分だろう。
予想が外れて悔しいだろうか?
幼少期も父は「結婚なんてするな。どうせ離婚する」と言ってきた。
そのたびに「一緒にするな」と思った。


親は子の幸せを願うものだと思ってたが
そんなのは幻想なんだろうか。
それくらい父の一連の行動には娘に幸せになってほしいという気持ちは見られず、
むしろ不幸を願っているのでは、とすら思う言動のパレードだ。
どうしてだろう。
幼少期からだめだだめだと思っていた娘が
人並みに幸せになるのが悔しいのだろうか。
だとしたら父にとって子どもってなんだったんだろう。


眠れなかったイラつきや(父の暴言のせいではあるけど)その勢いで連絡したのは反省してる。
このタイミングで絶縁なんて言うものではなかった。


だけど暴言を咎めたら気分を害し、こちらを否定する言葉を並べてブロックするという父の行動はあまりに暴力的だ。
なんだか改めて、もういいやと思った。
これが父なのだ。こういう人なのだ。
ここに再婚相手が加わるともっと最悪で
わたしが悪くないことでも二人から責められ罵られ、一気にわたしは頭のおかしい容疑者のように扱われる。



もともと諦めていたから今回の暴言やブロックなどもショックはなかったし
やっぱりわたしにとってこの人たちは害でしかないんだと実感させられた。


だけど彼や彼のご両親のことを思うと胸が痛い。
彼とご両親はどう思うだろう。
父にブロックされて連絡が取れないとはいえ
わたしにも原因はある。
「絶縁」という言葉を先に出したのはわたしだった。
結果くだらない家族トラブルに巻き込み、
失礼極まりないことをしてしまい、あまりに申し訳ない。
片方が両家顔合わせに来ないなんて、破談にすらなり得る出来事だ。


このことを彼にすぐ話そうと思っていたが、
仕事で疲れてへとへとになってる姿を見ると
申し訳なさすぎて言えなかった。
もちろん彼のご両親にも伝えてない。


いまなら彼も彼のご両親も何も知らない。
それならとにかくわたしが父や再婚相手に謝りに行って、なんとかならないだろうかとも考えた。
連絡は取れないのでそうなると実家に出向くしかない。



だけど…
そんな風になんとか顔合わせに出席してもらえたとして不安は残る。
また暴言を吐かれないだろうか。
彼や彼のご両親は、父や再婚相手と顔を合わせていやな気持ちにならないだろうか。
祝いの席がぶち壊しにならないだろうか。


もうここまでくると関係の修復は難しいだろうな、と思った。
家族と食事をするというだけで
こんな風にいちいち不安を感じてしまうのは
つまりわたしが家族を信用してないからだ。
そして今後も信頼関係を築いていける自信がない。
家族と分かり合えることはないだろうと諦めてるとはいえ、
会うたびに否定され、傷つけられるのはやっぱりいやだよ。


謝ってもらえたら明日からは家族大好きです!
なんて単純なものでもないし
例え謝ってもらえても言われた言葉やされたことは消えない。
いまだに思い出しては怖くなるし苦しくもなる。
わたしはずっと家族が怖いし信用もできないだろう。
そしてそれはきっと向こうも。


もう自分の家族とは絶縁でいい。
だけど彼や彼のご両親にとっては、どうするのが最適なんだろう。
形だけでも顔合わせを行うべきだろうか。


こたえもでず、話せる人もいなくてここに書くことしかできない。
そして家族と絶縁していたり不仲な方の顔合わせ、結婚式などの体験談を読んで心が救われる。
この人たちは
「自分の家族とうまくいかないのに、
結婚してうまくいくわけがない」
という呪いを打ち破ったのだ。
つらく苦しい状況にも関わらず結婚した方に
心からよかったなあと思うし、いまも幸せに暮らされてることを願う。

こんなわたしも、もし無事に結婚することができたら、同じように親や家族のことで悩み苦しむ人の心に少しは灯りを灯せるだろうか。
そんなことを思いながらこれを書いていると
いくらか気持ちが落ち着いてくる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?